難易度高い英語の比喩表現。メタファー(Metaphor)は、イギリスの小学校で必ず学ぶトピック。でもそもそも何なのか?というお話です。
お父さんです。
このブログは地元の公立中高で学び、地方大学を卒業した庶民派お父さんがひょんなことから子供二人の都内私立小学校受験を経て、またまたひょんなことで子供たちがイギリスのボーディングスクールに合格するまでの道のりを綴っています。
今回の記事について
今回の記事は、イギリスの私立小学校で学ぶ英語の高度な表現である一連の比喩表現についてです。一連の比喩表現を網羅した上で、中でも特に日本人にとって難易度が高いメタファー(Metaphor)について、一体これは何なのかを解き明かして行きたいと思います。皆さんの参考になれば嬉しいです。
イギリスの小学校で英語(国語)は、現地の子供達にとって「国語」です。Year5くらいになると、これまでの記事でも書いてきた単語テストや前置詞、また文法だけでなく、英語の豊かな表現を身に付けるべく色々な比喩表現についてのトピックが増えてきます。比喩の表現で何を学ぶかというと、下記が代表的な表現の一覧だと思います。
①Simile
②Metaphor
③Personification
④Alliteration
⑤Onomatopoeia
それぞれ簡単に私のつたない理解で解説させて頂くと、以下です。
①Simile:『直喩』 asやlikeを使って「~のような」の表現をする。
⇒例文:I love my new blanket, it is as soft as velvet!
(この毛布、ベルベットみたいに柔らかくて大好き!)
②Metaphor:『メタファー』。日本語で言うと暗喩。今回の主題です。
⇒例文:下記で子供の教材を使って詳しく説明しますので後述。
③Personification:擬人化。例えば「母は優しさを体現した人でした」とか
⇒例文:The stars danced in the night sky (星が夜空で踊った)
④Alliteration:頭韻。冒頭の文字で韻を踏むヤツです。
⇒例文 ”Small slithering snake(小さなスルスルと進むヘビ)" 『S』が冒頭
⑤Onomatopoeia:オノマトペ。カサカサとか、チョロチョロとか。
⇒例文 "The leaves rustled in the gentle breeze"
(葉がそよ風でカサカサと音を立てた。)
おそらく①から⑤の中で最も日本人に馴染みの薄い表現は②のメタファーではないでしょうか。個人的にも中学高校で勉強した記憶が殆どなく、非常に苦手意識があります。上記①~⑤の理解をベースにして、色々な文学作品を読んでいくのですが、例えば代表的なものだと、ジェームス・ジョイスの「ユリシーズ」を読み込んでいくという形です。一言で言うと「大人でも難しいじゃんか!!」です。
英語の基礎が既にできている現地の子供たちが学ぶ「国語」としての前提なので、まぁ当然と言えば当然なのですが、英語力がゼロの我が家の子供たちにとってはハードルが高い。。難易度が高すぎて『分からない所がわからない』というパニックモードに陥ることも数えきれず・・・です。最初は宿題で出たペーパーを私も含めて家族みんなで眺めて、「分からん」を連発しながらグーグルも使いこなして、夜な夜な家族全員で1枚こなすのに2時間くらい時間を使ってました。例えば、ユリシーズの1節(ページ半分くらい)を上記を使って直しなさいとか、メタファー的なことが書いてある文章を指して、作者は何を言いたいのか答えなさいとか、日本ではおそらく大学生でも学ばないのではというハイレベルな宿題でした。
ちなみに初期に宿題で出された問題が下記です。以下の文章と問題文をみて皆さんは分かりますでしょうか。こちらYear5(小学校4年)の時に出された宿題です。
次に、問題が以下です。
いかがでしょうか。初見では私には意味不明でした。
これを日本語で例えると何でしょう。。
日本の教科書で言うと、「ごんぎつね」を読んで、「この時、きつねのごんは何を思ったのでしょうか」とか、「最後の文章に出てくる『白い雪がしんしんと降っていました』というところは何を意味しているのでしょうか」という感じの問題だと思うのですが、これを日本語力ゼロの子供が読んで日本語で答えを導き出すのは相当厳しいと思います。我が家と逆のパターンで言うと、日本語が全く話せないイギリス人の子が日本の学校に入学して、1年くらい経った時にそれができるかと言うとやはりハードル高いと思います。
日本語がネイティブの子供でも間違えることがある問題だと思いますが、それを英語力ゼロの我が家の子供たちが取り組むのは本当に大変で、今考えてもよく頑張ったなと思います。
この後も継続的にこういった練習問題と、リーディングをとにかく繰り返し
半年~1年後にはメタファーの宿題もメタファーの入っているリーディングもそれなりに問題なくこなせるようになっていきました。とにかく繰り返しの演習とリーディングが大切と先生からも繰り返し言われていましたので、その結果だと思います。リーディングは本当に大切です。
今回も長々と書いてしまいましたが、読んでいただきありがとうございます。皆さんの参考になれば嬉しいです。
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