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理不尽な開発環境下で生き抜く方法、マネジメント経験をゲームプロデューサーの視点で描く(ゲーム in the ノンフィクション)

この記事は、あるゲームプロデューサーが体験したことを元にした実話である。

◆会社やチーム内の生存スキルは今や必須スキル

ここ数回、ゲームの現場で起きた事実を元にした記事を数本書いてきた中で、想像以上に多くの方が同じような境遇を体験したというコメントをいただいた。

私のnoteでも数回にわけて現場での生存術などを書いてきたこともあるが、改めてここで少しばかし自分でやってきたこと、チームメンバーに対して実行したことを少しだけまとめてみたい。

ただ先にお伝えしておきたいこととしては、本記事は1つの参考であり解答ではないということである。

サバイバルスキルやマネジメントとは、人それぞれの強みや弱み、性格、今ある環境、過去の経験、幼少期の体験なども含めて複雑な要素が多分に絡むために十把一絡げにこれだけやれば大丈夫!という答えはない。

だからこそ難しいし、簡単には行かないが、自分自身の経験、また多くの経営者からのアドバイスなどを参考にしてサバイバル術を書いてみる。

必ずしもいい結果に繋がるものを保証をするものではないが、少しでも悩みの解消や参考ベースとして活用してもらえると幸いである。


理不尽な環境にいる場合の対応例

自分にとって都合の悪い職場環境を簡単に変えることは残念ながら難しい。

対応方法としては、順応するか、諦める(自分が我慢する)か、環境を変える行動を取るかぐらいしかない。

この中で解決策は何か?になるが、一番効果的なものは「環境を変える」が一番であり即効性も高い。いや、むしろそれしか根本的な解決策はないに等しい。

そこから飛び出す勇気はいるが、そこにいる地獄を断ち切るには物理的に飛び出して関係を断ち切る以外に手段は基本的にはないのである。

まずは1つ事例をお伝えしたい。


例1|暴力を振るうパートナーに話し合いは通じない

例えば、気性が荒くて暴力を振るうパートナーが家庭にいた場合、心の平安はない。仮にそのパートナーが機嫌が良い日があったとしても、それは一瞬でありこちら側はコントロールができない。

結果として身近にいるあなたに対して攻撃を繰り返すことになるのだが、それを避けるには

相手の機嫌をとることか? 

それとも

コミュニケーションスキルを上げることか? 

それとも

話し合いをすることだろうか?

答えはすべてNOである。


答えは、あなたがそこから物理的に離れることである。


上記の場合、そもそも話が通じる相手ではない人に対して、コミュニケーションスキルを高めようがスキルを高めようが成果を出すように努力しようがあなたへの暴力は一切なくならないので関係性はない。

この場合、暴力を振るう人と距離を置いて離れるという、根本的な原因が解決されない限り、パートナーの暴力はあなたに対して繰り返されるだろう。


例2|精神的苦痛を与える環境も同じこと

上記で挙げた例は極端にわかりやすい例を書いたが、実は会社の組織やルール、傍若無人な上司などがあなたに精神的苦痛を与え続けているのだとしたら、同様に同じぐらいあなたは命をすり減らしていることになる。

そんな状況下であなたが戦うためのスキルを磨いたりコミュニケーション能力を上げるために努力したり、話し合いをしようとしても根本的な原因が多岐に渡りすぎたり、真の問題特定がかなり難しいために解決の糸口は相当難しいことは想像できるだろうか。

仮に目の前に苦痛を与え続ける上司がいて、その人と戦おうしても相当な根気がいるし、長期的な時間がいるし、それを変えられる実行力や仲間が必要である。

さらにはその上司はすでに権威者とつながりが強いことも多いので、仮にその人をなんとかしても状況が変わらないなんてことも実際によくある。(私自身も何度も経験しているし、そういう人ほど退社はなかなかしない)

ではどうするのか?であるが、できれば環境を変える方に努力を向けざるを得ないのである。

具体的にはチーム移動、部署移動、会社の異動などである。

すぐに環境を変えるための努力しない限り、あなたは永遠に縛られ、行動できず、神経をすり減らすだけの毎日を過ごすことになる。そしてやがて体も心も壊してしまいまかねない。


