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浮世絵の絵具ー「紅」工程記録

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2019年7月の記事一覧

浮世絵の絵具ー細工紅②

新作用に注文していた細工紅が届きました。細工紅は出来上がったばかりの状態は泥状ですが水分を含んだままだと変色の原因になるので、すぐに使用せず保管する場合は乾燥させます。(とても高価で摺師としての下請けの仕事では使えません。)

下請けの仕事が忙しく、新作の制作ははかどってはいませんが、少しずつ進行はしています。

2018.2.16

浮世絵の絵具ー細工紅①

江戸時代のオリジナルの浮世絵の赤は紅花から作られています。紅花は当時色々な用途に使われており、純度の高いものは口紅に、それより純度の低いものが浮世絵の絵具などに使われました。
浮世絵などに使われた純度の低いものを細工紅といいます。純度が低いといっても高価な絵具で文献には「惜しむこと金の如く」、「紅は親方が摺る」といった記述が見られます。
江戸時代以後化学性顔料がとって代わるようになり永らく市場から

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