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いまの高校生はどのバンドをコピーしてるの

 20歳になって大人の仲間入りをしたのは7年も前になる。7年。改めて書き起こすとなかなかに重い数字だ。この7年の間、確かに色々と成長して、色々なことを諦めて、いろんな考え方が身について、じわりじわりと20歳の自分から別人になったと思う。それでも、好きなものと交友関係は20歳の頃からそんなに変わっていない。というか、今の自分は30歳と20歳とだったら20歳のほうが近いんじゃないかと感じてしまう。こうやって若者に対してやたら距離感の近いおじさんが生まれるんだろうなと気づき、気をつけようと思っている。

 2023年によく聴いた曲のプレイリストをApple Musicがつくってくれるわけだけど、2023年の曲があまりない。20歳のころから変わらず、とまではいかなくても、3,4年前からだいたい同じ曲を聴いているらしい。その中にYOASOBIのアイドルとかビートDEトーヒみたいな紅白レベルの流行り曲も入っているのがかえって具合が悪い。たしかに好きで聴いてたけど、ビートDEトーヒが入ることがあるか??YouTubeもTwitterもInstagramも賢いもので、知っているものか知っているものの応用レベルくらいのことだけをオススメに出してくれる。結局いまの高校生や20歳の子たちは何を聴いて誰を観てるんだ。なぜかやたらオススメされるパパ活女子と水商売女子の生活にそんなに興味はないから、それよりもいまの流行りを教えてほしい。なにもついていきたいわけじゃない。ついていく10代は周りにいない、ただ知りたいだけなんだ。

 週替わりのEDが強すぎると話題になったチェンソーマンのアーティストの面々は2/3くらいわかった。残りの1/3はよく知らなかった。よく考えると、これがリアルだろう。中高生(大学生)は7年間で総入れ替わり…どころか2代くらい入れ替わっているが、エンタメを発信する会社のおじさんたちはあんまり入れ替わっていない。7年前もとい10数年前から人気なアーティストはまだまだ推され続けていて、その中で淘汰されたバンドもいれば新しく発見されたアーティストもいる。そうやってじわじわと(僕からみた)「新しい側」の人が増えていって、いつか本当に何も知らないアーティストが人気になっている。いつまでも若いわけではないから追いつく必要はないと思うけど、きっと恥ずかしいことはそれを知らないことではなく自分たちの流行りをいつまでもまだ流行りだと勘違いしていることだと思う。

 前の職場の還暦近い上司がエンタメ通で、人気韓国グループのメンバーを全員把握していたりした。そのときに同僚や、あるいは接待中には取引先が若いですね〜!と驚いていた。僕が若いですね〜!と言われるのはいつだろう。初めて言われたら頭を抱えてしまうだろう。けれど、その年齢になった時にそう言ってもらえる時点で御の字かもしれない。


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