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お土産抱えて、また西へ

先週末(2023年6月17日、18日)は東京におりまして、専修大学で開催された日本言語学会に対面参加してきました。本日19日、長崎に帰ってきた次第でございます。

なぜ私は東京に来たのか、について

今回東京にやってきた目的はおもに二つありまして、一つは東京外国語大学で諸々の用事を済ませること。これはその前日金曜日に済ませていました。昨日最後に記事で言及したのがまさにその日の話でありました。

明けて土日が日本言語学会開催日。

この学会も、久しぶりの対面開催となりました。実は当初は現地参加するつもりはなかったのですが、バントゥー諸語を専門にしていらっしゃる米田信子先生が現地に来ればスワヒリ語版『星の王子さま』をご恵贈くださるとおっしゃる。そんな誘惑を受けてしまった日には、それはもう…行くしかないでしょう!

LPPコレクターの端くれとしては参加するしかない、と自らに言い聞かせつつ、言語学会本体(本体?)のほうでもテュルク諸語関係の発表があるとわかっていたので、今回参加に至ったという次第でありました。米田先生、ありがとうございました。貴重なスワヒリ語版LPPだけでなく、フィンランド語版もいただいてしまいまして、これを望外の喜びと言わずして何でありましょうか。みなさん、バントゥー諸語にも関心を持ちましょう。この機会に!(この機会に?)

手話のワークショップが面白かった

さて、言語学会。初日はいくつか口頭発表を拝聴しつつ、数年ぶりに会う先生方に挨拶をする一日となりました。口頭発表はできるだけテュルク系ではない個別言語の発表を聞こうと思っていました。2日目のワークショップはテュルク系のそれをあえてパスして(各位改めてすまんかったね)、手話のほうに行きました。手話自体にはまったく心得がないのですが、関心は以前からずっと持ってはいたのです。トルコにもトルコ手話がありますからね。

トルコ語で手話は、"işaret dili"と言います。こちらのウェブサイトでは、トルコ手話の辞書ということで映像付きでトルコ手話の具体例が見られますね。

 今回のワークショップで個人的にへえ、と思ったのは「地域共有手話」という存在のことです。ろうコミュニティで使われる手話とは異なる存在だとのことですが、トルコでもアナトリア南東部のマルディン(Mardin)という都市で使用される「マルディン手話」があるのだそうで、不明にして全く知りませんでした。しかも、この手話では数詞の"18"を「20-2」のような減算方式で表示するのだそうで。なにそれメチャ興味深い!

こういう話を聞いていると興味をかきたてられてしまいますよね。
無責任なことを発言してしまって、関係者のみなさんをあとで幻滅させてしまうのは避けたいとは思いつつも、トルコ手話あたりは少しアンテナを広げてみようかなと思いました。先般は手話言語学のご著書もいただいたことでしたし。長崎に帰ったらまた開いてみましょう。

やはり対面のよさというものはある

というわけで、2日間にわたって言語学会に参加してきました。月並みな感想ですがやはり対面で言語に興味関心がある人々に会うというのはよいものです。自分にとって一番の収穫は、自分も研究をしっかりやろうと思わせてくれることと言えます。オンラインでもその恩恵にはさずかっていましたが、今回は久しぶりに直接対面する知り合いもたくさんいたということがあったのでなおさらそういったことを強く思ったような気がします。一方で、中堅の世代の口頭発表応募数がかなり減っているという現状もあるらしく、そろそろ私も数億年ぶりに何かネタを探して申し込んでみてもいいのかもしれないなあとも思いました。ネタが見つかればね。İnşallah.

とりあえずは、トルコ語とアゼルバイジャン語二本立てで研究をまた心機一転やっていこうと思います。物理的・非物理的両方のお土産を両手に、西(=長崎)に戻りましょう。

LPPは、一挙4言語新たにゲットしました。中国語のうち台湾華語、普通話のいずれかは重複しているはずなのですが、今回は神田神保町の書店をめぐって2冊とも入手できた次第です。

最後になりましたが、言語学会開催にご尽力なさったみなさまに感謝申し上げます。楽しい2日間でした。私も満喫しました。また言語学会会場では想定した以上にたくさんの方にお会いできたこと、ご挨拶できたことを喜んでおります。どうぞ今後とも引き続きご指導のほど、よろしくお願いいたします。あと松浦さん、ポスター発表枠拡大作戦がおおむね好評だったようでよかったですね!

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