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今週からしばらく「ノー・ワーク・デイ」

4日くらい前のことだったか、政府が緊急事態宣言を出した。コロナウィルスの件でだ。日本は欧米の比べたらまだましだが、それでも新型コロナの感染者は日ごとに増えている。そのなかで今回の宣言が出たかたちだ。

世間ではこの宣言の是非を巡ってあーでもないこーでもないと喧嘩をしているが、姫呂としてはどうでもいいことだった。感染症の専門家たちや医療関係者、政治家たちが話し合って勝手に決めてくれればいい。素人の出る幕ではないことは心得ている。しかし一般大衆は、どうも自分が素人だということを忘れて、なにか言わないと気がすまないようだ。まったく嘆かわしい。

さて、実を言うと、緊急事態宣言が出る以前から、姫呂の会社ではアルバイトに対して自宅待機命令が出ていた。期間は3週間。業務全体を止めるわけではなく、正社員はリモートワークで仕事をしている。ちなみに自宅待機は会社都合なので、その間の給与は補償されるという。姫呂にとってはありがたい限りだが、「アルバイトにもリモートワークを許可していれば、会社はお金を無駄にせずに済んだのにな」と思わなくもない。

まあ、この辺も今後は徐々に仕組みが整備されていくだろう。うちの会社だけでなく、社会全体でだ。そもそもリモートワークと既存の時給システムは相性が悪い。そのうち仕事の成果で給与を決めるような、真の裁量労働制に移行していくだろう。これは、今回の新型コロナによる経済被害を鑑みても、確率が高い予測だ。もはや多くの中小企業に従業員を守っていく余裕はなく、終身雇用や年功序列は決定的に崩壊した。

これらのことに不安を覚える者も多いだろうが、姫呂はというと、あまりそうでもない。一応、普段より食料を多めに購入し、外出も最低限に控えているが、そこまで未来に不安を感じていない。これは楽観しているのではなく、むしろ悲観しているためだ。人間はいつか死ぬ。どうせ死ぬ。死ぬときは死ぬ。それが早いか遅いかの違いでしかない。自分にできるかぎりのことをやって、それでも死ぬのであれば、それが天命だということだ。

今、不安を覚えている人になにかアドバイスできることがあるとすれば、「いつか死ぬ」という事実を受け入れよということだ。生への執着を断ち切るのだ。それしかない。

とりあえず姫呂は、この仕事がない3週間を存分に味わいたいと思う。本を読み、ゲームを遊び、人生を振り返って、有意義な待機期間にしたい。

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