関わり方。
「スキ」を仕事に?
前回は仕事の種類について話した。「生きる仕事」と「やりたい仕事」の話。今回は、「好き」を仕事にすることについて整理していこうと思う。
「好き」との関わり方は様々だと思っている。以下の例を挙げてみる。
わたしは本が好き。受験期は読書を我慢していて、大学生になった今は解禁してたくさん読んでいる。本に触れることによって「本に関わる仕事も良いなぁ」とまた思うようになった。そこで、どういった関わり方があるのかを考えてみた。「本と関わる」と一口に言っても様々ある。例えば、読者として関わる方法、実際に本を作る・編集に関わる方法、本屋さんで本を売る方法、または自分で本を書く方法など。他にもいろいろな関わり方が考えられるだろう。
このように自分の好きなもの、好きなことを中心に置いて、それとどのような関わり方ができるのかを考えてみるのも良い方法かも知れない。
接し方の変化
次に見るのは、「好き」を仕事にした場合に変化し得ることについて。
以前にもどこかでお話したように、わたしは舞台やミュージカル鑑賞が好きだ。おうち時間が増えたことによって、動画配信サービス等で無料配信されていた時期も多々あった。その期間はほぼ毎日鑑賞していた。そのように触れていることによって、さっきの本の話と同様に「舞台に関わる仕事も良いなぁ」と思うようになった。
もし仮に舞台関係者になったとして。裏方として出演者を支え、一つの舞台をともに作り上げるというのは非常にやりがいがあって、きっと楽しいことだろう。ただここで変化するものというのは、役者さんに対する接し方、関わり方である。一緒にお仕事をしている仕事仲間であるため、相手の呼び方(呼称)が「○○さん」という形になる。これは人として、社会人として当たり前のことである。相当親しくない限り脱○○さん呼びは出来ない。一人のファンとしてであれば、好きな俳優さんや応援している俳優さんのことを「○○くん」だったりあだ名で呼ぶことは自由である。そこに「仕事」という関係性が生まれない限りは。
二つ目に考えられる変化は、仕事仲間であるからこその気まずさだ。仮に好きな俳優さんも所属している事務所で働いているとしよう。そして、オフの日にその俳優さんが出演されている舞台を鑑賞しに行ったとしよう。もちろん、仕事ではなく一人のファンとしてである。グッズも買ってペンライトを振り、うちわを持ち、ごくごく一般的なファンとして。そして仮に、ファンサをもらえるような距離にその俳優さんが来たとしよう。さて、ここで目が合った(と感じた)とき流れる空気はどんなものだろうか。もちろん、役者としてお客さんを笑顔にする、楽しませるというのはあるけれど、やっぱり心のどこかで気まずさを感じてしまうかも知れない。(わたしの個人的な考えだけど)
つまり、「好き」を仕事にするということは、好きなもの・人との間に仕事という関係性が生まれるため、それまでの関わり方が変わってしまう可能性があるということである。距離感が変化してしまうのだ。
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