余裕
2024年に入り、新しい仕事が始まった。
今はもう終盤に差し掛かるところ。まずは出来るところからとダイブした新境地は、一日一日が目新しく仕事内容はもちろん人間関係についても勉強になることだらけだったと、締めくくりに入るなど。
ここで仕事をして良かったことの一つに、公共交通機関での通勤がある。日頃車移動の多い私が、バスを利用することで得たこと。
一つは心の余裕が持てたことだ。
ほぼ定刻通りに来るバスに乗り込み、整理券を取り目的地まで向かう。降車停留所前で降車ボタンを押し料金を払い下車する。毎日変わらない一連の動作がこの数ヶ月で体に取り込まれた。機械的な動作がやけに心地良かったりする。
また自分で車を運転する場合、360度注意を払っていなければならない緊張感があるがそれから解放される。他車になかなか道を譲って貰えないときでもあまり心を乱されることはない。私にはどうすることも出来ない立ち位置と、同じ気持ちを持つ人がこのバスの中にもいるだろうと仲間意識のような感覚が生まれるからかもしれない。
一つに、バス車内から見える景色から心の安定が得られたこと。
職場へはバスを利用すると50分〜1時間はかかる。車で行けばものの15分で着くだろう。一般的に考えれば後者の方が、起床時間や朝の支度のことを考えれば効率がいいことは間違いない。
ただ、思考を良い意味で巡らせることができる言わば瞑想のような時間が私にはとても心地良かった。
いつもと同じ路線、いつもと同じ景色がそこで構えてくれる安心感。晴れの日雨の日で変わる町の表情。車内で携帯や本を読んでいても、城が近づくといつも窓越しに眺めていた。刻まれた歴史が、私を元気にしてくれるような気がする。
今日の運転手さんは、当たり。
降車時の「行ってらっしゃい」がなんて嬉しかったことか。
残り僅か。
さあ今日はどんな一日だろうか。
残りのはらはらを楽しもう、なんて思ってもみないことを文字にして奮い立たせる。
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