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エッセイ

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羨望

羨望

小さい頃、家を追い出されて泣く俺を近所の人は哀れな目で見てきた。そこから20年、日本と韓国を行き来していると周囲から羨む目で見られるようになった。外国に行けば差別の目で見られるかもしれないけど、小さい頃の我慢を考えれば気にならない。過酷だった環境は、裏を返すと有難いペインだと思えるようになった。ファーストクラスにスウィートルーム。今日も現実と夢を同時に見る。

目指すゴールはまだ先。なんならスター

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汗水

汗水

日に日に深くなる夢。その夢のせいで早起きして勉強する。毎日は繰り返しの連続。朝に起きて急いで支度する。車は混む。イヤホンはワイヤレス。もしもネガティブな気持ちが生まれたとしても、そんなものは汗と一緒に流れ落とす。

憂鬱を感じる日々を抜け出して、プライベートは充実した生活を楽しむ。毎日が楽しければ昔話をする暇はない。絶望したらクヨクヨしてしまうけど、目線だけは未来の方向に向け続ける。

今年の目標

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生涯

生涯

プライドを捨てて立派に生きたい。現実は険しくて血が滲む日々。我武者羅、若いうちに出来るだけ苦労をしておきたい。人生は勉強の連続。全ては何気ない口約束を実現させる為。挑戦に年齢は関係ない、何歳だとしても今が一番若い。

今の幸せを離さない。他人の悪口を話さない。他人と過去は変えられないから、自分と未来を変えていく。人間の値打ちは日々の行為にある。人に親切にすればそれが好意になる。未来をやり直すつもり

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靴底

靴底

小学生の頃の家の中、親だけがプレステを楽しむ光景。羨ましかった俺は親がいない隙に隠れて楽しむ。だけど見つかれば殴られた。心は凍死寸前。もしかすると現実は地獄よりも地獄なのかもしれない。

そんな環境から抜け出すために必死に脳味噌を使う。頭の中は家の洗濯機よりも回転する。昔は回らない寿司屋に憧れていたけど、一緒に行く人次第で回転寿司でも美味しく感じられることに気づいた。仕事の目的がお金になってしまう

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無常

無常

毎日減っていく人生の残り時間。永遠なんてあり得ない。誰にだって時間はない。時間に値段はつけられない。逆に、俺は永遠なんかに浪漫を感じない。

現実は無常。まずは他人に真実よりも有益さを与える。そして決して人種や見た目で相手のことを判断しない。愚かな人間は自分にとって都合の悪い人間を悪だと示したがる。

この手に抱えたい物が多すぎる。今立っとる場所は理想と現実の狭間。生きること自体、苦しいもの。正直

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泥

何の為にこんなに頑張るのか。誰かの為なんて思っているのなら綺麗事。誰もが結局は自分の為でしかない。

俺は苦労することでしか自分を表現できない。昔から努力は苦手で、苦労することは得意。骨とは違って心はいくら折れても目に見えない。骨折り損のくたびれ儲け、くたびれた数では誰にも負けない。

文章を書く為に鉛筆を削り、やりたい事の為には身を削る。加減が分からずに削りすぎて地獄が見えそうになる時もある。ま

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人生に立ち止まった時は一歩下がればいい。ダメなら二歩下がればいい。それでもダメなら下がって下がって下がって、人生の全体像が見渡せるくらい下がってみる。きっと歩き出せるようになる。

人生に立ち止まった時は一歩下がればいい。ダメなら二歩下がればいい。それでもダメなら下がって下がって下がって、人生の全体像が見渡せるくらい下がってみる。きっと歩き出せるようになる。

寝てるだけで何かを成し遂げられるなら世話ない。自分が成し遂げたいことを思い出す。生きた証を残す為に足跡を残す。人生は歩き続けないと豊かにならないから。

今まで、散々失敗した。散々怒られてきた。自殺なんか数えきれないくらい考えた。悪天候、自分の上にだけ雨が降っていると思うことも多々ある。体を酷使しても思うように結果が着いてこないから、自分は何の為にこんなに頑張っているのかって落ち込む時もある。

