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トルコ語の日々は続く:夏の清算、冬の準備

今年度はやや変則的なスケジュールで開講されているというオープンアカデミーの語学講座。週に1回、90分という限られた時間ですが講座を行う側としても毎週水曜日を楽しみにしていました。

10月最後の水曜日に夏学期最後の講座を終えて、これで春学期12回、夏学期12回と消化したことになります。果たして、受講されたみなさまの手ごたえやいかほどであったでしょうか。少しはトルコ語への心理的な距離感が縮まったであろうことを祈るばかりです。

さて、オープンアカデミーでは夏学期まで市販の教科書を使用していました。トルコに渡航する前に改定前の本を見たことがあり、これなら間違いないだろうと思って指定した教科書が、川口裕司(2018)『初級トルコ語のすべて』(2016年、IBCパブリッシング)でした。

この教科書の利点は、1冊で文法事項の大体の部分に言及しようとしているところ。その意味でのコストパフォーマンスという点は大きいでしょう。

一方で、そういった利点と共存してしまう点として、練習問題、使用語彙の分量を紙幅の都合上(おそらくそうだという、あくまで私自身の推測なのですが)どうしても抑えざるを得ないという点があります。

ですので、教科書として使う側としては、そのまま何も考えずに使用するとどうしても文法を解説している時間のほうが多くなってしまう(有り体に言うと、練習問題の量が少ない)かなという個人的な感想をもちました。

これだと、受けている側も退屈するかもしれないなと。で、実際に演習してもらうコンテンツをこちらのほうでカバーしないといけないなと考えたのです。

ということで、自分も副教材としてプリントを用意していました。さすがに1学期12回の講座で毎週というわけにはいかなかった(これは今後の課題ですね)のですが、どうせ今後いろいろな場所で援用することはできるだろうし、ということでなんとか己を鼓舞しながら。なんせ私、生来の怠け者体質がありましてね…

自分以外の語学の先生たちはしかし、常にこういうことをやっているのだろうなと思うと、そのご苦心、ご苦労に改めて頭が下がる思いです。まじめにやろうと思うといくらでも労力を割かざるを得ない。とても報酬に見合わんよね、とも思うことが多かったりはしますが、それはまた別の話…

ともかく、春に8回、夏は少し気力負けして7回の別途資料を配布しました。この資料の中に、簡潔ながら自前で作成した練習問題もいくつか追加しておりまして…

で、そこまではいいのですが。何が大変かというと、問題を作ったからにはその解答(例)も準備しないといけないということなのですな(あたりまえなのですが!)。

学期終了後、「解答を早く」という恐るべき督促の声が受講生の各位から聞こえてくる中、今月は泣きながら(泣いてはいない)それをやっていて、昨晩にしてようやくその夏学期分の解答をリリースできたという次第でした。

本当は、学期中に小テストなどもやったほうがよかったでしょうし(これはこれで採点するのマジ大変なのです!みなさんご存じでしたか!!?)、ほかにできたことはたくさんあったでしょうが、自分なりに割ける労力としてはそこそこ割いたつもりです。

いや足りなかった、と言われてしまったならそれはもう本当に申し訳ありませんでしたということで。いずれにしても、今後改善するべき点もたくさん教えてもらったということはできます。各位には感謝しかありません。

夏学期でお別れとなった方もおられますし、さらに継続して12月からスタートする秋学期に来てくださる方たちもありがたいことに多数おられます。

講座を担当する側として、トルコ語を続けてくれる人たちがいることほど勇気づけられることはありません。そこだけは忘れずに、秋学期(という名の冬のシーズン)もなんとかやっていきたいなと思います。

好評の「オフィスアワー」は、今後もやっていくつもりです。「水曜日の夜は長い」をキャッチフレーズにしたいくらい。
講座の後にする雑談というのは主催する側としても大変楽しいもので、あっという間に時間が過ぎる感覚があります。

とにかく、こちらからの一方通行にならないことだけは最低ラインだと思っています。

オンラインでの語学の授業というのはともするとそういうことになりがちだということを春学期にいやというほど痛感したので、とにかく風通しをよくしよう、受講生の方どうしの交流も持てるような状況にしようと。

そのためにはどういうことができるのかなといったことを最近は考えています。なんせ、オンライン形式の語学というのはおそらくパンデミック終息後もきっと一定の割合で残るのではないかという予感がするのです。

今年の4月ごろ、こんな雑文を書いていました。このリンク先の最後のほうに書いてある意見は今も変わりません。対面形式が復活する半面、オンライン授業に対する心理的なハードルは、いわゆる「コロナ前」よりも下がるだろうと。

実際、私のところにも大都市圏に在住でない方から、うれしい講座終了後のねぎらいのお便りをメールでいただいたくらいです。

対面だとなかなか語学の授業を受けられないという方にとっては特に、制約がそれなりにあるとはいえオンラインで人から教わる機会があるというのは魅力的でしょう。

そしてそれは、教える側にとっても同じことでもあるのです。今、長崎の片隅にいる自分が言うのですから間違いない。ここにいてトルコ語というコンテンツを提供できるというのがオンラインの恩恵でなければ何でしょうか、という話ですからね。

トルコ出身のねこと一緒に授業ができるのが、オンライン授業の利点の一つである!

ということで。またしてもつらつら書いてしまいましたが、いよいよこれで「夏」はひとまず終わったということにしましょう。秋を経て、熱いテュル活の冬にしていく所存で!

この記事は投げ銭制ということにいたしたく存じます。冬を迎える我々オフィスぴの吉にぜひともエネルギーを!

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