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インタビュー&ライティング

先日、いつもいろんな企業の社内報向けの企画記事の仕事をくださっているパートナー企業の若手のコンサルタント・ライターの皆様向けに、インタビュー&ライティングの講座をする機会をいただいた。

3時間x3日間のセット講座で、事前準備、インタビュー当日、ライティングに分けて私のやり方をお話しした。コンテンツを作りこむときに「自分て、実はこんなこと考えてたのね!」という棚卸が出来て面白かった。

実はインタビュアーとしての私の経歴は、たったの1年なんである。

けども、「聴く&書く」の仕事で、多くのご指名をいただけるようになってきた勢いで、実に身に余る光栄なことに、そのノウハウを伝授して、というご依頼につながったのである。

媒体は色々な企業の社内報であるので、お話を伺う語り手は経営トップであったり、その対談相手の著名人というケースが多い。だから、私は事前準備にかなり重点を置いていて、必ず相手のファンになって行く。

そしてインタビュー当日は、一旦全てを手放して、語り手の方に自由に話してもらうことを最優先する。ヒプノティストとしてのスタンスにちょっと近くて、相手の目を通して世界を見るような感じを目指してそこに居る。

最後に記事を書くときは、残存イメージを中心に骨組みを作ってから、拾った言葉の分解・分類・再構築を行う。稀に、そのまま口伝を書き起こしたら文章で使えるようなぶれないお話をされる方もいらっしゃるが、多くの場合は企画の意図と読み手の期待にあわせて調整をする。しかし、ここで自分の解釈は絶対に加えないのがポイント。これは、ファイナンシャルアナリストがフォーキャストを扱う際にボトムス・アップとトップ・ダウンの調整をするときのスタンスに近い(細かすぎて伝わらない選手権に出せそう)

・・・というようなことを、今回ご依頼をいただいてから「自分ってどうやっているかな」ということを考えて整理したのだが、とはいえ、そんなに経験が長いわけではない私が、こんな自己流を人に伝えていいものかと、ネットでどんなノウハウが語られているかをざっと調べたら、どこもテクニックどまりの事しか書いてなかったので、謹んでお受けすることにした。(受講者が既にカスタマーインターフェースをされているプロなのに、今更、"笑顔" とか ”てにおは” もないよね…!)

そしてコンテンツを練っているうちに、もしかして私これで一冊本がかけるんじゃないかしらという気がしてきた。

自分がこの仕事にはまっている理由は、

まず、企業の中のビジネス・プランニングの経験が長く、偉い人たちの(数字というファクトを軸にた)1:1レビューを累計1,000回以上をこなしてきたこと。そして、その仕事柄、経営視点のインサイトを身につける機会が得られたということが大きい。(傍から見ると全く違う仕事をしているようでも、企業勤めの修行がちゃんと生きてる)

次に、3年前から人の心と向かい合う仕事を始め、特に一昨年は、ビジネスレビューとは全く違う種類の「きく」という行為を重ねる中で、「ファクト」の扱いに関するコペルニクス的転回を得たこと。私という人間は変わらなくても、与える印象が「怖い人」(企業勤めの時は役割に対するからかいも含めて、良くそう言われていた)から「優しい人」(そうでなければ心理職は成り立たない)になり得るというのは、素晴らしい発見だった。

理論という意味ではキャリコン養成講座でロジャリアン・メソッドを学んだことが大きかったが、実践という意味では、それに先立って、ヒプノセラピーという潜在意識アプローチを学んだことが、自分個人にとっては、非常に、非常によかったと思う。

そして最後にもう一つあげるとしたら、このnoteもそうだけど、「書く」ことについては幼少期から趣味で続けてきた積み上げがあるということかも。読むことも書くことも好きなんである。

例えばこのコラムなどは、別に先にプロットを考えるまでもなく、上から順にダーッと思いつくままに書き流している。もちろん後から細かい修正をいれるが、あくまで少し読みやすくするってかんじ。実は、そのライティングを「どうやって書いているの?」と聞かれると、一番説明が難しい。

記事作成の時にどういうことをやってるかの具体的なステップを辿ると我ながらかなり独特だし、逆に、講師として受講生のなかでの再現性を意識して整理すると、ピラミッド・プリンシパルから?(なにしろあれは本来「書く技術」)と思ってしまう。むしろ他のプロのライターさんがどうやってるのか聞いてみたいくらいだわ。

だから結局は、「事前準備」と「インタビュー」のパートをしっかり伝えてあとはフリーで質問に答えるというスタイルに着地した。しかし、この「ライティング」のところ、なんとかお届けしたいとも思っている。そこまで含めてしっかり再現性を担保する整理ができたら、これは一冊の本になるような気がしている。・・・マーケットはかなりニッチだけど。

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