ここからが愉しみで…
“相変わらず寂しい人ですね”
数奇な友人は ズケズケと呟く
肯定するわけで無く 否定する訳で無く
“御意”
と 呟いておく
花束がやって来た
センターを飾る 紫陽花に
季節の移ろいを感じる
美しい
二週間前に やって来た花達がいる
華々しく来られた花達
新しい花束がやって来たからか
寂しそうである
“大丈夫
ここからが お愉しみ”
ドライフラワーは 苦手である
束を ばらし 花器にあわせて
鋏を いれていく
なんの手習が あるわけで無く
投げ入れでは あるが
それでいい
今まで 影で 身を潜めていた
花達にも 光が当たる
家中 ふとした時に
目に入るよう あちこちに
飾って歩く
日常
動線の中 歩みを止める 一点に
今までは 見向きもしなかった
猫師匠が 歩みを止める
“これは 喰えるのか?”
“食べないでください”
朝目覚めれて
そんな事を繰り返す日常
細やかな 愉しみで
息を 繋いでいる
ギランバレーに恋をして
ここからが愉しみで...
花を愛でる朝に
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