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「あなただけに」のスカウトメールを受け取る方法、教えます


読者の皆さま、こんばんは。齋藤亜瑚です。

さっそくですが、下記をご一読ください。

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◆一通目◆

件名:●●●●様 ご検討は、いかがで御座いましょうか? ●●●●様のレジュメを拝見してスカウトメールをお送りさせていただきました。

●●●●様

度々恐れ入ります。
株式会社△△△△総研の採用担当です。

先日、●●●●様が登録されているレジュメを拝見し、
当社でご活躍いただける方に違いないと感じましたので、
ご連絡を差し上げておりましたがご確認頂けましたでしょうか?

再度ご案内をお送りさせて頂きますので、
ぜひ、当社への応募をご検討くださいませ。

・・・以下略

◆二通目◆

件名:【世界第●位】従業員●万人を誇るグローバルITファームからのスペシャルオファーです

●●●●様へ

はじめまして

●●●●・ジャパン株式会社 採用担当の◆◆と申します。
弊社は全世界で●0000名以上社員が在籍しているグローバルITファーム、●●●●グループの日本法人です。

プライム案件7割以上、年間約100名の社員数増加、新卒採用の開始、そして毎年売上10%以上の高成長率を維持しており「世界における総合IT企業TOP●●に入る」というグローバル目標の一翼を担っております。

この度、より日本向けにローカライズした事業展開を進めていくことになり、付加価値の高いITサービス提供で弊社の成長を率いていく人材を募集します。

そのような中、貴方の経歴を拝見しとても魅力を感じました。

以下、略

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上記は、今夜私に届いたスカウトメールの冒頭部分です。

これらは、私がキャリアコンサルタントとして活動している時に、他社のエージェントがどういったスカウトメールを送るのかリサーチするために、ダミーで登録した「架空のITエンジニア」に送られてきたスカウトメールです。

お読みになってみていかがですか?

全然、具体的に「私」に向けて書かれていません。

一通目:「レジュメを拝見し」「当社でご活躍いただける方に違いない」

⇒どんな経験をみたのか、わかりませんね。


二通目:グローバルファームのグループ会社であること(自社の紹介)が書かれた後、唐突に「そのような中、貴方の経歴を拝見しとても魅力」を感じたと。何をもってそう思ったのでしょう。

なぜ、こんなに具体的でないスカウトメールが届いているかというと、私が「年齢」「性別」「出身大学」「所属会社」という「最低必須項目」しか入力していないからです。

典型的なテンプレートのスカウトメールしか届かないのは、登録者が具体的な経歴を書き込んでいないからなのです。

スカウトメールは、キャリアコンサルタントが登録者の経験を読み、強みを生かした今後のキャリアの提案、そのキャリアを選択することによるメリット・デメリットなどを記載し、登録者の今後のキャリアビジョンに合った提案をするものです。これを送るためには、それ相応の情報が無ければ書けません。

テンプレのスカウトメールは「一斉配信」されています。●千通単位で、一定の条件で絞り込んで配信する機能がスカウト媒体には組み込まれているのです。

「あなただけに」届くスカウトメールではなく「数千人」にばらまかれるスカウトメール。これはもう、個々の転職者にとって有益なものではないのではないでしょうか?

もし、あなたがテンプレスカウトではなく、「あなただけ」のスカウトメールを受け取りたいと望んでいるのであれば、空欄をできるだけ無くし、記載できる情報は全て記載することをお勧めしたいと思います。

空欄が多いと、登録者の情報が分からないだけではなく、転職についてあまり真剣に考えていない、とりあえず登録した方なのかな?印象を与えてしまいます。

企業の採用担当者も、キャリアコンサルタントも真っ当な企業であれば、とにかく大量に誰でも会えれば良いという確率論ではなくて、その方ひとりひとりとのご縁を大切に厳選しスカウトメールを書きます。

スカウトメールを配信していた時、私はその方の職務経歴部分を読み込んで、最低30分はかけてメールを作成していました。一日に6人配信出来れば多いほうでした。

「一か月に●千通配信できる体制がなければ、弊社のサイトは使わないほうが良いかもしれません」と言っていたスカウト媒体の営業さんがいました。でも、それって「あなただけに」というスカウトメールを配信する考え方とは対極にありますよね。

確率論で転職できると思ってほしくないな。と思います。

そこに介在する転職エージェントは、AIとすぐに置き換えられる存在じゃないかなと思うのです。

転職したいと思っている皆さま。

たかが登録情報と軽く考えずに、「登録情報の記載も選考の一部」と考えて書き込んでいただければと思います。

その転職者の熱量に、キャリアコンサルタントは答えていきたいと思っていると思います。


それでは、またお目にかかりましょう!

齋藤亜瑚

よろしければサポートを是非お願いします。現在医療介護系の人材会社に所属しつつ、これまで経験してきたことを「転職しようと思ったこともないひとたち」「転職活動したことがないひとたち」が「転職せざるを得なくなってしまった」ひとに還元できるようにしたいと思い活動を始めました。