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月ひとつ、私ひとり(2024年6月3日(月)の300字小説)

 後輩に、「頭の中ふわふわですね。お花畑ですか?」と言われた。下半身がゆるふわよりましだろうと思ったが、段々腹が立ってきた。
 私が30を過ぎても結婚とか焦ってないところに業を煮やしたらしい。君の焦りを私に持ち込まないでほしい。
 私だって全く何も考えてないわけではない。焦るっちゃあ焦るし、でも焦ったところでどうしようもないと思っているし。
 焦って結婚して、大して好きでもない人の世話をするくらいなら、自分の世話焼いている方が幸せだと思っている。だから、一人暮らしのままだ。
 もっと年を取ったら親の介護とかあるだろう。割かし親のことは好きなので、不満は今のところはない。
 夜空に月はひとつ。私も一人。
おしまい

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