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単語帳書き込みのすゝめ:新しくトルコ語を始めたが、単語がなかなか覚えられない貴方のために

トルコ語の授業を春から新しく受講され始めた方から、「どうやったら単語を覚えられますか」というご質問をいただきました。おそらく、効率的な方法はなにかないか、という趣旨のお尋ねだと解釈しました。

これについてはほとんどの語学をやっていらっしゃる方が同意してくださると思うのですが、手短に答えるなら「王道はないですね」でファイナルアンサー、ということになるのではないでしょうか。

要するに、一瞬で覚えてしまうような楽な方法はないということ。個人的な体験では(特に一般向けの講座では強調して言わないようにしていますが)、自分の加齢とともに「覚えた」と感じられる速度の違いもあるように思います。

それこそ私自身の場合でいうと、高校時代は英単語を覚えるのはまったく苦にならなかったというか、今と比べるとずいぶんスムーズに覚えられていたように思います(気のせい、という可能性もありますが)。

今となってはしかし、やはり筋トレやウォーキングといった運動と同じで、多少自分に負荷を与えるということをしないとなかなか身につかないというのも間違いないです。これは年齢関係なくあてはまる話でもあります。

それで、その「自分に負荷を与える」ために、世の中にはさまざまな語彙力をアップするためのツールがあるのですよね。たとえば誰もが一度は使ったことがあるであろうこういうタグ式のものとか、

こういう単語リストに特化したノートとか。いずれも有用な使い方があるだろうと思います。思えば私自身、中学校で英語を始めた頃からこういった単語帳的ツールは一通り使ってきたように思います。

さて、こういったツール使用の変遷を経て、私がたどりついたのはB6サイズのシンプルな中横罫の手帳式のノートです。

やり方は極めてシンプルです。このシンプルな横罫ノートに、トルコ語を勉強しているときに出くわした単語を、とにかく書いて覚えていくという方法。どんな単語を書いていくかはもちろん個人で自由に決めます。

とにかく目的は、頭の中に語とその意味を叩き込むことなのですから、知らない単語または見たことはあるけれど意味がぱっと浮かばない単語を、重複を恐れずに書いていきます

慣れないうちは、品詞もついでに簡単に書いておくといいでしょう。ここでは、単語とその意味を書くだけではないというところがおススメのポイントです。

単語とその意味だけなら、先ほどアマゾンリンクで紹介したカードリング式のものや単語帳でもよいわけですが、あえて普通の横罫にしたのは、その単語が実際の文でどのように使われているかも書いておくためです。

私のトルコ語単語帳。こんな感じでやっています、というサンプルとして見てください。

結局単語とその日本語対応訳だけ覚えても、実際に使えるようにならないといけないわけです。それを考えると、例文が一つでもそこにあるだけで、あとで見返したときに記憶がたどりやすくなるという利点があるでしょう。

例文を書くのは時として面倒だったりもしますが、できるだけ短い文でもいいので書いておくのがよいと思います。実際に見たときの例が長ければ、辞書をあたってそこにある例文を書いておくのでもよいでしょう。

その他個人的に意識しているのは、単語を書くごとに番号をつけておくこと。これで、後々見返すときに達成感を感じられるようにしておくのです。

これらを全部頭の中に叩き込んだら、少なくともX語(自分の経験ではノート1冊40枚程度で、最低でも400語以上は触れられるように思います)は自分の知識になるんだから、と自分に言い聞かせながら勉強していきましょう。

400語なら400語、それを勉強したオレはえらい!(by 自己を褒める会(内輪ネタ))と。2冊目、3冊目とやっていけば…1年もしないうちにそれなりの語彙力はきっと身についているはず。

また先にも述べましたが、私は以前書いてしまっていた単語でも、その時に「あ、この単語わからないな」と思ったら、気にせずまた番号をつけて書くようにしています。

そして後で見返したときに重複しているのを見かけたら、自分を戒めます。「オイオレの頭脳、この単語を一度見ているんじゃないのかい!覚えるのかい覚えないのかい、どっちなんだい…!覚え―――――」(以下略)的な。いわゆる、きんに君のノリで。

たくさん見た単語は、いずれイヤでも覚えます。間違いなく。根拠不明のことと承知の上で書きますが、人間の頭ってそういう風になっていると思うのですよ。

わかりやすい例でいえば、トルコ語をやっていてmufahaza(保護、保持。もっともこの語はアラビア語由来なのですが)とgüzel(美しい、すばらしい)、どっちの語をたくさん目にすると思いますか(あるいは自分でも使う頻度が高いと思いますか)。

ある程度勉強してしまえば、mufahazaってなんだっけ?と思う人はいても、güzelの意味を忘れた、という人のほうが少ないと思いません?

どの単語も、たくさん目や手で触れるように自分で仕向けてやればよい、という。シンプルでしょ?でも、語学の作業というのはできるだけシンプルなほうがよいとも思うのです。そのほうがとりかかりやすい側面もあるし。

というわけで、一目見ただけでは単語をなかなか覚えられないとおっしゃる方に向けて、私はこうしていますよ、というやり方を書いてみました。トルコ語を題材にしましたが、ほかの言語を勉強するときでも私は同じようにやるようにしています。

少なくとも今の私は、見ただけでは覚えられないです。ならば手も動かして、さらには後で何回も見られるように自分の語学コンテンツを作っておくという作戦。皆様も試されても損しないと思いますがいかがでしょうか。

なお言うまでもないことですが、これは私の今までの体験に基づくアドバイスととらえてください。勉強法に王道なし、個人それぞれでベストの勉強方法というのは違ってきます。

「お前のやり方は効率的ではない」という方ももちろんおられるでしょう。その批判は甘んじてお受けして、そのうえでさらに良い方法があればそれをご自分で追い求めてくださればよいのです。

語学ではまた、そういう試行錯誤を楽しむというマインドもきっと必要であろうと考えます。いずれにせよ、トルコ語はもちろんのこと、新しく言語学習をはじめたみなさまの大いなるご成功を祈っております。Bol bol başarılar!

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