対処法について

そこで、この記事ではまず休むこと、実際にどうやって休むのか?についての方法から、転職活動するときの順序などについてもご紹介する。

実際に退職を検討するチームメンバー、精神的に疲れた人に対して相談されたケースで実際に実施してきたことなどをお伝えする。

さらに言うと、私自身も何度もこういう状況をくぐり抜けてきた経験を活かし、さらに有識者にも話を聞いた上で整理してお届けする。


A|精神的に疲れてしまったとき

❶休む

これに尽きる。必要なら病院に行ったほうがいいし、長期化している場合はカウンセリングなどもオススメする。

休むときに関しても、実際には寝込むよりも思い切って外に行くことをオススメしたい。例えば平日に休むとなると、あぁ〜なんか体調が悪いことにして休むことにしようなんて考える人が多いのではないかと思う。

ただ、こういうときに家に籠っていても頭によぎるのは仕事のことだったりする。そしてなんか勝手に1日が過ぎてもったいなかったかもなぁなんてことにもなりかねない。

そうならないためにも、できれば平日だからこそ思い切って外に出て食事したり、朝からビール飲んだり、カフェでお茶をしてみて欲しいのだ。

お家での遊びがやりたい場合はそれでもいいが、外でもできるならば外に持ち込んでやってみることもオススメする。

カウンセリングについては敬遠しがちだとは思うが、今やメンタルケアは社会人にとっても大事なセルフメンテナンスの1つであるとお伝えしたい。

肩や腰のコリをほぐすように、ジムで汗を流すように、自然にメンタルのコリやシェイプアップは必須な事項だと言える。

どうしてもまいってしまった場合、思った以上にスッキリすることもあるので、通院をオススメする。


❷全力脱力モードでやり過ごす

人間常に元気でいられるかというとそうではない。ときには脱力モードでやり過ごせるならばやり過ごすことも重要なことである。

仕事はほどほどに流すこともときには必要だ。


❸罪悪感を緩和する工夫をする

責任感が強い人ほど、休んだり、仕事をしないということに対して罪悪感に悩まされるだろう。

ただ精神的な疲労が多いときは、できる限り罪悪感は背負わないようにして欲しい。

いきなりそうしろと言われても難しいと思うが、罪悪感を緩和する方法としては、自分よりサボっている人を参考にしたり、どう考えてもこの人仕事してなくない?なんて人を見つけると少しは和らぐ。

あとは自分の中の厳格なルールを俯瞰してみても欲しい。

たとえば「〜〜〜するべき」というルールが多い人は、他人にも厳しいし、それを破る人をみたときに怒りの感情が湧いてしまうことが多い。

この「べき論」は実は精神衛生上あまりいいものではないため、できる限り自分の中で認知して、手放したり、ケースによって使い分けて欲しいのである。

認知の仕方は、例えば自分はどういうこと、どういう人に腹を立てるか?というものを書き出すといったやり方である。

それを認知したら、それをみても怒らないようにしようと心がけてみたり、そういうシチュエーションに合わないように行動をあえて避けるという回避方法を取るようにして欲しい。


B|転職を考えるときにオススメしたいこと

Aの項目ではできれば負荷を減らすためにも、現在いる環境下でできる限りの環境変化、受け流せるようなことを書いた。

ただし、それがどうしても改善されないとみた場合は居場所を変える選択肢を取る必要が望ましい。

❶信頼できる人に相談する

会社の問題、特に人間関係での悩みの場合、相談する相手を間違えると今以上に酷い未来が待っていることがある。

そうならないためにも、相談する人は慎重に選ぶ必要がある。

できる限りあなたの悩みに寄り添って話を聞いてくれて、一緒にどうすればいいのかを考えてくれる人が望ましい。

このときの注意としては、いずれにしてもあなたの上長に話が伝わった上で対処が行われることがあるということ。

上長以外に相談した場合、噂だけが先に上長に伝わってしまうと意図しない内容が伝わってしまうこともあるので注意が必要だということ。もちろんそうならないためにも相談する相手は慎重に選ぶ必要があるということ。

