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次世代オルタナティブバンド 1994           EP「陽が沈んで、夜が明けて」      リリース記念インタビュー&曲解説

溢れ出る風格

今回のインタビューまでにライブハウスと配信などでライブを数回拝見させてもらったが、活動をし始めてまだ一年足らずとは思えない完成度だった。

すでに発表されていた深呼吸や夜歩くなども、よりブラッシュアップされていて今演奏されている曲達はどこまで広まっていくのだろうと、期待とわくわくでいっぱいになった。

実際にライブハウスで拝見したのは1度しかないが、配信のライブからでも現場の雰囲気が十分に伝わってきた。1994にしか出せない雰囲気や迫力が画面越しに溢れていた。その中で地上波でのクローズアップは1994をチェックしている人たちや関わっている人達にも、音楽やバンドが秘めている可能性を感じずにはいられなかったはず。

間違いなく令和の台風の目になるバンドである新音源、「陽が沈んで、夜が明けて」は一度聴くと次回作はどんな曲を聴かせてくれるのか、どんなアプローチをしてくるのか、これからがより楽しみになる1枚だった。
個人的には全曲A面と言っていいぐらい良曲揃いだと思っている。なおかつ各曲聞き込むほどにいろいろな側面が見え隠れするので何度でもリピートすることをおススメしたい。

今回のインタビューでも曲解説があるのでぜひ聴きながら読んでみてほしい。

1st EP リリースおめでとうございます!深呼吸リリースから約半年、ライブ等かなりお忙しくされていたと思いますが、今回のEPリリースに関して
作曲やレコーディングは活動の傍らで進められたのでしょうか?
(回答:Gt Yuma Kanai さん)

ありがとうございます。
もう少し緩く活動しようかなと思ってたんですけど、ありがたいことに素晴らしいイベントを誘っていただくことが多かったので、思った以上にライブをしてた気がします。
とりあえず、6曲が最初の目標だったので、ライブやりながら作曲はずっと続けてました。
レコーディングは緩く進めてて、年度末以内に何か出したいなって思ってて、丁度Lovemusic様から連絡がきたので、レコーディングミックスマスタリング含めて、ベースの桶の家に集まって泊まり込みで作業して、大体、3日くらいで全曲終わらせたと思います。
いやー、きつかったっす。まじで。

◎今回のEPはすでに発表されていた夜歩くと深呼吸以外の曲は音源としては新曲になりますが制作期間はどのくらいの期間で作られましたか?

イメージが膨らめば、1時間しないくらいでおおよその形は作れるんですけど、そのイメージを膨らませるのに本当に時間かかりますね。
ジャンル関係なく、片っ端に音楽を聴きあさってイメージを膨らます作業を毎回してます。
今回のEPはアニソンからもアイディア引っ張ってきてるくらいなので、相当色々なの聴きましたね。

◎マニアックな話になりますが、今回のEPのレコーディングで使われた機材や、音作りの拘りなどを教えてください

僕含めて、1994はこのバンドを組んでから、本格的にDTMを触ったメンバーが多いのであんまり詳しくないんですよね。

僕 PC:MacBook Air、DTM:Logic、インターフェイス:BEHRINGERのインターフェイスの一番安いやつ

日野 PC:MacBook Air、DTM:Logic

桶 PC:Windows、DTM:studio one

安藤 PC:MacBook Air、DTM:GarageBand(MacBook付属のやつ)

こんな感じですかね?
プラグインとかも色々と調べて使ってますけど、手探りでやってる感じで、自分達の耳を信じて行ってます。
もう少しクオリティ上げたいので、勉強していきたいです。

◎個人的には全曲A面と思っているのですが、歌詞と歌メロがさらに研ぎ澄まされたような気がしました。
歌詞や歌メロのインスピレーションはどこからきていますか?
(Vo: Hairi Hino さん 回答)

歌メロは参考にしたい曲を聴いてみて考えたり、ストックから出したりしています
歌詞はそのときに自分が心を動かされたもの、惹かれたもの、吐き出したいもの、表現したいものについて素直に書いています

◎EPに収録されている各楽曲の解説をお願いします。

1.澱み
実は最後にできた曲なんですけど、僕がスランプになってしまっていた時期があって、曲を何個も作っても最後まで作り上げることが出来なくて、ずっと苦しんでいた時期があって、一旦原点に帰ってみようと思って、夜歩くと同じコードで曲を作ってみたら、もの凄い勢いで完成させた曲です。