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氷

乱暴な怒声が響き渡る。近所中にブチギレられていることが伝わって恥ずかしい。そう思いながら、それよりもさらに大きな泣き声を響かせる。物心ついた頃には既に母さんはいなかった。父さんと2人で暮らしている一軒家。けれど間違いを犯すと言われそう、「どうせあの家の子供だから」って。

小学生の頃は首から鍵をぶら下げた。そして帰ると殴られて気分を下げられた。殴られた後は家を追い出される。深夜に、もちろん子どもは

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抱負

抱負

私の周りには助けてくれる人がいて、夢の中でも自分を支えてくれる人がいる。果たして私を守ることが吉と出るのか凶と出るのか。それが正解かどうかはいずれ分かるだろうから、今はあえて急いで結果を知ろうとはせず、道理に従って行動するしかない。

ーーー

春になって桃とスモモのどちらが先に芽吹くかを争うかのように、行く先々で春風の香りを周囲に伝えるような役割を果たしたい。もしかすると来年には子どもを授かった

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道

あるインタビューで聞いた一言を思い出す。

「誰もが前に進む時に真っ直ぐ歩いていると思っていますが、後で振り返って自分が歩いてきた道を見てみるとくねくねと曲がっていたりします。私たちの人生がまさにそういうものでしょう。」

ーーー

今年の果てに着き、少し立ち止まって自分が歩いてきた一年分の道を振り返ってみる。毎日前に向かって必死に歩いていたけれど、その苦労に比べたら大した距離を進めたわけではない

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逃亡

逃亡

電話が切れて頬をくすぐる涙を拭う。普段心の内に秘めていたことを全て言ったのか?自信ありげに意見を言うことができたのか?いや、むしろ否定され、反駁され、嘲笑を買っただけだった。その言葉の前で私は罪人のように扱われるだけだった。しかしプライドとメンツという名のもとでギリギリ耐えてきた膝が地面についた瞬間、不思議と心が軽くなった。何の心配事もなかった半年前よりもずっと、心が軽くなっている。もうこれ以上言

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前向き

前向き

俺は散歩が好き。
だって昨日と同じ道を歩いても必ず何かが違う。目の前に広がる光景も人によって見え方が違う。生き方によって感じ方が変わってくる。そう考えると不思議な気分になる。

視力が悪い俺の目ん玉で見る景色は、視界がぼんやりしとる。ぼんやりとした毎日を過ごしとる俺にはお似合いの目ん玉だ。

空を見上げる。
雨が降ってきたと思ったら、
空に吐いた唾が返ってきただけだった。

人は生きれば生きるほど

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染み渡る道端の詩

染み渡る道端の詩

子供の頃、家の中から窓の外を眺めた。
あそこの家庭が羨ましい。

親に怒られたら理不尽に逆ギレして
「あんたがこんな風に育てたんじゃん」
そう言って悲しそうな顔をさせた親不孝者。

当時の彼女の泣き顔とか、親の呆れた顔、ばあちゃんの心配そうな目。恩を仇で返した情けない経験すらも、いい話っぽくなるように都合良く理由を後付けした。

けど、そんな人生じゃ誰も幸せにならない。

どうやら人生は過酷らしい

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事実は小説よりも奇なり

事実は小説よりも奇なり

今日も相変わらず隣人が夜に病んだ。
けど何も無かったように雨が止んだ。

ありふれた言葉を繋ぎ合わせる。世の中は綺麗事でいい加減な詩ばっかり。俺は犯した罪と過ちの数。つまり社会の手のひらで踊らされとることに気づかないマヌケ。あの人はシンナー中毒で歯抜けになっとる。

雨は冷たい。いくらでもある金の稼ぎ方。てか福沢諭吉と目が合った。皮肉にもそのお金で今日も友達と会えとる。心配しなくても毎日夜は明ける

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