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イギリスで運転する 駐車場編

今回は駐車場について解説します。イギリスの駐車場は公営のもあれば民間のもあり場所によりルールも様々なので、一般的なものを説明します。
本記事の前半は料金の支払い方法の違いについて、後半は駐車場のタイプの違いについてとなります。


前半では支払い方式の違いについて説明します。

チケット提示(Pay and Display)方式 

これは駐車チケットを必要時間分、事前に購入して車のダッシュボードの上に置いておくものです。これの難点はお札がつかえない、お釣りが出ないのでピッタリ支払えるようにコインを十分に持っておくこと、駐車時間がはっきりしないときは長めに購入しておかなければならないことです。普通はそんなにピッタリとした時間に戻れないでしょうから、結局余分に支払うことになります。
また結構な割合で駐車チケットの発売機が壊れていることがあります。そのような場合は、連絡先の電話番号に電話してオペレータにクレジットカード番号を言うとカードで支払える場所もあります。
チケット販売機では、最近のはクレジットカードが使えるものもありますが、発券まで待たせれるのと、認証エラーなど調子が悪いことがあるので、やはりコインを用意しておくのがいいと思います。
最近ではスマホアプリで支払うタイプことができるのもあります。(後述)
この方式の駐車場でチケットを提示していない車は Blue Badge holders (disabled 障がい者のかた) でなければ、スマホアプリで払っているはずです。チケットをダッシュボードに置いていないのをみて、みんな払っていないからタダかと思い、払わないと後でペナルティを払う羽目になります。
また特にひっかかりやすいのは1時間無料、それ以降は有料の駐車場です。この場合は無料だからチケット不要ではなく、1時間を指定してチケットを無料で発行してダッシュボードに提示する必要があります。(そうしないと何時間駐車しているのかわからないので)

駐車券方式

これは日本にもよくあるような、入口で入場時刻の入った駐車券を受け取り、帰りの出口でそれを渡すものです。なお帰る際に料金の清算は駐車場の入り口付近(多くはエレベーターホールの近く)にある精算機で事前に済ませておき、出口では清算をせず、清算済みのチケットを出すタイプのものが普通です。清算後、出口にたどり着くまでに時間制限があるものが普通です。(15分以内とか)
ちなみに、このタイプの駐車場は多層階の巨大なものが多く、自分の車をどこに駐車したのかを覚えておかないと帰りに自分の車にたどり着けないことがあります。柱に色やアルファベットで区別がつくようになっていることが多いので必ずメモしておいてください。

自動ナンバープレート読み取り(ANPR)方式

これは駐車券方式に近いのですが、駐車券や出入口のゲートのバーを廃止して入口でナンバープレート読み取って、出口でも読み取るものです。(Automatic Number Plate Recognition )。帰りに精算機に自分のナンバーを入れて清算を事前に済ませてから出庫します。

スマホアプリによる支払い方式

スマホアプリでは事前に車種やナンバー、支払方法を登録しておき、駐車場についたら駐車場番号と時間を入力してアプリで支払います。チケットの発行は省略されますのでダッシュボードに提示は不要です。この方式のいいところは時間を延長したくなったら、アプリから追加分を延長できることです。チケット方式の悩みが解消できます。
問題はアプリの種類が乱立してかつ、駐車場ごとに使えるアプリの指定があることです。また携帯の電波の状態が悪い場所があり、アプリで支払えないことがあります。(とくにフットパスで止めるような田舎の駐車場)
注意すべき点として、GPSの位置検出に頼るとすぐ近くに別の駐車場があるとアプリがそちらを表示して、誤って違う駐車場に支払ってしまうことがありえます。駐車場名称や番号が駐車場の看板のどこかに書いてあると思いますので支払う前にスマホに表示されているものと同じかチェックが必要です。

以下、後半は駐車場のタイプや料金について説明します。

公営駐車場のLong Stay car park とShort Stay car park

Council(行政)が運営する駐車場にはLong Stay car park とShort Stay car parkが分かれていることが多いです。これは最大駐車時間と料金体系が違います。短期滞在者向けのShortStayの場合は最大でも4時間くらいまでとなっています。ちょっと中心部から場所が離れるのですがLong Stayの場合は1日止めることもでき、料金も長時間の割にはShort Stayよりは低めに設定されています。ただし、保安上の理由か深夜や停泊の駐車は認めていないところもあるので駐車の条件に注意が必要です。
スマホでの支払いでも説明しましたが、ほとんど同じ場所にあるのに、一方はShort Stay用、もう一方はLongStay用で駐車場料金の体系が違うところがあるのでスマホアプリでの駐車場の選択には十分注意してください。自動的に出てきたものが正しいとは限りません。

