二次会デミグラスソース

 里美は変わった女でした。
 飲み会の後の二次会で出会いましたが、その時彼女は何故かハンバーグを食べていました。

「デミグラスの意味って知ってる?」

 カラオケで最初にハンバーグ頼むやつの気の方が知れないとは言えませんでした。

「ドゥミは半分でグラスは氷。つまり氷のように照りが出るまで煮詰めることなの」

「二次会もそう。ここにはさっきの半分しか人がいない。そしてそういう奴は人と関わるのが好きで、キャラが濃い。つまりキャラの濃度が高いのね」

「だからあえてハンバーグなの」

 なんで??

 そんな彼女と出会って早5年となります。
 こんな彼女ですが話してみると存外面白く、また気立ての良い女性でありました。
 私自身もそんな彼女にふさわしい夫となれるように誠心誠意努力していく所存です。
 未熟な2人ではございますが、今後ともご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いします。

『以上、新郎によるスピーチでした!』

 拍手が式場に鳴り響く。
 僕は一息をつき席に座ると、彼女は僕の袖を少し引っ張り、

「なんであんなこと言ったの、恥ずかしい」

「あれは僕の中でどうしても忘れられなくて……」

 彼女にそっぽを向かれてしまった。

(この後の二次会、ハンバーグが美味しい店だと知ったら彼女はどんな顔をするかなあ)

 僕は彼女がどんな顔をするか想像し、少し笑った。

 また二次会デミグラスの話をしてくれるだろうか。





ごめんなさい文字数制限のこと知らなくてここまで書いちゃいました次回から気をつけますごめんなさいごめんなさい


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