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U Tunes Track 09 : ナイトクローラー

暦の上では処暑を過ぎたとはいえ、まだまだ暑い日が続いている。前回は夏(真夏寄り)をテーマにしたが、8月下旬の現在、ヒグラシの鳴き声が聞こえるようになり、夕方5時のチャイムがなんとも切ない気持ちにさせる。
世界は大変な状況が続いているが、これからも日本の夏、季節の移ろいは変わらないのだろう。

ということで、今回は夏の終わりを感じさせる今日この頃、夏の想い出を振り返りしながら、ゆっくりとまったりとお送りしたい。
題して、「Everlasting, Summer Days」

話は変わるが、清少納言が『枕草子』で四季ごとに一番趣のある時間帯を詠ったように、「夏は夜」なのである。夜は、楽しいことも怪しいことも暗闇の中に包み込み溶かしていく。
そんな夜に音もなく現れるUMAと言えば・・・「ナイトクローラー」

ナイトクローラー

ナイト・クローラー

アメリカ、カリフォルニア州のヨセミテ国立公園で監視カメラに映り込んだ謎の生物。多く目撃され知名度も高く、UMAとして扱われるようになった。
夜の街を光りながら徘徊する生物で、名前の由来は目撃地に古くから伝わる精霊「ナイトクローラー」から取られたそ模様。
白くて胴体のようなものから足が二本生えている。大きさは大きい個体がベビーカー程度、小さい個体は人間の子供と同じくらいで、コンパスを回すように歩く。

MOONCHILD

人や動物を襲うわけでもなく、光を纏った神秘的な存在ですらあるナイトクローラーに対して、同郷のCA州出身でLAを拠点に活動するジャジー・ネオソウルバンド、MOONCHILDの「The Other Side」をピックアップ。
(私を含むアラフォーの皆さんにはお馴染みの日本の同名バンドの表記はMOON CHILD)

音数は多くはないが、シンプルなリズム、エレピの音色、語り掛けるようなヴォーカルが合わさり、メロウな雰囲気を作り出す。ゆっくりと時間が流れ、まるで空中にふんわりと浮かんでいるような感覚を与えてくれる一曲。MVのヴィジュアルもとてもマッチしてて気持ちいい。
とある夏の夜のある日、あなたもナイトクローラーを街、公園、近所で見かけるかもしれない。

個人的にこのバンドは大好きで、全体的にスロー~ミディアムテンポの曲が多いが、グルーヴが気持ち良くクセになるのでオススメ。


夏の終わりに聴きたいChill Music

夏の余韻を楽しみつつ、心地良い夜風を感じてみよう。

窓は開けておくんだ
いい声聞こえそうさ
(Fishmans「ナイトクルージング」より)

まずは、レゲエ・ラヴァーズの大名曲を3連発!

Sharon Forrester / Silly Wasn't I‬?

Dennis Brown / Love Has Found It's Way

Jocelyn Brown / Day Dreaming

ラヴァーズ(ラヴァーズ・ロックとも言う)は、レゲエの裏打ちリズムに、メロウで甘いメロディ、美しい歌・極上のハーモニーが重なりあったレゲエのジャンルの1種。皆さんもどこかで耳馴染みがあるのではないだろうか?
上に上げた3曲はラヴァーズクラシックの大名曲たちだが、日本人の感覚でも共感出来て、ちょっとセンチメンタルな気分にさせてくれるのが不思議。

Roy Ayers / Searching

以前の投稿で、Fela Kutiとのコラボについて触れたが、King of Vibesとも呼ばれるRoy Ayers。多くのヒップホップアーティストにサンプリングされ、レアグルーヴ最高峰の一曲。
彼が奏でるヴィブラフォンの音色、気怠い雰囲気、後半にかけて唸るホーンが、夏の夜の猥雑な雰囲気を醸し出させてくれる。

Lotus / Spiritualized

アメリカ出身のエレクトロニカ・ジャムバンドの代表曲。
ギターのリヴァーヴ(エフェクト)と複数重ねられたシンセが、空間に広がりを持たせ、浮遊感のある独特のサウンドを生み出している。思わず目をつぶって自分の世界に浸りたくなる一曲。他の曲も最高なので、是非聴いて頂きたい。上のライヴ映像は2曲メドレーで、この曲は10分くらいから。

さて、ここからはブラジル系でクールダウン。

Joyce Cooling / It's You

Sunaga T Experience(須永辰緒)のカバーで人気に火が付いた、ブラジリアンフュージョンの大名曲。小刻みなリズム、ベースのスラップ、エレピの多幸感、哀愁漂うギターとヴォーカルが合わさり、サウダージを感じさせてくれる。これぞ最高のサマーブリーズ。

Da Lata / Pra Manha

DJのPatrick Forgeを中心にウエストロンドンで活動するブラジリアン・ラテンジャズバンドのヒット曲。上で紹介した「It’s You」とは異なり曲調はマイナー寄りながらも、サンバのリズムに、リフレインされるアコギのリフやカッティング、アコーディオンの音色、憂いを帯びたヴォーカルが、「いとをかし」。

最後は、ダンスミュージック(ハウス)の大御所による説明不要なフロアアンセムで締め。

Franckie Knucles / The Whistle Song

Bob Sinclair / Love generation

クラブシーンの重鎮が、ポップに振り切り世間に認知されたキラーチューン。TVCMでも使われてたような気がするが、夏を楽しもうとする姿勢、心意気がたまらなくハッピーにしてくれる。


あとがき

皆さんは今年の夏はどのようにお過ごしだろうか?
私は息子と区民プールに行って、帰宅してからソーメンのお供にビールを流し込みそのまま昼寝。夕方に起きて近所を散歩しつつ、セミやトンボを追い掛け回し汗かいて帰ってくるという、これぞ夏という最高のお盆休みだった。季節を感じ、気分の赴くままに過ごすというのは格別である。

10代、20代のころは湿度が高く、汗がベタつく夏があまり好きではなかったが、年を重ねるうちに、うだる暑さにセミが鳴いている情景を見ると、汗かきながらも、日本の夏っていいな、と思うようになったものだ。
夏の終わりが近づきつつあるが、好きな音楽をお供に、この気怠くも情緒ある季節をもう少しの間楽しみたい。




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