ポケカと数学②-1: たね11枚で5回引き直す確率

ウホーイ(@the_uhooi)です。
ポケカと数学① から1年以上経ってしまいましたが、せっかくナンバリングしたので続けていきます。

先日PJCSのサイドイベントである 4人リーグバトル へ参加したのですが、そのときにたねポケモンが11枚入っているデッキで、初手の7枚にたねポケモンが1匹もいなく、引き直しを何と5回も繰り返しました。
かなりの低確率だと思ったので、実際に計算して確かめてみました。

ポケカと数学①に記載している確率の説明は省略するので、予めご了承ください。


問1: たねポケモンを11枚積んだとき、初手に1匹も来ない確率

まずは5回でなく1回引き直す確率を求めます。
前回と同様、数学の問題に置き換えて考えます。

【問1】
60枚のカードのうち, 同じ種類のカード(Aカードとする)が11枚入っている.
7枚引いたとき, Aカードが1枚も含まれない確率を求めよ.

解1

60枚のカードから7枚引くのは $${{}_{60} \mathrm{C}_7}$$ 通りです。
60枚のカードから7枚引いてAカードを1枚も引かないのは、Aカードの11枚を除いた49枚から7枚引くのと同じなので  $${{}_{49} \mathrm{C}_7}$$ 通りです。

したがって、解答は次のようになります。

$$
P(A) = \frac{{}_{49} \mathrm{C}_7}{{}_{60} \mathrm{C}_7} \\
= \frac{\frac{49 \cdot 48 \cdot 47 \cdot 46 \cdot 45 \cdot 44 \cdot 43}{7 \cdot 6 \cdot 5 \cdot 4 \cdot 3 \cdot 2 \cdot 1}}{\frac{60 \cdot 59 \cdot 58 \cdot 57 \cdot 56 \cdot 55 \cdot 54}{7 \cdot 6 \cdot 5 \cdot 4 \cdot 3 \cdot 2 \cdot 1}} \\
= \frac{49 \cdot 48 \cdot 47 \cdot 46 \cdot 45 \cdot 44 \cdot 43}{60 \cdot 59 \cdot 58 \cdot 57 \cdot 56 \cdot 55 \cdot 54} \\
= \frac{7 \cdot 47 \cdot 23 \cdot 43}{5 \cdot 59 \cdot 29 \cdot 57 \cdot 3} \\
= \frac{325,381}{1,462,905} \\
= 0.22242114149 \\
\fallingdotseq 22.24 \%
$$

たねポケモンが11枚の場合、約5回に1回は引き直しが発生します。

問2: たねポケモンを11枚積んだとき、初手に1匹も来ないのを5回繰り返す確率

本題です。
問1で発生した事象を5回繰り返す確率を求めます。

【問2】
60枚のカードのうち, 同じ種類のカード(Aカードとする)が11枚入っている.
7枚引いたとき, Aカードが1枚も含まれない事象をBとする.
事象Bを5回繰り返す確率を求めよ.

解2

2つの試行 $${T_1, T_2}$$ について、それぞれの結果の起こり方が互いに影響を与えないとき、試行 $${T_1, T_2}$$ は 独立 であるという。
引用: 数学A 東京書籍

2つの試行 $${T_1, T_2}$$ が 独立 であるとき、 $${T_1}$$ で事象 $${A}$$ が起こり、  $${T_2}$$ で事象 $${B}$$ が起こる確率は次の通りです。

$$
P(A) \cdot P(B)
$$

引用: 数学A 東京書籍

引き直しは手札をすべて山札に戻してシャッフルして行い、お互いに影響を与えないため、事象Bはそれぞれ独立しています。

したがって、解答は次のようになります。

$$
P(A) = (\frac{{}_{49} \mathrm{C}_7}{{}_{60} \mathrm{C}_7})^5 \\
= (0.22242114149)^5 \\
= 0.00054435263 \\
\fallingdotseq 0.054 \%
$$

約2,000回に1回であり、思った通りかなりの低確率でした。

おわりに

CL本番に発生しなくてよかったです。
約2,000回に1回なので、同じようなことは当分起きないでしょう。(フラグ)