「ホケツ!/小野寺史宜」を読んで感じたこと
2023年のおかき的ベスト本の9位はこちら
父親とは離別、母親とは死別で母親の姉である叔母さんと二人暮らし、そしてサッカー部では中学生の頃からずっと補欠、同級生からはキューピットだとか潤滑油だとか仏だとか呼ばれる心優しい男子高校生の宮島大地の青春の日常が描かれていました。
決してキラキラはしていません。
5歳から会っていなかった父親がいきなり引き取りたいとか言ってくるし、一緒に住んでる叔母さんに結婚がチラついてくるし、部活でも大小色々問題が起きるし、結構ハードな日々。だけど、大地は腐ることもイラつくこともなく安定して素直で優しいのです。
小野寺さんの文章好きなのですよねー。
さあ笑いどころだよ!って気負ったわけじゃなくて淡々と描いてる文章だけど、ところどころクスッと吹き出してしまうようなフレーズとか会話とか。
例を挙げると長くなるからあげないけど小野寺さん好きならわかってもらえるはず。
この「ホケツ!」でも結構ニヤニヤ、くすくすさせられました。
そらから、とにかく登場人物が性格が良い。小野寺さんの人柄が滲み出てるんだとにらんでます。
最後に与えられたチャンスの最中の大地が特に爽やかでいい!
私の心の中では山なりのシュートがふわりと決まりました。
この作品を読んだ後に小野寺作品を読み返したくなったのです。
まずは、小野寺さんの出世作「ひと」から始まる『荒川沿いシリーズ』
そして、この荒川シリーズでも、ところどころで登場する売れない作家・横尾成吾さんのお話しである「食っちゃ寝て書いて」
小野寺さん本人がモデルっぽいです。
ただ小野寺さんは売れてる作家ですけど。
そして、次に、蜜葉市のみつば地区担当の郵便配達員の平本秋宏のお仕事物語「みつばの郵便屋さんシリーズ」を読みました。
とにかく善良、平和な日常にほっこりします。
みつばの郵便屋さんを2巻まで読んだところで、40代でバツイチ、蜜葉市四葉にある四葉自動車教習所の教官・益子豊士のお話しを読みました。
正しいこと、最善をつくすこと、優しさ、厳しさ、益子さんは全体的にバランスが良いのです。
これ、良かったなぁ〜✨
こっちを読むと、こっちやあっちが気になるという芋づる式に(←変な表現?)読んでたので、荒川沿いの人々と蜜葉市の人々の相関図がなかなかなボリュームになってきました。
どなたか、相関図をわかりやすく書いてくれないかなぁ。
みつば関連は、まだまだ未読な作品があるので楽しみ続けなくっちゃ♪
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