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World Monster Stories 【Episode 3】


「バラウル」


世界中で語り継がれる、伝説のモンスターを紹介!「World Monster Stories」。第3回目は、ルーマニアの民話に登場するドラゴン「バラウル」。
やはり世界のモンスターを見ていると圧倒的に、竜や蛇のフォルムのものが多い。やはり、どこの地でも人間にとって、神秘的に感じるものなのかもしれない。

バラウル

まずは、その伝説の内容からご紹介。

バラウルは、ルーマニアの民話に登場するドラゴン。多頭で有翼ともされる。民話では、乙女の生贄を喰らったり、イレアナ王女を捉えたのち、ファトフルモスや聖ゲオルギオスなどの勇者に倒される悪役として登場する。
一部の伝承ではバラウルが天候に影響を及ぼすとされ、空中に生息するともいわれるが、その種のバラウルは、アラとも呼ばれており、汎スラブ圏の天候の魔物との混同がみられる。また、天候をあやつる黒魔術師ショロモナルの乗り物となる竜は、ズメウでなくバラウルであるとも伝わる。
またバラウルが宝石を生成するという伝説もある。

Wikipediaより

どうやら天候と深く関係するようで、空中にも棲むことができ、雲やもや、地下水の流れを操ることもでき、二匹のバラウルが出会って戦うと、大木が根こそぎにされたり、戦い後に嵐がおきたり、雹が降るとも言われている。

また、虹を道として使い、あらゆる場所から水気を奪い、やがて雨を降らしたり、現地では他にラマと称される竜の伝説もあり、共に海から水分を吸い取り、雨雲に貯えるという、よく似た伝説もある。


この伝説にちなんで、ルーマニアで発見された恐竜は、2010年8月に、バラウル・ボンドックと名付けられた。

バラウル・ボンドック化石

種小名の「ボンドック」は「がっしりとした」という意味で、バラウル・ボンドックはルーマニア語で「頑丈なドラゴン」という意味になる。これはバラウルの筋組織が現生鳥類と比較して発達していることを反映している。バラウルは2010年8月に研究者らにより記載され、タイプ標本を含む2つの部分的な標本から知られる。
バラウルの化石はハツェグ島と呼ばれる白亜紀のルーマニアの一部から発見された。ハツェグ島は一般に「矮小恐竜の島」として言及され、海水面が高くヨーロッパの大部分が熱帯または亜熱帯であった約7000万年前にはテチス海のヨーロッパ列島をなしていた。化石の初期の研究ではバラウルはヴェロキラプトルを含む小型のドロマエオサウルス科に分類されたが、その後の系統解析でバラウルは現生鳥類を含むグループである鳥群の基盤的な位置に置かれた。他の初期の原鳥類とは異なり、1つだけでなく2つの収納可能な巨大な鎌状の鉤爪が両足にそれぞれ備わっており、関連する種よりも四肢が短く重かった。
矮小化した竜脚類であるマジャーロサウルスなどハツェグ島の他の恐竜と同様に、バラウルの奇妙な特徴は島という生息地が進化に影響を与えたことを示していると主張されている。

Wikipediaより
バラウル・ボンドック復元図


伝説の生物の名前を実在した、恐竜に付けたというおもしろい例である。
あと、イマイチ何科に属するのかが微妙な存在らしい。

ちなみに、近年世界で大ヒットした”オープンワールド恐竜サバイバルアクション”「ARK」にも登場する。

実況中継されている方の動画が、コチラ↓


現在、続編も制作中だそう。興味ある方はぜひ!


今回は、「バラウル」をお届け!
今後も世界の伝説のモンスターたちを特集していくので、お楽しみに~


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