駐車料金と曜日

土曜日や日曜日は駐車料金不要になる場所もあればそうならない場所もあります。土曜日は休日料金ではなく通常料金のところもあります。また祝日(Bank Holiday)も料金不要になる場所と、そうならない場所があります。駐車場毎に料金設定が異なるので同じ市内なら同じというわけではありません。
土日は無料の駐車場を狙うなら、事前にどこがいつ無料かは以下のサイトで街の名前や郵便番号を入れて調べておくことができます。ただ土日の午後は空きがなくなることが多いので、無料を狙うなら午前中の早い時間に駐車する必要があります。
なお無料とあってもスーパーマーケットなどの駐車場は当然ながら買い物客のためのもので、買い物以外の目的で駐車をすることは認められません。

路上の駐車場(駐車スペース)

路上の駐車スペースでも有料のときもあれば無料のときもあります。周辺に看板が出ていることがあるのでよくあたりを見回してください。
路上などの駐車スペースでは例えば、Mon-Fri 8am-6.30pm 1 hours No return within 2 hours という表記があるところがあります。この英語の意味するところは月から金までの朝8時から夕方6時半までは1時間まで駐車可能。ただし、いったん駐車したら、そこから出庫して2時間はその場所の戻ってもう一度駐車することは認められません。(つまり出庫後すぐ戻ってきて引き続き駐車スペースを占有するのはダメです)という意味です。
特に住宅地での路上の駐車スペースでは、居住者用のスペースと、誰でも駐車していい一般用の駐車スペースが分かれていることがあるので、空いているからといって居住者用に止めないようにしてください。

田舎の駐車場(フットパスでの駐車)

フットパスのアクセスになるような田舎の駐車場は、山奥の無名のところはたいてい無料です。ただし、有料のもあり、村の中心部(駐車料金は高くないことが多い)や人気のある国立公園内では有料(LakeDistrictでは駐車料金もかなり高い)です。
しかし、山奥では駐車できる台数が数台くらいしかないことがあり、朝早くいかないと土日はすぐ埋まってしまいます。このような場所に駐車するなら、とにかく朝一で向かうことです。土日の午前10時以降に駐車場に到着する場合は、空きがなかったときのために、プランB(代替策)として有料で収容台数の多そうな駐車場もないか事前にチェックしておくことをお勧めします。
またスマホアプリで支払おうとしたら携帯の電波が入らないこともあるので、コインも用意しておくといいでしょう。

田舎だからどこでも駐車できるだろうと思って道路に駐車するのは避けてください。狭い田舎道でも大型トラクターなども走るので路駐されると通れません。イギリスのトラクターは超大型で道幅ギリギリで走ってきます。一見、駐車できそうなスペースがあっても畑へのトラクターの入り口だったり、すれ違いに必要だからスペースを広くとってあるもので駐車場ではありません。退避スペースに駐車するのは大変迷惑です。

帰りの時間にも注意が必要です。無料駐車場でも夜間駐車禁止(およびキャンプ禁止)となっているところが多いので、日が沈む時間帯までに出入口がロックされてしまうものがあります。特に冬場はロックされる時間が早いので気を付けてください。イギリスの冬場は4時には暗くなってしまい、そもそも真っ暗で歩けなくなってしまいます。フットパスは朝早めにスタートして早めに帰ってくるのが原則です。

駐車禁止エリア

公道では駐車禁止の場所も多いので、まずは交通ルールに従ってください。
道路によっては荷物の出しのための停車も禁止されている場所もあります。

交通標識や道路上の白線(黄線)も日本とは違うものもありますので、よく理解してから駐車してください。標識がなくても黄色の線で駐車禁止が示されていることが多いです。道路脇にマーキングしてある黄色の2重線は例外なく駐車禁止です。

終わりに

これまで、複数回にわたってイギリスでの運転のヒントについて説明してきました。基本的には運転すること自体は日本と同じです。
日本の運転免許を持っていると、無試験でイギリスの免許に変更できます。またその後の運転免許更新でも高齢者でなければ無試験で更新できてしまいます。これは大変便利なのですが、その分、交通ルールや標識などは自分で勉強しないといけません。ペリカン横断歩道とか日本にないものがあります。
免許を切り替えるときまでに、以下のHighway codeをご一読いただければと思います。