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離職者増加、副業解禁…。アフターコロナで知っておきたい「計画的偶発性理論」

「AIに仕事を奪われる人が出てくるのでは」「東京オリンピック後、不景気が来るのでは」…。これらの予想を覆した新型コロナウイルスの影響は大きいもの。そこで今回は、今でこそ知っておきたいキャリア論「プランドハプンスタンスセオリー(Planned Happenstance Theory)計画的偶発性理論」をご紹介したいと思います。


読者の皆さま、お疲れ様です。笹乃亜瑚です。
私は、土日祝日は都心に通勤しており、平日休みなのです。(このコラムもお休みの日にのんびり書いています。)緊急事態宣言発令時は、都心は本当に人が減って、代わりに(?)おおきなネズミが走り回る飲食店街…まるで大友克洋氏の漫画【AKIRA】の世界のようでした。改めて日本人の規律正しさを実感した光景でした。


最近は新規感染者の数字が減少してきたこともあり、警戒感がかなり緩んでいる印象があります。しかし、まだワクチンや特効薬が開発されていない以上、感染リスクが無くなったわけではありませんし、経済をこのまま止め続けるわけにもいきません。

―どうやって感染リスクから身を守ればよいのか?
―自分自身は今後どのように働いていくべきなのか?

「アフターコロナ」とは、こういった世界共通の課題に、みんなでチャレンジしていく時代なのだろうと思います。

「私の住んでいる県は感染者も少ないし、影響はそれほどないのでは?」と思っている読者の方もいらっしゃるでしょうか?
いわゆる【正常性バイアス】(「自分にとって都合の悪い情報を無視しようとしたり、過小評価したりしてしまうこと」)こそ、危険な反応です。自分と向き合う時間が増えた今だからこそ、じっくり「自分」が持っている武器を整理しておきたいものです。

これからのキャリアはどう形成する?

「AIに仕事を奪われる人が出てくるのでは」「東京オリンピック後、不景気が来るのでは」という論調は、インターネット上かなり多く散見されていましたが、まさか謎の「新型コロナウィルス」の出現によって仕事を奪われてしまう人が増えたり、東京オリンピックそのものが延期になってしまったりするなどと予想した方は、1年前には誰も居なかったのではないかと思います。
目標をもって頑張っていたのに、すっかり梯子を外された……と感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか?

このような、予想できない出来事に対処するための考え方として、今回は【プランドハプンスタンスセオリー(Planned Happenstance Theory)計画的偶発性理論】という有名なキャリア理論についてご紹介したいと思います。

「プランドハプンスタンスセオリー(Planned Happenstance Theory)計画的偶発性理論」とは

この考え方は、スタンフォード大学のジョン・D.・クランボルツ教授が提唱したキャリア理論です。私がキャリアアドバイザー資格を取得するために勉強していた時に、一番印象的だった理論で、いずれはこの場でご紹介したいと思っていましたが、今がまさにそのタイミングではないかと思いました。

そもそも、私たちの【キャリア】は、「こうあるべき姿」をあらかじめ決められているものというよりは、偶然に起こる出来事を吸収し、それを生かしてキャリアを形成していくものである。というものです。
偶然の出来事、予期せぬ出来事に対して、個々に最善を尽くし対応し続けることで形成されるということですね。


リーマンショック時を軽く超え、1920年に起きた世界大恐慌と同等かそれ以上の大不況が訪れるのでは、と予測する方もいる、「アフターコロナ」。この、誰も正解を知らない状態の今後のビジネス環境において、私たちがキャリアを形成するためには、どのような心構えでいればよいでしょうか。

「プランドハプンスタンスセオリー」では、偶発性を受け入れると同時に、自ら偶然の出来事を引き寄せるアプローチが重要だと説いています。以下に挙げる「五つの行動指針」を確認してみましょう。

■1. 好奇心[Curiosity]
自分の興味関心のある分野だけでなく、アンテナを常に高くしようと心掛けていると、新しいことに挑戦したい意欲が湧くこともあります。

■2. 持続性[Persistence]
失敗しても諦めずに取り組んでいくこと。困難を避けたり苦手意識を持っていてすぐに投げ出してしまうと、その先にある可能性が閉ざされてしまうことがあります。

■3. 柔軟性[Flexibility]
常にフレキシブルな姿勢で臨機応変な対応を心掛けること。自らの余計な拘りや偏見を捨て、フラットな目線で物事をみていくことです。

■4. 楽観性[Optimism]
失敗や困難もポジティブに捉えること。どんなことが起きてもいずれは良い方向に行くと信じる態度は、自分自身をプラスの方向に運びます。「人間万事塞翁が馬」です。

■5. 冒険心[Risk Taking]
リスクを恐れず行動すること。不確実性の高い環境に対応していくためには、ある程度のリスクは引き受ける心構えが大切です。

偶然の出来事や出会いもキャリアアップにつながる機会だと捉えて

プランドハプンスタンスセオリーで重要なのは、【どのような偶然の出来事や出会いをもキャリアアップにつながる機会=チャンスと捉えること】。

たとえ現実がこれまで思い描いていた未来とは異なるものになったとしても、まずは挑戦してみようというスタンスが次のチャンスを引き寄せることがある。ということです。

偶然の機会を積極的に増やすよう行動することで、キャリアが広がっていく可能性が高まることをプランドハプンスタンスセオリーは説いていると思います。

それでは、またお会いしましょう。ごきげんよう!


笹乃亜瑚

よろしければサポートを是非お願いします。現在医療介護系の人材会社に所属しつつ、これまで経験してきたことを「転職しようと思ったこともないひとたち」「転職活動したことがないひとたち」が「転職せざるを得なくなってしまった」ひとに還元できるようにしたいと思い活動を始めました。