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TNFCを終えて 

The North Face Cupに向けて、今シーズンは、持続可能なトレーニングではなく、期間限定でないと、メンタル的に続けることが困難なレベルのトレーニングを続けてきた。
「100日だけ頑張る」と決めて、多少の大変さは期間限定ならと頑張ってきた。

最後まで悩んだカテゴリー

カテゴリは背伸びしてDivision3にエントリー。いつも動画を参考にしている人や、同じくらいのレベルと思う人が軒並みDivision4だったから、「やらかしたかな?」って段々不安になったり。
事前に開催されたプレマンの課題を触ってみると、5完登できればいいほうで、3時間近く打ち込んでも落とせない課題もあった。。
松井山手の疑似課題でも、D3の参加者だと全完が当たり前といわれた課題で1つ落とせなかったり。。
D4に降格するくらいなら、最初からD4で参戦すれば良かったよな。。何恥ずかしいことやってるんだ。。と、土壇場で各ディビジョンで空きが出たときは事務局に参加カテゴリ変更のメッセージまで作って、あと送信するだけというところまできていた。

ただ、「挑戦する」ということを考えると、D4で本当に挑戦したことになるのか。と自問自答し、たとえふがいない結果でも挑戦することに意味があると踏みとどまることができた。

トレーニングと外岩とのバランス

トレーニングは順調だった。
100日だけという合言葉は、自分のモチベーションを高め、PDCAを回しながら日々自分のトレーニングの質を向上させることができた。
早く、その成果を試したい!
そしてその成果を外岩に費やした。
決してその選択を後悔しているわけではないが、その結果として一番強くなっていける時期。追い込んで登りこむ時期にずっと岩場で課題と向き合ってしまい、結果として普段のシーズンよりも強度の高い登りこみはできなった。むしろ夏場のほうがインドアでの登りこみはできていたのではないかと思う。
登りに行ける日も、ケガをしている状態だったり、指皮が避けて満足に握れない状態だったりという、万全のコンディションでの登りこみは、最後の1月では1,2回あったかどうかというところだった。

コンペティターになるのか、ロッククライマーになるのか。
この問いに答えは出ていない。だけど、やっぱり両方挑戦し続ける人間でありたいと思う。

コンペに参加する意義

コンペは理不尽な競技だと思う。
自分が練習してきた成果を出しきるには、「1時間10課題」というのはかなり短い。小学校の漢字テストで範囲は小学6年生までなのに、テストの出題数は3問だけ。それで漢字の学力を計る。というような理不尽さを備えている。
3時間あったら、全部登り切れるだろう課題。それを1時間で。しかもたくさんのライバルと順番を待ちながら登る。息を切らしたまま課題に取り付いたり、反対にずっと待たされてようやくスタートを切ろうとしたら、スタート姿勢に入れずフォールしたり。
また、課題の数も少ない。苦手な動きが一つあって登れないだけで、順位は大きく離されてしまう。クライミングのレパートリーからするとかなり絞られてしまう。
それも、準備運動も満足にできない環境で行うことになる。
柔軟体操をしようにも、寝転ぶスペース一つない。
自分の実力を出すこと自体が一つの関門になっているといってもいい。
そんな理不尽で、難しいのがコンペなんだということに、真剣に取り組んでようやく気付くことができた。

一方で、コンペ独特の空気がたまらなく面白い。
個人的な表現としては、「ワチャワチャ」した感じ。
カラダの奥底から、強い気持ちが沸き上がってくる感覚。
落ちそうになったとき、コンペだからこそ持てた。止めれた。そんな「プラスの一手」が出たとき、自分の実力が引き延ばされたような感覚を感じる。

他人と競うのがコンペであることは間違いないんだけど、登っている時は他人がどうとか考えない。集中力が極限まで高まって、目の前の課題にフォーカスされていく感覚。今思い出してもたまらなく大好きだ!

結果については良い時も悪い時もあるだろうし、それはコンペに参加する意義ではないと思う。でも、自分の実力を回りと平等に比較する唯一の場がコンペであり、それぞれが理不尽な環境下にどれだけ自分のクライミングを持ち込めるのかを競うのは、なるほど。めっちゃ面白い。

結果について

結果としてDivision3で全体8位。(28人中)
6完登にZ2が一つで終了。本線出場ラインは7完登+αというところ。

課題を振り返ると、落とせる課題は他にいくつもあったから、やり直せばもっと登れたと思うけど、それは周りも同じ。笑
最近気づいた課題である足上げにおける肋骨の下制が核心で落とされたのは、対策が間に合いきらずに本当に悔しかった。他の課題も、あと10分あったら登れたんじゃ。。という課題が多い。

よもやD3で本線出場は想定していなかったから、正直この結果は「出来すぎ」といっていいレベルだった。多分僕自身は「コンペに強い」タイプ。あるいは周りに比べてコンペにしっかり合わせて準備してこれたんだと思う。

「100日だけ頑張る」と決めた時に設定した目標や行動指標はすべて完遂。事前に草コンペでコンペ当日の課題をあぶりだし、その対策もきれいにはまった。当日の登る課題の順番や対策も他の会場での課題の傾向から、きちんと対策することができた。
自分が大事にしてきた、「登るところ以外」における創意工夫がすべてはまったといえる。
週2回しか登れないというハンデを、しっかり乗り越えて結果を出すことが出来て本当に満足している。
自分より上のリザルトの人で、これくらい年齢老けてて週2クライマーはいないんじゃないだろうか。。笑

運が良かった。恵まれた。

結果についても勿論だけど、コンペへの挑戦が成功できたのは、そもそもコンペ出場を回りに理解してもらえたことや、大きなケガもなく今シーズンを登りきれたことなど、たくさんのラッキーに恵まれたからだと思う。
特に嫁さんや職場の人、インスタで知り合った方からのアドバイスや声援。色んな周りとのつながりが、自分にたくさんの力を与えてくれたように感じる。
感情が感謝であふれかえる。この感覚を得られたことが、一番コンペに参加して得られた大きいものだったかもしれない。

今回の日記は、誰かのためになるものではなく、自分の今の気持ちをどこかに残しておきたかった、自己滿な記事になってしまいました💦

次回、この100日を通して役立ったトレーニングなどについて、語ろうと思います。
自宅トレで強くなれる!という自信がついたので、良かったら次の記事も読んでみてください。

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