キャリアコンサルタントが試しに社内公募に手を挙げてみた話。(転職との一番の違い)
おはようございます。齋藤亜瑚です。
キャリアコンサルタントとして活動して20年。「転職したい」というお話を伺い、アドバイスをすることを仕事として過ごしてきました。
一方で、「転職するほどではないけれど、現状にはもやもやしたものを抱えている」「少しで良いので、何かを変えたい」とぼんやりと考えている人は多いと思うのですが、「社内公募」制度を使ったことのある人のお話を聞く機会がなかったため、自分自身が「実験台」として公募に応募してみました。
このnoteはその記録です。
●社内公募に応募してみて感じたメリット
1.大きく人間関係を変えることなく業務内容を変えることができる
先週の記事と相反する内容になりますが、
キャリアコンサルタントが試しに社内公募に手を挙げてみた話。(社内コミュニケーションは難しい)|齋藤亜瑚 (note.com)
もし、あなたが「現職の人間関係や社内制度に大きな不満を持っているわけではない」のであれば、社内公募に応募するのはメリットが大きいと思います。
同じ社内での異動になるので、人間関係を大きくリセットせずに済みます。
転職では人間関係構築からスタートしなくてはなりませんが、社内公募ではそのわずらわしさはありません。上司になる人についても人となりがある程度わかっていての応募になります。転職してみたら「上司になる人がどこに地雷があるのかわからず、その把握からしなくてはいけない」というケースの相談を受けることもありましたが、社内公募ではそのリスクは最小限にすることができます。
2.自身のモチベーションコントロールがしやすくなる
今回の社内公募は、「自社の新しいサービスを作る」というものでした。
私自身は、「このままずっと今の仕事を繰り返していくのだろうか」と漠然とした不満を抱えていたところでしたので、「新しいサービス」に携わるというモチベーションアップにつながる異動になりました。
異動が決まってから、今まで一度も話しかけられたことのないような社員からも「公募、手を挙げたんですね」「プロジェクト、実際どうなんですか?」と声をかけられることが増えました。社内報に記事が掲載されたり、Web広告やテレビに取り上げられたりすることもあるため、常に注目されているプロジェクトに携わっていることで、「頑張らなくては!」と自分自身に活をいれる機会も増えたように感じます。
「齋藤さん、最近楽しそうに仕事してるよね」「齋藤さんは今回異動して正解だったね」と声をかけられることも多かったです。
「うわあ、見られているんだなぁ」とビックリすることも多いです。
●社内公募に応募してみて感じたデメリット
1.前職のバランスが崩れてしまった
今回、自分のやりたい仕事に就けた一方で、私の異動によってデメリットを被った人たちがいます。それは、前職の部門の皆さんです。同じタイミングで産休を取得する部員も出てきたことから、働き方が自分の希望に沿わない社員も出てきてしまいました。それに納得がいかなかった社員が最終的に「退職」を選ぶという最悪な結果になってしまったこともありました。
結果として、前職は部署全体がその役割を変化させ、新たに人材を採用して全く違った部署になりました。
本来、人事異動というのは会社全体のバランスを見て総合的に決定させるべきものです。ですが、今回お社内公募制度により一部分のみの人事異動(私の異動)を部分最適化することで、会社の人事全体としては適切ではないものになってしまった例です。
個人的には、これは今までも潜在的にあった「人事的欠陥」が今回の公募であぶりだされた。ということなのではないかと思っています。
2.もし、「公募」で落とされていたら…
今回は選考に落とされることはなかったので、あくまでも想像でしかないのですが、もしこの選考に落とされていたら、もしかしたら私は今の会社に居続けることができなかったかもしれません。
居続けたとしても、自分自身のやりたいこととは離れた役割をこなしながら、新プロジェクトを横目で眺めると言うことになっていたと思います。
公募に応募していなかったら、「やっぱり、手を挙げてみればよかった」と後悔していたと思うし、落とされていたら「あの人がやれて、私にできないと思われたのは何故だったんだろうか」と悩んでしまったかもしれません。
それでは、今週はここまでです! 斎藤亜瑚でした。