【自己紹介】ゲームプロデューサーってどんな仕事? 〜 新規事業を立ち上げるまでの流れをご紹介〜
フリーゲームプロデューサーのうきょうです。
今日は、自己紹介も少し絡めつつ、ゲームプロデューサーの仕事ってどんなことをするのか?ということも触れつつ、私がやってきたこと、やっていることを書いてみたいと思います。
会社によってプロデューサー、ディレクター、プロジェクトマネージャー(PM)、など呼び方が違ったり、それぞれ職務で求められる定義が異なりますので参考としてみていただければ幸いです。
私がやっている「プロデューサー」としてのお仕事
下に、「0から1」の新規事業を作る際の流れで、
やったことを書いてみたいと思います。
1:プレリサーチ
自分で起案するにしても、誰かから命題をいただいたときでも、まずはリサーチをします。
このとき意識するのは、
事業としての実現性と、
自分が本当にやりたいのか?という気持ちです。
「事業の実現性」で主に確認すること
・作れるチームが確保できるか
・納期、予算、売上共にざっくり見積もって勝算があるか
・起こりうる障害は超えられそうか?
「自分が本当にやりたいのか」で確認すること
どちらかというとこちらが重要。仮に儲かるとしても、やりたいかどうかの気持ちはすごく大事にしています。理由としては、事業を作ることは相当なハードルやトラブルを超えなくてはいけないので、気持ちがないと面倒臭さが勝ってしまいがちになるからです。
そうすると結果的に、成功する確率も低くなるので、すごく大事です。そしてこれはチームメンバーも一緒です。ただやるというよりも、やりたい!と思える人とくまないと、後々苦労します。
2:企画概要の作成
次にすることはそのプロジェクトの簡単な企画概要書を作ります。まずは身近な関係者(社内関連)に軽く説明するための資料です。
・新規事業の概要
(ざっくりイメージ、デザインコンセプト、概要、市場性、新規性、競争力)
・予算のイメージ
(開発費、広告、推定PL、BS、運用費、売上、黒字転換時期の予測など)
・開発チームの候補
PL=損益計算書
BS=貸借対照表
3:関係者へプリプレゼン
設計したい新規事業が社内だけで完結する場合は社内の関係者のみでのプレゼンで構いませんが、他社様のライセンスをお借りしたり、コラボ、タイアップ、協業を行う場合は、関係社(者)それぞれにご説明をし、承諾を受けなくてはいけません。
その場合は、版権元、関係者様、含め、各社の代表、プロデューサー、作家さんなどに説明が必要になります。プロデューサーは基本的にその業務も全て行います。
あとは関係者にも話を聞いて、そこで盲点や可能性を探るイメージです。必要な場合はこの2と3の工程を何回か繰り返します。
ちなみに過去取り組んだ作品の1つ「アトリエオンライン 」では企画書設計から開発着手までにいろいろあって4年かかりました。
このときはまだプロジェクトになる前なので、情報の取り扱いにも厳重注意が必要です。
4:資料を清書して役員会に起案
関係各所へのご説明が終わったあとは、ある程度企画の確度が高まったとうことなので、予算やチームを確保するために役員会に起案し、とても偉い方々にプレゼンをする必要がありますので、その工程を経ます。
ここでポイントなのは、ある程度話の流れで外部関係者、社内の重要な決済者等に説明を何回もしておいて、承認後にすぐ動けるようにしておくことが理想です。
大手起業になればなるほど役員会、臨時役員会、製作委員会のタイミングはは月に一度とかになりますので、相当な時間がかかってしまうからです。
無事、承認が降りたらプロジェクト自体はスタートしますが、予算の確保と予算を動かすために、次に財務や経理、法務とMTGを行って、財務計画などを立てていきます。これもプロデューサーの仕事です。
規模感としては億単位で予算が動きますので、とても大事ですね。
【補足】役員会で握っておくこと
役員会で握っておくべきことはたくさんありますが、この辺は何がなんでも握っておく、話を通しておく必要があります。じゃないと関係者が外にいればいるほど揉める原因になります。
ちなみにですが、いざプロジェクトがスタートしたとしても、会社の都合等で潰されることや中断せざるを得ないこともよくあります。最後まで気を抜かないように動きましょう。