もう好き勝手作ってやろうと思って、あんまり他の楽器の事は考えずにギターの強い曲を作りました。
ど頭から強い曲っていうテーマがあったので、サカナクションの新宝島を意識してたと思います。

2.utp
この曲は5曲目に作った曲です。
1994はツインボーカルのバンドをやりたいと思ってスタートしたバンドだったので、何曲か僕も歌う曲を作りたくてこの曲を作りました。
Bearwearが超好きなので、かなり意識して作りだして、自分達の雰囲気を出した感じですかね。
いいフックになる曲をになったと思います。

3.夜歩く
この曲はバンドを始めて一番最初に作ってみた曲です。
日野が原型を作っていて、ちょっとシディポップみたいな感じにしようとしてたんですけど、僕が一から組み立てて、作り直してしまいました。
かなりきのこ帝国に影響受けました。
ラストは完全に僕の趣向を突っ込んだ感じです。

この曲はMVにもしてて、平日の遅い時間に日野と近所で撮影しに行ったのはいい思い出です。

4.深呼吸
この曲は二曲目に作った曲で、最初は日野が弾き語りでサビのメロディを持ってきて、めちゃくちゃいい曲になりそうだなと思って、大切に作った曲です。
くるりCody ・Lee(李)羊文学を参考にして作りました。

5.開花
この曲は三曲目に作った曲で、アコースティックな曲でライブの最後に演奏する曲を作りたいと思って作りました。
OasisYUIをかなり参考に作成しました。
この曲は僕も歌っていて、一応ツインボーカル的なニュアンスがあります。
スタジオで合わせた時、まじでいい曲だなって思ったのを覚えています。

6.mother
この曲は4曲目に完成した曲で、手嶋葵さんのテルーの唄みたいな曲が作りたくて、作り始めました。
他にもAimerEGOISTなどのアニソンやBearwearに影響を受けています。
元々は入れる予定がなかったんですけど、僕がどうしてもピアノとストリングス、キーボードを入れたくて、日野の友人の大久保さんに依頼をして、壮大な感じになりました。
今回のアルバムの代表的な曲になったと思います。
眠れない夜を必死にやり過ごして、なんとか朝を迎えた時にこの曲が一番心に響きました。

◎EPリリース発表直後にフジテレビでのLove musicにて新世代のアーティストとして取り上げられていました
がそういったお話はいつごろから出ていたのでしょうか?


一月の後半に連絡をいただきました。
正直結構狙っていたので、連絡が来た時は嬉しかったです。

◎motherのPVがつい先日発表されましたが、PVのテーマや裏話などがあればぜひ教えてください。

mother自体が2番のない曲なので、MVも攻めた感じにしたくて、ワンカットでの撮影を深呼吸を作成してくださった重さん、角さんに依頼をいたしました。
当日は日野しか撮影がなかったのですが、メンバー全員集まって日野の撮影を見守っていました。

◎おそらく昨年以上に今年は注目される機会が増えてくると思われます。最後に今後の予定などを教えてください。

世の中のサイクルって本当に早いので、その流れに何とかついていかなきゃいけないと個人的に思ってます。
昨年はMV3本、音源は再録含めて8本出したので、今年は同じペースかそれ以上には作品を出していきたいです。
でも、全員社会人なので、なるべく無理しない程度には頑張りたいです。

終わりに

深呼吸のリリースからまだ1年も経っていないのに地上波に取り上げられ、それに合わせてEPと新MVも発表し目まぐるしいスピードで突き進んでいる1994。

しかし、その目まぐるしい活動の速さとは思えないクオリティの曲を産み出し、ライブ活動でもクオリティを上げ続けている。あまり何度も書くことではないだろうが、バンドメンバー全員が社会人ということで、今後バンド活動をしていく上での新しい手段の一つとなるかもしれない。

とはいえ、まだ活動して1年足らず。まだまだ楽しませてくれる活動をしてくれるだろうし、なにより次はどんな曲を出してくれるのだろうかと、Rockin'onの雑誌を読みながら新たなアーティストを追っていた頃を思いださせてくれた。また、今回のEPでは是非歌詞にも注目して聴いてほしい。

スぺースのインタビューでのやり取りで難しい言葉を使うのは割と簡単で、皆に伝わりやすい言葉を使って表現する方が逆に難しいことであるということを改めて感じた。ストレート且つ情景や感情が浮かんでくるような歌詞にも時間をかけてゆっくりと聴いてほしい。今後も1994の活動に注目!


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