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2023-24シーズン 振り返り 個人編その7 伊藤達哉


・伊藤の3年間を振り返ると、とにかく怪我との戦いの印象が強い。満身創痍で全力ディフェンスを繰り出す姿が思い浮かぶ。
怪我がなければもっとできたのに。それがファンの正直な思いだろう。

・ドルフィンズのPG2枚看板は、体型がほぼ一緒で、スピードがあり、ドライブが鋭く、フローターが芸術的で、アシストが上手い。あまりにも似ていて、バスケットLIVEの画面を見ていて、たまに間違える。
違いは、齋藤のアウトサイドのシュート力と、伊藤のテイクチャージを奪う平面のディフェンス力。
リーグ屈指のPGの2人だが、2023-24シーズンは、伊藤の課題であるアウトサイドシュートが際立つシーズンになったと感じた。

・ライバルチームたちは、明らかに伊藤対策を進化させてきた。伊藤はスリーを打たない。伊藤のマークマンは距離を開けて守る事ができる。これが、オフェンスでの唯一齋藤との違いであり、伊藤の得点が中々2桁に伸びない要因。
そんな状況でも、伊藤のドライブは止められず、ペイント付近に侵入して、フローターやアシスト、さらに抉ってレイアップと充分な活躍を見せた。
決して悪いパフォーマンスではなかった。ただ無双する事が出来なくなってきただけ。
足のコンディションもあり、プレイタイムが減少していく傾向にもあった。

・アウトサイドのシュートが入れば、もっと活躍の幅が広がるのに。ずっとそう感じていたが、ふと気づいた事がある。アウトサイドシュートがないのに、完全に対策されているのに、これだけドライブからオフェンスを組み立てられているのは、めちゃくちゃ凄い事だ。ペイント内へのドライブそのものは、齋藤以上の破壊力があるのではなかろうか。ネガティブな要素にばかり気を取られて、その点に気付きにくくなっていたかもしれない。他の低身長PGたちは、ほぼアウトサイドシュートが打てる。

・CSのセミファイナルでは、明らかにプレイタイムが減った。
もしコンディション不良でないならば、それがコーチの判断であり、次のシーズンは移籍の可能性が高まるという予感はあった。
移籍先は琉球。いわゆる純正PGなしのバスケで結果を残してきたチームだが、今村や牧が抜けて大きな変革が起きるタイミング。3年連続ファイナル進出の強豪チームで、真価を発揮して飛躍のシーズンになる事を祈っている。
伊藤はまだ成長途中でピークを迎えていないと思う。

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