仮に直属の上長が精神的苦痛の問題である場合、その上長と一緒に働けないことを前提で、より上の方、人事や総務の方に相談する必要がある。


❷辞める前にすること

できる限り今の会社で粘る方法を探ること。

2つ目は、今の会社を簡単に辞めないことが挙げられる。できれば今の環境で良くなるならばそれに越したことはない。

場合によっては休職や職場転換を行なって、改善、回復できるケースもあるため、最後まで取れる手段は全て実行してみることが大事だ。

その方法がわからない場合は、それこそ人事や総務に相談レベルから聞いてみるといいかもしれない。

できる限り今いる職場の有給や仕組みをフル活用して、これ以上傷つかない、疲弊しない形でやり過ごすこと。

例えば、嫌いな人や業務と関わらないでやり過ごせるならばそのようにやり過ごせるように行動したい。

ただ、出社自体がもうしんどいなどの症状が出ている場合は、遠慮せずに人事や総務等に相談して有給消化をする、または休職できないかも含めて打診するといい。

仮に辞めるにしても、システムは最大限活用しながら転職活動等も行えばいいし、元気になって復帰できる環境ができたり、職場自体の環境が変わった後に出社できるならばまた復帰してもいいだろう。


❸転職活動はする。ただし次が決まってから辞めること

今の職場に不満や退職したい事由が強くなった場合、かならず転職活動をすることはオススメする。それは自分の棚卸しをすることと、他の会社の情報、視点を広げるという理由にも紐づく。仮に転職しないにしてもだ。

ただし、気をつけるべきは転職活動をするために会社を辞めるということはオススメせず、転職する場合は決まった後に今の会社を辞めるということである。

理由は「貧すれば鈍する」という言葉がある通り、収入がない状態になると不安はますます強力になるからである。例えば一人暮らしの場合は家賃や生活費がある。家族を持っている方も生活費がのしかかる。

収入源が途絶えるとこの不安は大きくなるばかりである。

不安が常に頭でよぎるとどうなるのか?だが、正常な判断ができなくなることに直結する。頭の思考回路のメモリを食い続けてしまうからである。

人間は意志力を使って考え事は決定の判断を行うが、不安や悩みはこの意志力を決定するためのメモリを食い続けてしまう。

お金の問題というのは人間を不安に貶めるにはかなりのウェイトを締めるため。貯金がたくさんある時などや、収入がなくてもしばらくは大丈夫な状態でない意外はできる限り次の職場が決定してから辞めることをオススメする。

まとめ

・信頼できる人に相談すること
信頼できると思える人がいない場合、話せる範囲でもいいので誰かに相談や話を聞いてもらう環境だけでも作ること。一番よくないのは一人で悩むこと。第三者から見てみたら、単なる自分だけの思い込みかもしれないし、気のせいだったりすることもよくあるからだ。

・切羽詰まった状態の場合は早急に物理的環境を変化すること
暴力、セクハラ、パワハラ、モラハラ、いじめなどのケースであれば早急に物理環境をチェンジすること。この事例に当てはまる場合は正直遠慮なく録音などをしておくことをオススメする。
この場合、仮に問題解決したとしてもその職場に居続けることは難しいが、あなたの身を守る手段の最終防衛策であることは間違いない。手遅れになる前に環境を変えること。

・休む場合も会社や社会の仕組みを最大限に活用すること
職場環境に関してはまずはシステムをフル活用して回復できるかどうかをお試しいただきたい。どうにもならないと判断した場合は転職を前向きに検討する。

・転職する時は転職先が決まってから辞めること
転職活動はある種自分の棚卸しタイミングだと思ってもいい。自分の評価反応、経験値を整理すう機会としても大事なことなのでぜひやってみることをオススメする。
その後、活動するにしてもできれば新しい職場への内定をいただいた後に今の会社を退職することをオススメする。


おまけ

仮にメンタル面だけの一時的な不調である場合は早寝早起きが一番望ましい。寝不足の状態、日光に当たらない環境が継続してしまうとうつ病にもなりやすいので、早寝早起きなどの習慣は結構地味だが一番効果的だったりもするので、こちらもオススメしたい。

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