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クィア

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水陸両用/晴雨兼用

髪を切りに行った。切る前はかなり前髪重めで邦楽の若手ロックバンドみたいな雰囲気になっていた。 私は髪型によって印象が変わることには抵抗がない。それどころか、色んな振れ幅がある人間だと思ってもらえるほうが良いと思っているので切る時はだいたいバッサリといく。 切った後の仕上がりはラッパーといったところだった。誰の掌中にも収まらないぜ。 散髪して家に帰った時、鏡を見てちょっとショックを受ける現象があるが、今回は無かった。短いなーと思いつつもしっくり来たし、髪はいずれ伸びるし、なに

    • マイカミングアウトストーリー

      両親にカミングアウトをした。 誕生日のお祝いとしてホテルのバイキングに連れていってもらった。自分達以外に他の客は1組しかいなくて、ふとその人達の会話を聞いていると、ニューハーフバーへ行ったという。その話の中で社会勉強のためにというようなことを言っていた。おまえの社会勉強の材料にすんなよというイラつきを感じながら食事を終え、少し休憩しようとロビーの椅子に腰掛けた。何気なく携帯でTwitterを流していると、SHISHAMOのドラマーの方が交際している女性とパートナーシップを宣

      • ver 1.1

        右腕の手術をした。 手術の後はまつのやでささみカツ黒カレーを食べた。黒いカレーしかないことが気にはなったが、これはチェーンの松屋でスタンダードなカレーを取り扱っているからここではやりませんよという棲み分けなのかなと推察した。 手術の理由はタンクトップを着て外を歩きたいからが最も大きな理由だった。しかし手術を終えて前までの自分とは一味違うver 1.1になれた気がする。 カミングアウトへのいい助走になったと思う。

        • つらつらと

          街中では男性が働き/女性が家事をする、そんな広告がそびえ、テレビでは男女が恋をするドラマがうんざりするほど流れ、家族や友人からは異性に関する話題ばかり訊かれる。周りを見渡して、自分と同じクィアの人間がいるかは、わからない。ましてや、恋愛をしようにも相手に人権意識がなければこちらに身の危険が及ぶかもしれない。この時点でかなりの気力を消耗する。これは明らかにフェアとは程遠い。 スタート地点に立つ以前に、挑戦権すら与えられないような社会だったが、ここ7〜8年にしてようやくスタート地

        水陸両用/晴雨兼用

          エンタメに続く現実

          映画を観てイライラする。 素行の悪い主人公や登場人物が差別的な言葉を吐く場面を目の当たりにすると、演出の都合とはいえ全く感情移入出来なくなる。フィクションと現実は区別すべきとか、作品と実際の人柄は関係ないという考えもある。部分的にはそうかもしれないが、フィクションが現実に起こっている不条理を解消するきっかけになることもある。もちろんその逆も然り。なのでフィクションは結果として現実を映す合わせ鏡になる。 私は、クィアコミュニティの一人だが、最近初めて「羊たちの沈黙」を観て惨

          エンタメに続く現実