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2023-24シーズン 振り返り 個人編その11 須田侑太郎


「圧倒的なリーダーシップを獲得したい」

 何かのインタビュー記事で、須田のこんなコメントを目にした事がある。ドルフィンズでのシーズンの目標について問われた際の答えだったか。
こんな言葉のチョイスが普通の人間にできるだろうか。
いちいち力強くて、明確な目的意識があり、頑強な意志が溢れ出している。
このコメントを深掘りして妄想を膨らませるだけで、何千字もの原稿を書き上げる事が出来そうだ。
その言葉の背景に存在する様々な要素を全部切り取ることで、幾つもの物語を紡ぐ事が出来そうだ。
彼の発した言葉の全てを一冊の本に編纂したら、どんな人生訓よりも心に響くものになるだろうーーー
 昨シーズンの須田は、とにかくこんな風に大袈裟に騒ぎ立てたくなるような存在だった。
自分への追い込み方が普通じゃない。それは必ずしも鬼気迫るという訳ではなく、正々堂々とリーダーシップを問いかけているといでも言うのか。
つまりは何が凄いのか説明できない。それに日々何を取り組んでいたのか、具体的には知らない。それでもチームの練度が上がらない中で
、ずっと苦しんできた集団をリーダーとして支えていたと、我々ファンの目にはそう映っていた。
ずっとチームの先頭、もしくは中央で戦っていた。日本代表候補としてサバイバルをしてきた彼のメンタルは、本当に強靭だった。

 選手としては代表活動を経験してから、とにかく躊躇いがなくなったように見える。入らなくてもシュートを打ち続けるマインドはずっとブレなかった。ディフェンスで圧をかけ続け、声を出し続けていた。
スタッツに残る部分での凄さは、代名詞のスリーポイントシュート。
平均で、試投数 6.6 成功数 2.4 成功率 36.5%
59試合に出場してこれだけ打ち続けたのは立派。しかも徹底的にマークされてのこの確率は素晴らしい。タフショットも多かった。

 弱点はドライブのスピード。ディフェンスを切り裂くドライブがあれば、オリンピックにまで到達していたかもしれない。
また、昨シーズンは2点のシュート確率は上がらかった。

 さて、界隈に激震が走ったが、来シーズンはライバルチームのシーホース三河への移籍となった。
自分を追い込んでチャレンジする事を求める須田らしい選択とも言える。
チームとしてはドルフィンズの勝利を願っているが、須田が三河でどんなチャレンジをするのか見届けたいと思う。

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