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普通の歌をカラオケで歌いたかった。doa「3」

 高校生になった当時、特撮熱が徐々に上がって過ごす中で廊下を歩いていると別クラスの同級生の声が聞こえた。

「今日カラオケ行かねー?」

 私に向けられたものではないし、自転車通学が多かった地元の高校では、話し合ってる同級生の家と学校の間にカラオケ屋があるのだろう。私の実家から高校は目と鼻の先であり、寄り道というのはほぼ無縁だった。

 小学生の頃は流行りの歌に付いていくというよりは、自然に世代の歌として受け入れていた。中学生ではどこで擦れたのかTVの流行りに付いていくことをあまりしなくなった。上手に歌おうとするなら特撮ソングくらいしか思いつかないし、いわゆる子供向けの物くらいしかレパートリーはなかった。

90年代戦隊EDは今のようなダンスEDはまだ確立せず、ヒーロー名の付かない爽やかな曲が多い。元ネタを知らない人が聞いても、まず特撮ソングとは気付かれないだろうと私は思っている。

 何か自分が歌うのに丁度いい音楽はないか。

 特撮のものであったとしてもコテコテのヒーローソングではないものを。

 そこでピンと来たのがdoaである。ウルトラマンネクサスop「英雄」「青い果実」ならウルトラマンっぽさは良い意味で無い。ならば、彼らのアルバムがもし出ていれば一気に歌える曲は増えるだろうと。

 近所の、今は潰れたTSUTAYAやbook offなどを回ってようやく見つけたのがアルバム「3」。発売から数年経っていたのだが気にせず購入。

 家に帰って実際に聞いてみると、どうも対象が大人の雰囲気がした。少なくとも働いている大人に向けたような印象が強かった。一通り聞いてから感じたことはアルバムとしての曲のテンポや構成が自分好みであった。曲の本質は理解できなくても、一つのアルバムとして良い時間を過ごせたことは確かだった。これを本当に理解するのは少なくとも成人した後だろうと少し楽しみにしていた。

 実際の所、高校時代のカラオケはほとんど機会がなく、二回友達といった位である。そこで知ったのは、doaの曲はデビュー初期・中期の曲位しか入っておらず、曲を知っているのと歌を歌える事は大分違う事だった。思ったような高音のキーは出ず、まず声が出ない。何より友達の反応が薄い。

 世間的には、少なくとも自分の周りでは、doaがマイナーの部類であることを、私が理解していなかったのであった。

苦い失敗はあるものの、doaの奏でる歌や曲にハマった私は財布の許す限りアルバム等を集めている。近年はネクサス自体のピックアップ等で、doaにも更にメジャー感は出てきただろうか。現在結成16年位か。ここまで継続しているという事はそれなりにファンがいる証明である。

誰に何を言われようと、自分が興味を持って触れたものを良いと思ったらそれを推し続ける。そんな感情をちょっぴり抱くきっかけになった初のCD購入である。

もしこの記事を見た方でdoaが気になってくれたら、是非公式pvを見て欲しい。「既に成人済みで頑張っている方なら刺さるものがあるだろうし、まだ若い人なら大人のカッコイイ姿の一つとして映る事だろう」という事を勝手に思っている。

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