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雷雲  鮎漁師の呟き

朝目覚めれて 鮎漁師…
お爺にもらった網を 継ぐ
0.4号の糸は 塩が抜けていて
水に触れると 直ぐに破れてしまう

直しても 直ぐに破れ
また 直す

足元には猫師匠
日当ボッコを愉しむ...


いつもの漁場に出かけた
歩けど歩けど鮎は居ない
深場の大鮎を 追うも出ては来ない


下に降り

残り鮎を 拾って行く

雷鳴が轟く

見上げると

さっきまで 晴れていたのに…

蜜柑を 齧りながら
雲を眺める

大丈夫だな…

暫くすると 鮎中毒さんが
現れた

漁のスタイル
網の張り方は 皆それぞれ
遠方から 観てもわかる


“ここ 打った?”
“瀬の頭 打って ここは 残してありますよ”

上下ウエットのフルスーツで
水の中を 歩き回る

季節は秋
水は冷たい

では お先に....

家に戻り 
もう一仕事

獲れたばかりの鮎を 背開きに
一夜干しを 造るのである

手間暇かけて造る逸品
仕上がりも 美しく..,

鮎中毒さんから メールが入っていた

“今日も たくさん獲れました”

鮎漁師 浮世雲
ギランバレーに恋をして
スパルタリハビリな日々

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