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かわいいいいいいの気持ちを表現:ペッド動画アプリでのUXデザイン事例

これは前職PECOで2017年にペット動画アプリを作ったときのUXデザインの検討・実現事例です。最近デザイナー採用をしている中でUI/UXのことを考えることが多いので自分なりの考えを整理・公開する目的で記事にします。

なお現職ジャングルXのアプリはまだ開発中で、かつ日本ではリリースされないので過去のプロダクトを扱うことにします。

どんなアプリ?

世界中の飼い主さんがYouTubeやInstagramに投稿している最高にかわいいペット動画を1つ1つ許諾を取って社内の動画編集チームが動画をさらにかわいく編集し、アプリで見られるようにしたものです。

コアバリューは「3分で癒やしをチャージ」

ユーザインタビューなどを通じて、ユーザは何を達成したいのか、解決したいのかというジョブを突き詰めた結果、「かわいいペットの動画が見たい」ではなく「癒やされたい」であることが見えてきました。家事が一段落して、あるいは仕事から帰ってきてアプリを開いて超かわいいペット動画を見て癒やされて満足する、明日もがんばろうと思ってもらう、といったイメージです。

だからこそ動画はUGC型ではなくPGC型で、我々が超厳選した動画を超かわいく編集したものだけを配信して、確実に3分で癒やされる環境にしました。YouTubeでもペット動画は見ることはできますが、飼い主目線で安心して見ていられる本当にかわいい癒やしの動画をスキマ時間で見つけて視ることはできないですし、探すのも疲れますし、1個動画を見た後の関連動画で変な動物の動画が流れるかもしれません。YouTubeやInstagramでは解決できないジョブなのです。

当時作ったポジショニングマップの1つ

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3分で癒やされるが達成できるUI/UXとは

3つ必要な要素があります。

①見たいと思う動画に出会いやすくする
②かわいいいいいいいの気持ちを表現できるようにする
③かわいいいいいいいの気持ちを共有・共感できるようにする

そのうち一番メインである②をピックアップします。②を達成することで

「かわいいいいいいい」→「あー、癒やされた」

を実現することができます。

なぜ、かわいいいいいいいの気持ちを表現できるようにする必要があるのでしょうか?なぜ動画を見て心の中でかわいいと思ってもらうだけでは足りないのでしょうか。

当時チームメンバーに、「かわいい」と言うことは女子にとってのストレス発散なのである、というような話をした記憶があります。

とにかく女子はいろいろなものを見て「かわいい!」を連呼しますよね。本当に心の底からかわいいと思っているかは置いておいて、「かわいい!」と口に出して、感情表現をして、友達と共感し合うことを楽しんでいるように思います。(炎上しないでw)

これをちょっと心理学・UX的な観点でみると、「かわいい!」を連呼して興奮・緊張状態になって、そこから解放されると、ストレス発散や癒やしに繋がっていると言えます。

もっと言うと緊張と緩和により交感神経が優位な状態から副交感神経が優位な状態になるのです。

なので話を戻すと②かわいいいいいいいの気持ちを表現できるようにすることで一種の興奮状態を作り、最終的に癒やされることができるのです。

UI/UXに落とし込む

ペット動画を見るだけならばYouTubeでもInstagramでもできます。でもペット動画しか流さないからこそUXを絞り込み「癒やされる」ことだけにフォーカスした作りにできます。

一番の大きなポイントは「いいね=♡」を好きなだけ押せるようにしたことです。これにより「かわいい!」と連呼するように「かわいいいいいい」という感情を好きなだけ♡を連打してもらうことでぶつけられます。

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♡を押したときのボタンのプヨプヨ感、そしてさらに♡が飛び出ていく様子がかわいいいいいと連打したときの気持ちよさを増幅してくれます。

「いいね」ボタンを設置するUIは99%の人が思いつけるものですが、提供したいUX「癒やされる」を定義して、それを表現するデザインと実装に落とし込んだところがPdM・デザイナー・エンジニアの共創により生み出されたペット動画に最適化したUXだったと思います。

当時最少人数のプロダクト開発メンバーで、アプリ開発も未経験なメンバーにがんばってコードを書いてもらっていたレベルですし、UIの見た目に関してはより良いものがあるかもしれません。しかしUXはよかった、という自信はありますし、常にストアで星4.7~4.9の高評価を得ていました。

たかだ「いいね」ボタン、されど「いいね」ボタン。

もちろん最高のコンテンツがあってこそですし、オンボーディングの工夫、コメントによる共感の演出、類似動画を推薦するレコメンドシステムなど様々な工夫も入っています。


終わりに

こんなものづくりを一緒にやってくれるデザイナー・エンジニア(その他全職種)募集してます。スポーツベッティングにおけるヒリヒリ感や勝ったときの喜び、1人でのベッティングだけでなく、SportsDJの配信を聞きながらのエンタメ性・ソーシャル性、さらにNFTの話などC向けならではのおもしろいものづくりが待っています。そしてそれをグローバルのユーザに届けましょう。

ホームページを見てもらえれば、我々が普通の集団でないことは感じ取っていただけると思います。なんかおもしろそう、話聞いてみたいと思いましたらHPからでも自分宛てのTwitter DM、Meetyなんでもご連絡ください。

代表Panjaの話は理解できる人にはおもしろすぎるのでお楽しみに。

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参考記事:本田圭佑も投資。スポーツベッティングで英国進出する男の野望


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