あんときのデジカメ 讃岐の棚田の「穭」に注目してみました~ with OLYMPUS CAMEDIA FE-240
(はじめに)稲刈りが終わった田んぼが半月もすると青々としてくることをご存知ですか? 不思議な自然現象を今回は科学に強いオリンパスのカメラで撮影してみました。いつものサイクリングコースですが、11月なのに田んぼは緑色です。
穭(ひつじ)を知っていますか?
稲刈りの盛期は僕の観察によると……そして、それは日本の讃岐という一田舎の話になりますが……だいたい9月から10月にかけてで、11月にもなると、ほとんどおわっています。
しかし、不思議なもので稲刈りから半月もすぎると、刈り取った稲の根本から青い葉が生えてきます。刈り取られた土色の田んぼが、だいたい11月ぐらいには青々としてきますので、ちょっとびっくりします。
不思議に思ったので、田んぼをしている会社の上司に伺ってみました。
「それは、ウジケさん、穭(ひつじ)だよ」
……だそうです。
樹木の切り株や根元から生えてくる若芽のことを「蘖(孫生え・ひこばえ)」といいます。それの稲のバージョンを「穭」と呼ぶそうです。つまり、また稲が育ってきているということです。
稲刈りしたあとの田んぼで再び稲が育つとは、ちょっと驚きますよね。もちろん、実をつけるには、温度などなど条件があるそうですが、これから冬を迎えようとする刈田に実る稲とは実に、不思議なものです。
自然界のどんなささいな問題でも、たとえ、それが、思いようによっては子どもらしい問題に見えるものでも、決してばかにしてはいけない。
科学は多くの場合、子どもらしいことがらから生まれるのだ。琥珀の一片をそで口にこすり、ついでその琥珀が小さなわら屑を吸引することを最初に知った者は、今日の電気のおどろきなど夢にも想像しなかっただろう。
(出典)G・V・ルグロ(平尾威馬雄訳)『ファーブルの生涯』ちくま文庫、1988年、438頁。
以下は、10月のはじめに同じコースで撮影したものです。まったく光景が違いますよね。
真正直という値打ち
稲の「穭(ひつじ)」については、おそらくそうではないかと考えていたのですが、それでも自身がありませんでしたので、農家の人に聞いてみてスッキリしました。
自分の身の回りのことなど大体知っているよとひとは思いがちですが、あやふやなことも多くありますよね。だとすれば、「あれって何んだろう」っていうことを恥ずかしく思わず聞いてみたり、アイマイなままになっている事柄についてもちょっとだけ突っ込んでみるってことは、大切かも知れません。
常に自身の無知を更新していったのがファーブルの生涯と伝えられていますが、次の言葉はその消息を色濃く伝えています。
私は自分の無知を、そうひどく恥ずかしがらず、わからないことについては、ぜんぜん私にはわからない、と白状することにしよう。それは学者らしくない態度かもしれないが、少なくとも私のこの答えは一つの値打ちをもっている。
すなわち--真正直という値打ちである。
(出典)ルグロ、前掲書、428頁。
さて、ファーブルを気取って、今回は、瀬戸の穭を撮影して、いつもの定番コースをサイクリングしてきました。自然科学チックな写真を撮影するのですから、そうした分野が得意な光学メーカーのカメラを選んでみました。
科学に強いといえば、やはりオリンパスです。
医療・生命科学・産業分野における研究開発、生産現場における品質向上、そして航空機や大型プラントなどの検査による社会インフラの保守点検など、世界の人々の安全・安心・健康に貢献する製品を提供しています。これからもニーズの一歩先を読み取り、革新的な製品と期待を超えるサービスで、社会を支えるプロフェッショナルに最適なソリューションを提供してまいります。
(出典)オリンパスの事業
ズーム時全域でクリアな画像を切り結ぶフルオートカメラ
今回、使用した機材は、2007年製のオリンパスのコンパクトデジタルカメラ CAMEDIA FE-240 です。実は、一昨年、ハードオフで「ジャンク扱い」として270円で購入したものですが、バッテリーを充電しましたらきちんと動き、なかなか重宝しているカメラです。
FE-240は、フルオートのエントリークラスのコンデジとカテゴライズできると思いますが、光学5倍ズームレンズ搭載で「世界最小・最薄」(当時)というのがウリでした。確かに薄くて小さいコンデジはこのモデルよりも数多く発売されてきましたが、まあ、このサイズで5倍ズームを搭載したことは、高倍率ズームをお家芸とするオリンパスならではないかと思います。
では、簡単にスペックを紹介します。撮像素子は710万画素1/2.5型CCDで、レンズは、35mmフィルムカメラ換算で38-190mmで、テレ端よりの高倍率ズームになります。ただし撮影時の手ぶれ補正がないので、高倍率ズーム時はブレやすく、「ぶれ軽減」モードで増感(ISO1000)するか、もしくは晴天屋外での利用を中心に利用することが間違いない写真をとる秘訣になるかと思います(ただし増感時は粒子がかなり荒くなります)。
撮影モードは、オート撮影のほか、ポートレート、風景、夜景&人物等などシーンプログラムで、ISOの設定は撮影者側ではできません。露出補正やホワイトバランスは変更できます。ISOオート時は、ISO50-400で、日中屋外なら、だいたい問題のないレベルの写真が取れるという印象です。価格を下げた初心者向けのエントリークラスの場合、プログラム撮影ができるものでも、だいたい3倍ズームなので、こまかい設定はできないけれども、気軽に高倍率出来るのは、このカメラのアドバンテージになるのではないでしょうか。
もちろん、全部のっければいいのですけど、そうなってしまうと価格が高くなり「エントリークラス」ではなくなってしまうので、どこをどう削り、どこをどう伸ばすのかという話になりますが、「フルオートカメラ」としてのこのカメラに対するオリンパスの製造「哲学」(そんな大げさなw)は一応のところ成功しているのではないかと思います。
ということで以下、作例です。拙い写真ですがご笑覧下さればと思います。
今回は、三豊市津島ノ宮駅を起点に、瀬戸内海の街道を走り、多度津町の造船所で一息つくといういつものコースですが、「釜あげうどん 岡じま 多度津店」の「肉うどん」で締めました。
↑ 11月なのに刈田が青々としていますよね。不思議な光景です。高額広角端38mmで撮影(A)。
↑ (A)を光学望遠端190mmで撮影。
↑ こちらも光学望遠端190mmで撮影。
↑ こちらも光学望遠端190mmで撮影。
↑ 光学広角端38mmで撮影(B)。
↑ (B)を光学望遠端190mmで撮影。
仲多度郡多度津町東港町1062-1にある「岡じまうどん」さん。
↑ 釜あげうどんが名物ですが、今回は「肉うどん」を選びました~
ということで撮影データ。オート撮影(ISOオート)、露出補正なし、ホワイトバランスオート。撮影は11月5日。撮影場所は香川県三豊市、仲多度郡多度津町。
氏家法雄/独立研究者(組織神学/宗教学)。最近、地域再生の仕事にデビューしました。