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Vol.7 | 知っておくと役に立つ?林業の目印の話。

こんにちは。
福岡県のうきは市と久留米市の山林を管理する浮羽森林組合です。

子ども達が夏休みに突入し、ある種緊張感が走っているご家庭もおありのことと存じます。
この溶けてしまいそうな暑さに大人も夏休みがほしいなぁ。なんて思ったり。

本格的なレジャーシーズンに入り、子どもも大人も涼しい山を満喫したい。。。ですよね?
川遊び、昆虫採集、山登り、キャンプ、それらに付随するさまざまなアクティビティ。
山の中には肌で体感できる楽しい要素がたくさんあります。

一方で、命の危険を伴う要素もたくさんあります。
・山登り中に登山ルートを誤って遭難した。
・川に流されて危ない目に遭った。
・昆虫採集中にハチに刺された。

今回は、山でのレジャーを楽しい思い出に。
また山に遊びに行きたい。と思っていただくために
知っていただきたい林業の目印について、発信します。

※ここで示す林業の目印は、ボクたち浮羽森林組合が仕事をする上で取り決めしている職場内のルールです。管轄域であるうきは市および久留米市では適用できると思います。他地域で山林に入る際は、あくまでご参考程度にお願い申し上げます。


ピンク色のテープが示す役割


立木に直接巻いてある場合
雑草や雑木に巻いてある場合

このピンク色のテープには、大きく二つの役割があります。
1つ目は、所有者が異なる山と山の境界を表す役割。
2つ目は、作業する現場への経路を示す役割。

登山をされる方は、何度か見かけた経験がある方もいると思います。

ボク自身、登山を始めた学生の頃、地図を見ずに登山道を歩いていて、この目印をきっかけに登山ルートを外れてしまった結果、崖をよじ登り登山ルートに復帰する。というプチ遭難を経験したことがあります。

今となってはいい思い出ですが、
山行標準タイムが4時間のところ、3倍の12時間を要した恐怖体験でした。

この目印を見れば、安全に登山ができる。ということはありません。

登山や渓流釣り、バスフィッシング等の目印にされる方もいらっしゃいますが、そのテープを付けた方以外は、参考にされないようご注意ください。

山と山の境界・現場案内のための道標として巻いていたりするので、辿っていくとさっきまでいた位置に戻ってきた。なんてこともあるかもしれません。

伐採する木を示す目印


写真中央、手に持って立木に巻き付けているのがかの有名な段ボールを縛るテープです。

ボクたちは、山林に入り間伐をする際、必ず現地で伐倒する木を選択しています。その際、使用するテープはそう、ご自宅にもあるであろう段ボールをひとまとめにする彼です。
いわゆるPPテープですね。これを使用したことがないという日本人にはなかなか出会えない、世の中に広く普及している物のひとつだと思います。

このPPテープを指標に実際に現場で伐倒を行っています。
余談ですが、伐採者はPPテープを必要に応じて付け替えて伐採することもあります。段取りの仕方・選木の方法は調査者と伐採者で異なる場合があるので、臨機応変に対応しています。

調査対象地を記録するための目印


荒廃森林調査で使用する写真を撮影者が記録した位置を示す目印
同調査で写真を記録した方向を示す目印

ここで、「荒廃森林整備事業」という言葉をご存じでしょうか。
福岡県では、県の森林環境税を活用し、荒廃している森林および今後荒廃しそうな森林を調査して間伐等を行う森林整備事業が実施されています。

森林環境税は、
・個人から年500円
・法人から年1000円~40,000円
を納税していただき、県の森林整備や森林ボランティア活動に充てられる税金ですね。

https://www.pref.fukuoka.lg.jp/uploaded/life/679502_61686470_misc.pdf


その荒廃森林整備事業の一部をボクたち浮羽森林組合も担っています。

これには、県の事業検査があるなど、調査の際に写真を記録する必要があります。
そのとき、撮影者が記録した位置とその記録した方向を示すために
上記2種類の目印を立木に施しています。

2枚目の目印なんか、その背景を知らない方からすると、少しおぞましい印象を受けるかもしれませんね。

山で遭難しないために

いかがでしたでしょうか。

今回は、ボクたち浮羽森林組合が仕事で取り決めしている林業の目印について、発信しました。
事前に知っておくことで、少しでも危険を回避できる情報だと思います。

他にも測量調査で使用する杭や他業者さんが使用される目印にはさまざまな物・色・方法があると思います。

最後に、山で遭難しないために、あるいは、万が一遭難してしまった時の備えとして、2つのサービスを紹介して終わりにします。

①YAMAP | 登山地図アプリ
株式会社ヤマップ が運営する登山地図アプリです。
山登りで使用できる地図がオフラインで使用でき、位置情報とも連動しているため登山にはかかせないアプリの一つです。
みまもり機能も付いており、登山の帰りを待つご家族にも優しいアプリ。

②ココヘリ | 山岳遭難対策制度
山岳救助を手助けしてくれるサービスです。
サービスに入会すると発信機を貸与されます。
万が一に備えて、このようなサービスに入会しておくというのも
危険を回避する術のひとつです。


遊びでも仕事でも危険を伴うのが山です。
皆様が楽しく山で過ごす一助になれば幸いに存じます。

今回も読んでいただきありがとうございました。

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