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01 明治末期の京都市全域の坪単価の分布地図

最近、clubhouseをしていると永らく放置していたインスタグラムをフォローしていただけることも多くなってきました。
ほったらかしだと情けないので、なにか見栄えのする写真を投稿しようと考えるようになりました。
よく考えてみると自分が地理情報システムの世界に引き込まれた、自分の原点である、あの美しい地図表現をみなさんにご紹介したら良いのだと気が付きました。
そこで、これから地理情報アーティストを名乗り、神が創り給うた自然現象や煩悩多き人間達が作り出す人文現象を地理情報システム(GIS)を用いて、美しく描く地理情報絵画の創作活動やそのご紹介をしていきたいと思います。

01_2017GISA京都地籍図fig1a

第一回は1912(大正元)年に出版された「京都地籍図」に示された明治末期の京都市全域の坪単価の分布地図です。

京都府京都市には1912(大正元)年に出版された「京都地籍図」に示された明治末期の土地ごとの地価や所有者が示された資料が存在します.
2008年11月,立命館大学の研究成果を基に,京都地籍図がGISデータベースとして復刻され,GISによる分析が可能になりました.
そこで京都地籍図GISデータベースを活用し,明治末期の坪単価を算出し,距離帯別の地価分布を検証しました.

京都地籍図GISデータベースの明治末期の土地台帳の筆数は68,045筆であり,地目の記載のない2501筆を除いた65,544筆のうち、最も地目が多く,等級,地価の高い宅地52,969筆を対象としています.
最も坪単価が最も高かったのは,京都市中京区弁慶石町37番地です。その内容は,宅地,坪単価26,992円,93等級,坪数90.92坪,地価2,454,084円でした。この最高価格地から100m距離帯円が地図上に示してあります。100m距離帯で,距離が離れるほどに坪単価が下落していくことがわかります.

坪単価の高価格帯は,最高価格地から東西に伸びる三条通,南の四条通,松原通,五条通,東側に位置する南北に伸びる新京極通,先斗町通と鴨川以東の祇園地域に広がっています.南に離れた旧国鉄京都駅周辺,北の上七軒周辺でも坪単価の高い地域が確認できます.


出典:青木和人・矢野桂司・中谷友樹「京都地籍図を用いた大正期における地価の時空間分析」,第26回地理情報システム学会研究発表大会発表論文集,DVD-ROM,2017.




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