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【短歌】2024年3月自選5首【修練】

note連続投稿企画便乗第2弾。

自己紹介のとおり趣味が短歌なのですが、基本的にはsuiuという詩歌SNSのみに詠んだものを発表するようにしていて、Xでは月末あるいは月初に1ヶ月のうちに詠んだ歌から5首を自分でピックアップして掲載しています。

今回は #私の作品紹介 ということで、3月に詠んだもののピックアップをnoteにも載せて、どんな意図の歌なのかをちょこっと書いてみようと思います。

まずは画像をどうぞ。

あと一本足りない棒を探してる わたしの〝幸い〟どこに落ちてる?  迷っても前へ前へと進みゆく君の背中にいつか翼が  せっかちな性格だから走ってるいつか流星追い越せるよう  花冷えの夜に震えるスマートフォン 「産まれた」とだけ届いた報せ  いつだって隣を見れば笑ってる四人の歩みはクレッシェンド
今月の短歌自選5首

こんなふうにして、Xではペタっと画像を貼って終わりにしています。noteでそれは味気がないので、改めてどんな経緯でそれぞれの歌を詠んだのか、すこしだけ思考開示をしたいと思います。

あと一本足りない棒を探してる わたしの〝幸い〟どこに落ちてる?
 たまに聞く「『辛い』という字に1本足せば『幸い』になる」という言葉からちょっとだけひねくれてみました。幸いとはなにか、を含めて「どこに落ちてる?」と問うことで下を見て歩いている=俯いている、というイメージも伝わっていたらいいなと思います。


迷っても前へ前へと進みゆく君の背中にいつか翼が
 これは実は二次創作短歌で、ういなつの名義とは違うところで詠みました。とあるアイドルゲームのキャラクターをイメージしています。悩みも迷いもするだろうけれど、君には羽ばたける翼があるんだよ、というようなニュアンスです。


せっかちな性格だから走ってるいつか流星追い越せるよう
 自分のことを少しだけ前向きに捉えてみました。本当にせっかちで、待てなくて、焦らされるのが苦手。白黒思考は発達特性のひとつだと受け止めてはいますが、なかなか直らないもの。
なので「流れ星に3回願いを唱える」くらいなら、「流れ星を追い越して自分で願いを掴みたい」という気持ちです。これまではよく自分を滑車を全力で回すハムスターというイメージでとらえていたんですが(前に進んでいるわけでもないので……)、よりポジティブにいこう!と思ったらこうなりました。


花冷えの夜に震えるスマートフォン「産まれた」とだけ届いた報せ
 「春になったら」というドラマを観ていて、主人公の職業が助産師さんだったんです。で、たまたま見た回で流れたお産のシーンがとても印象的だったのでそこから着想を得ました。
やはり自分の肉体が女性だからでしょうか、出産するという行為に関してはフィクションだと理解していてもなんだか息苦しくなるような、お腹が痛くなるような気分になってしまうのですが、新しい命が産まれてくることは嬉しい報せであることには変わりないですよね。
花冷えで寒く感じる夜に自分が「震え」ていたら「震え」たスマホ、届いたメッセージは短くとも心が温まるもの……というイメージです。


いつだって隣を見れば笑ってる四人の歩みはクレッシェンド
 これも実は二次創作短歌です。先程の「迷っても〜」の歌のイメージになったキャラクターが所属するアイドルユニットをイメージしています。
横並びになって同じ方を向いて進んでいて、迷ったら隣を見れば仲間がいることで更にユニットとしての力強さが増していく(=音楽用語「クレッシェンド」)ことを願う、わたしのファンとしての気持ちです。


いかがでしたでしょうか。題材は案外身近な所にあるということだけでもお伝えできればいいかなーと思って思考開示をしてみました。
本来はどうやらこういう説明って野暮ではあるようですが、どちらかというと「短歌に興味はあるけれどやったことがない」という人たちが「これならやれそう!」とか「やってみよう!」と思っていただいて実際に詠む人がもっと増えたらいいのにな〜と思うので、敢えて記事にしてみました。

ぜひコメントなどで感想いただけたら嬉しいです。わたしはまだまだ修行の身ですので。

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