といいますか、この段階はあくまで序盤中の序盤の通過点に過ぎません。
▼社内/外で握っておくべきこと
・意思決定者
・予算の規模(開発形式)
・収益配分
・権利の範囲
・サービス提供媒体、サービス国
・リリース時期の目安(余裕があれば)
・開発猶予の期間(余裕があれば)
5:開発スタート&採用&制作関係者へ連絡
◆開発シートの詳細設計、採用活動、外部協業パートナーと提携
そしてここからは開発スタートになりますが、とりあえずは企画をよりゲームにするためのドラフトを作って、まずは開発メンバーのアサインに東奔西走します。
あわせて、デザインやタイトル、ロゴ、BGM、シナリオ、声優さんなども想定しながら動きます。
私の場合は最低限の人数を社内でアサインしつつ、あとは外部でやることが多いので、外部の開発会社などを国内外含めて探します。
そこから契約したり、制作進めながら各種要素を進行して、大幅に書くことを端折りますけど、あとはご存知の通りのデスマーチが2年ぐらい続きますw
6:開発途中の工程
ある程度開発ができてきたらモックテストを数回繰り返します。これはパブリッシャーからリリースされる関係者のみを一部集めてテストする工程です。
ここである程度ゲームの面白さや雰囲気を体験してもらい、リリースに向けて随時調整しながら仕上げていくという感じです。
7:リリースの目処が見えてきたら
◆マーケティング戦略の立案と実行
リリースの目処が見えてきたら、マーケティング戦略を本格的に練っていきます。私はマーケティングが得意分野なので、集客プラン、マーケティングプラン、情報発信プラン、キャッチコピー、デザイン露出戦略、情報戦略なども細かく練ります。
◆広告クリエイティブコンセプトの作成
情報の露出初期は、リリースも全部自分で書きますし、お知らせも書くし、広告デザインも作るし、キャッチコピーも作ります。
一時期動画まで作っていましたけど、動画は時間がかかり過ぎたのでプロにお任せしましたが、基本的には全部初めはやって、方針が決まったらあとは委任をしていきます。
8:リリース後の運用フェーズ
◆トラブル対応、運用方針の決定
お客様からの問合せは一通り目を通して対応方針を決定します。基本的には新規事業の立ち上げ時はトラブルが多発することが多いので、早急な意思決定と情報発信が必須です。プロデューサーはその仕事も重要です。
◆後継者の育成
めでたくリリースができたあとはすぐに運用フェーズに入りますから、後継者(プロデューサー候補)や、各セクションリーダーの育成を意識して運営、採用活動を継続します。
下手すれば5年、10年かかります。特にプロデューサー候補は本当に難しいので、時間をかけて一緒に成長することを意識しておかないと、後々結局自分の首を絞めることになりますので、早い段階から候補者を見つけて一緒に仕事をしくことが大事です。
◆アップデート計画の策定
できれば後継者と共に一緒に考えたりプランを練り、中期、長期戦略の立案。数字の考え方、マーケティングプランなどを取り組み、徐々に権限移譲を行っていきます。
といった感じで、新規事業の立ち上げ等に関しての流れや関わった大きな仕事などの概要を書いてみました。
おまけ
誰にも聞かれていませんが、プロデューサーになるために何をやればいいのか? についてですが、とりあえず使った知識などを書いておきます。
役に立った知識
・簡単な財務知識
・知的財産、ロイヤリティ等に関する法律関係
・プレゼン力(なんとかなる)
・コミュニティ、交渉力(よくわからん)
・やる気(超重要)
・マネジメント(てきどで)
・リーダーシップ(わからん)
・マーケティング、リサーチ(超重要)
・セールス力(超重要)
・ライティング力(最低限)
・デザイン(最低限)
【執筆者:うきょう】
ゲームプロデューサー & 事業プロデューサー。ソフトバンク、LINE、NHNを経て2回目の起業。オンライン、オフライン問わずに幅広い職種でも対応できる事業戦略や商品、集客企画が強み。
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