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思い出のAlem FM

留学中、またはアンカラに滞在したころは、とにかく意識して普段からトルコ語を聴かなければ、とは思っていました。特に留学のときは渡航して最初の時期、まったく人々のトルコ語が聴き取れなくて苦労したことを思い出します。

大学で4年間、さらに修士課程で2年間トルコ語を専攻として授業などを受けたりしてそれなりの蓄積は持っていたつもりでしたが、そのちっぽけな自信は渡航した瞬間に粉々に砕け散ったのでありました。

聴解能力が不足しているということは、留学当時午前中に通っていた語学学校でも早々に痛感することになりました。クラスのレベルが上がるごとに、明らかに同じクラスの受講生と比べても俺、聴き取れてないよなと。

いくつか原因があったと思うのですが、やはり語彙が不足していたこと。あとは、トルコにいるのにもかかわらず日本語を話す(話せる相手と話す)ことを長くやりすぎているのだろうな、と今振り返っても思います。

ということで、ラジオを入手しなければな…だけど、どこに売っているんだろうか?などと思っていた(2004年当時、意外にラジオ受信機を見つけるのに苦労していました。今と違って、Media MarktやVatan Computerといったわかりやすい大型家電販売店は当時まだ少なかったのです)矢先、当時アンカラにいらした邦人の語学学校のクラスメイトの方がラジカセをお持ちだということで貸していただいた思い出があります。

奨学金をトルコ政府からいただいていたとはいえ、決して余裕のある生活ではなかっただけに、ラジカセを買うというので出費しなくて済んだのは学生の身分としてはありがたかったことです。喜んでお借りして、結局帰国するまでずっと借りっぱなしでした。

手動でチューニングするタイプのラジカセでしたが、トルコで驚いたことの一つは、しばらくチューンするとすぐどこかのチャンネルにヒットすること。

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写真は当時のアンカラ時代の写真。自宅…ではなく、知り合いの家で預けられていたネコチャンです。名前は「ミソ」くんでしたね。かなりのやんちゃでした。どこかのアンカラ出身のねこにそっくり…

すごいなこれ、ラジオ局どれだけあるんだろうか?…と思っていたら、偶然ヒットしたのが表題のAlem FMだったというわけ。何の番組だったかは忘れましたが、すっかり聴き入ってしまったのです。

それ以後、ずっと他のラジオ局はほとんど聴かずに学校から帰宅したらAlem FMを聴きながら語学学校の予習などをする生活を送っていました。

トルコの知り合いからはもっといろんなチャンネルがあるんだからいろいろ聞いてみたら、というアドバイスもいただきましたが、結果としてなんとなくAlem FMのみを聴き続ける生活になりました。

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FM放送を頑張って聴いていた副産物として、ヒット曲が流れることというのがありました。折に触れて流れる曲で、へー今はトルコでこういう曲が流行っているんだな、というのを知ったことです。

よく覚えているのは、はじめてNazan Öncel というアーティストの"Hay hay"を聴いた時です。これがトルコのポップスか…!という衝撃。すげえなトルコ、音楽面白いわ…と思った瞬間でした。

2021年の今聴いても、まったく色あせない…(もちろん、個人的感想です)

このほかにも、当時よく流れていた曲をいくつか思い出しますが、そのあたりはまたおいおい。

音楽以外では、トーク系のラジオ番組で耳を鍛えようと思いました。当時100%理解できないなりに毎晩楽しみにしていたのが、深夜の11時から2時くらいまでやっていたZeki Kayahan CoşkunというDJがやっていたMatraxという番組。

リスナー参加型の番組で、あっ今冗談を言ったな、というところを聞き取れて理解できた時は、それはそれはうれしかったものです。

そんなわけで私の留学時代のトルコ語聴解の力、実力こそまだまだだった(まあそれは今もかな!ハッハッハ!)ものの、ラジオで相当鍛えてもらったということは言えるかなと思います。

というわけで、なつかしのAlem FM。今は自分の趣味が広がってしまって、テュルク圏のラジオをネットでザッピングなどもするので、なかなか最近は聴けていませんが、この記事を書いていたらまた深夜のMatraxが聴きたくなってきましたね…

今は番組ごと、Kafa Radyoという別の放送局に移籍してしまっているようですね…

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