【百花譜】続!!日本全国のミルクまんじゅうを全部取り寄せて食べる
これまでのあらすじ:
博多通りもんの影に隠れた日本全国のご当地「ミルクまんじゅう」を探し求め、60種近くを食べ比べたライターのるゆにつ。
一通り食べ終えて安心していたのもつかの間、まだ見ぬミルクまんじゅうが我も我もと押し寄せてきてーーー!?
るゆにつは乳菓を制し、今度こそマイベストミルクまんじゅうを決めることができるのか。
バター、練乳、生クリーム。乳製品にまみれた聖戦が今、再び開幕。
戦いの模様はこちらから
石舟庵:百花譜(静岡県)
辞書や図鑑の類が好きです。
コンクリートジャングルに暮らしている半引きこもりのくせに、植物図鑑や果実の図鑑をよく眺めています。もちろん動物図鑑や世界の文化、世俗が知れるものも好きです。
現代ではカラー写真や3Dの図鑑なんてものもありますが、昔は当然誰かが目で見て描いた、手描きの図録だったわけで。
今回ご紹介するのはそんな図録の1ページのような素敵なミルクまんじゅうです。
手掛けるのは以前ご紹介した、阪神タイガースの公式グッズにもなっているミルクまんじゅう『夢みる虎』を製造している石舟庵さん!
『百花譜』とは医師であり詩人だった木下杢太郎が書き残した植物の写生本のタイトルです。
この木下杢太郎さんが静岡県伊東市の出身であったことから、同じく伊東市のお菓子屋さんである石舟庵がオマージュを込めて、その図鑑の名をこの可憐なミルクまんじゅうにつけました。
パッケージに描かれた植物も、その百花譜の挿絵をレイアウトしています。
ヘビイチゴかな?派手な花でなく、野に咲く小さな花なのが可愛らしいですね。
石舟庵のミルクまんじゅうのおいしさは、夢みる虎で知っていますのでとても楽しみです。
さっそく食べていきましょう!
実食!
開けるとすぐにミルキーで濃い香りがしてきます。
絵を描くように丁寧に花びらのシワまで作り込まれた型は、お菓子でありながら一級の芸術品のよう。
断面を見ても生地の均一な薄さやあんの詰まり具合が見て取れると思いますが、どこをとっても精巧に、丁寧に作られていることがわかります。
しっかりとした厚みと重みがありますが、あんは舌で押しつぶせるほど滑らかです。
夢みる虎のあんに似てナチュラルチーズのほのかな塩気とコクが感じられ、麦芽糖の香ばしさもしっかりと舌にインパクトを与えてくれます。
ミルクまんじゅうの中では割とヘビー目な、濃厚さのある味だと思いますがこぶりなサイズと後を引く塩気、飲むように食べられるなめらかさが相まって一つまた一つと口に運んでしまいます。
まとめ
静岡は伊東の地が生んだ、詩人の木下杢太郎。
彼が最晩年に遺した手書きの植物図鑑『百花譜』からオマージュを得た今回のミルクまんじゅう、大変美味しゅうございました。
さて、食べ終わってこの記事を書こうと石舟庵さんのページを詳しく見ておりましたところ、気になる記述が。
椿、梅、桜、みかんの花、クレマチス、秋桜と四季によって形が変わります。
椿、梅、桜、みかんの花、クレマチス、秋桜と四季によって形が変わります。
四季によって形が変わるだと……!?
……まさかあと5回も変身を残していたとはフリーザ様も驚きです。
季節によって木型を使い分けるそのこだわりっぷりは、さすがあの夢みる虎を手掛けた石舟庵さんならでは。
あの虎の型も相当なこだわりが見受けられましたものね。
今回(購入したのは2月でした)届いたのが椿でしたので、今は何が届くんだろう。
そうしたワクワクで季節を感じられるのも嬉しいですし、ミルクまんじゅうオタクとしては単純にコンプリートしておきたいですね。
お花見の席で桜の形の百花譜を出して、風流な人として一目置かれたいという下心もありますが、花より団子ならぬ『花よりミルクまんじゅう』とばかりに無心で食べてしまいそうです。
それではまた次回🌕
今回のお店:百花譜(石舟庵)
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