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転職に反対の家族…【嫁ブロック】や内定辞退を避けるために事前に話すべきこと

転職活動の手伝いをするキャリアコンサルタントという仕事をしていると、ようやく獲得した内定を辞退せざるを得ない…という残念な状況に陥る転職者に出会うことが幾度かありました。【嫁ブロック】とも呼ばれる家族からの反対です。そこで今回は、転職を家族に反対されないために、事前に話しておくべきことについてお伝えしていきたいと思います。


転職活動をする上で、少しでも有益な情報をと配信しているこちらのコラムですが、今日のテーマは「転職を家族に反対されないために」です。


家族に転職活動を止められる…【嫁ブロック】という言葉も


現職が忙しい中、時間を作って履歴書・職務経歴書を作り、転職サイトで採用情報を調べて、入念に面接対策を行い、複数回の面接を通過して、ようやく内定を獲得!!なのに、予想もしていなかった大きな壁が立ちはだかることがあります。「ご家族が反対する」ということです。

「大人の決断に家族がしゃしゃり出るなんて…」とか「いくら反対されたとしても、それでせっかくの内定を蹴ることなんてあるのかしら?」とお思いになる方もいらっしゃるかもしれません。ですが、これは転職支援をしていると本当によくあること。特に、転職者が一家の大黒柱だったりすると、その方が転職をすると働き方も年収も変わるなど、一家の生活に直接的にインパクトがありますので、反対される可能性が高くなります。

一時期、人材業界で【嫁ブロック】という言葉が流行ったくらいです。私も、せっかく転職者のご希望に叶う条件を引き出して内定をお伝えしたところ、「どうしても転職するというのなら離婚すると言って、嫁が家を出て行ってしまいました…」と打ち明けられ呆然としたことがありました。
せっかくの内定を、出来れば家族の反対にあって諦めるようなことにならないように、事前に手を打っておきたいところですよね。


具体的な転職活動を始める前に、家族に話をしておく!


「余計な心配をさせるから、内緒で転職活動を進める」「内定が出てから家族には相談する」という方も多いのですが、具体的に活動を開始する前に、今、転職を考えているということをご家族に話しておくことを強くお勧めします。


伝えるポイントは、1.どうして転職したいと思ったのか 2.転職して何をしたいのか 3.そのためにどういうところで働きたいと思っているか。等です。

ほとんどの場合、ご家族は転職市場や業界のこと、転職先として考えている企業のことに詳しくありません。丁寧に説明しないと心配が先に立ってしまいます。特に、その転職によって家族の生活にどの様な影響がある可能性があるのかは、正直にきちんと伝えておくべきです。

「多分、これを言ったら反対されるだろう…」ということがある時こそ、きちんと伝えましょう。隠したところで、後々必ず直面することです。【反対されそうなことこそ活動の初期段階で伝える】ことがポイントです。


それでもご家族に反対されたときには

ご家族に黙って転職活動をしていたときはもちろんのこと、事前にきちんと話し合っていたとしても、最後の最後にご家族に反対されることもあります。そうなった場合、ご家族の意見通り内定を辞退してしまう、というケースがほとんどです。


■「離婚する」と言われてしまうケース
一番よくあるケースは、「離婚する!(仕事を取るの?家族を取るの?)」という極端な議論になってしまうことです。ご本人は転職をしたがっているものの、「どうしても転職すると言うのなら離婚する!」等と詰め寄られてしまうと、多くの方が家族を取りますと言わざるを得ません。

実際に転職をするとして、何が問題になり得るのかといったことを、具体的に確認していきましょう。


多くの場合は「経済面(年収が下がると生活が出来ない)」という問題ですが、本当に年収が下がると生活が出来ないのか、数字をきちんと出して確認してみると状況が変わってくることがあります。生活維持にいくら掛かっていて、いくらまで年収が下がると生活できないのかご家族と一緒に検証してみるのです。

私が面談時に必ず「この年収を下回ってしまったら、どんなに魅力的な仕事内容であっても請けることはできないな、という最低ラインはおいくらですか?」と確認するように心掛けているのは、この部分をきちんと転職者にもご家族にも考えて貰ってから、転職支援をスタートしたいから。という思いがあります。


事前にきちんと話し合いを持っていただいていれば、最低ラインはすぐに答えられるはずなのですが、すぐに答えられない転職者は案外多いものです。


■仕事に対する価値観が違うパターン

また、次によくあるパターンとしては、「仕事」に対する価値観が異なることによって起きる反対意見です。

例えば、有名企業に勤めていることこそがステイタスである、とか、女性が仕事でそこまで頑張る必要はない、とか、仕事にやり甲斐などは不要、お金さえしっかり稼げばよいなど、転職者ご本人とご家族の価値観が異なるケースです。

この場合、根本的な問題解決(=価値観を一致させる)は難しいです。自分の価値観をきちんと家族に伝え、相手の価値観も理解した上で、【価値観が違うことが家族にとって不利益をもたらすわけではない】ということを説明し、ご自分の選択に責任を持てるよう、転職後の姿で納得してもらうように努力すべきかと思います。

ご家族が説得できないというのであれば、そもそも弊社とのご縁もなかったということだと思います」と人事が判断した事例もあったので付け加えさせていただきたいと思います。

ご家族の気持ちも、自分の気持ちも大切に

自分の思いを捨てて家族の反対を受け入れるということも選択肢の一つではありますが、その場合、自分自身が心から仕事に納得して取り組むことができず、結果、やはり再度転職活動に踏み切る。という転職者も何度もお見かけしました。

キャリアコンサルタントは、ご家族の説得までは支援することが難しいのが実情です。自分の思いも叶えつつ、家族の思いも叶えられるような、そんな方法が無いかを、ぜひご自身でご家族と共に時間をかけて話し合ってみて頂きたいと思います。

それでは、またお会いしましょう。ごきげんよう!

よろしければサポートを是非お願いします。現在医療介護系の人材会社に所属しつつ、これまで経験してきたことを「転職しようと思ったこともないひとたち」「転職活動したことがないひとたち」が「転職せざるを得なくなってしまった」ひとに還元できるようにしたいと思い活動を始めました。