君は僕が思ってる以上に

 久しぶりにゆずを聴いている。今も第一線で活躍しているけど、僕にとってのゆずは高校時代に悩んでいた自分の横にいた友達みたいな感じだった。時に笑い飛ばして一緒に泣いて怒って励ましてくれる、そんな存在。

 元気が出る曲がたくさんあった。でも一番助けられたのは恋愛について。カッコつけてださいなと思うことばっかりだった。好きな子が出来ても上手く話せないし、その子にはだいたい別の好きな子がいた。結局僕はフラれることもないままに、いい友達でい続けようとしていただけのチキン野郎。友達は付き合って別れて、また付き合ってしているのに僕はいつまでたってもうじうじしているだけだった。

 表面上は何でもない振りをするのが得意。人からばれないように振る舞うっていた(ばれてたかもしれないけど)。少なくとも波風を立てないように、中心グループにいて、強い部活のキャプテンで、勉強も頑張っている。うん、悪くないように見える。でも見えるのと実際は大きく違っていた。

 「しょーもない自分」「思い描いていた姿になれない自分」

 表向きとは違った気持ちを抱えていた。もちろん楽しかったんだけどね。

 ゆずの唄を聴いては泣いた。

「君にとっての僕は きっと良き理解者なんでしょ」「いったい何やってんだろうと 急に虚しくなって」ってさ。

 「ゆず一家」が好きだった。「夏色」「月曜日の週末」「ねこじゃらし」。そんな中でも「以上」が好きだったんだ。「君は僕が思ってる以上に」って思いたかった。そこまでの気持ちを言葉にすることが出来ずに悶々として独りでいたんだけど、ゆずはその気持ちを唄ってくれた。5分だけでいいから、僕の横に座ってて。って言えるような状況があればいいな。

 そんなこともないままに高校時代は過ぎて、今になっても変わらずにめんどくさいことに自分を追い込んで、彼女も出来ないままに31歳になりました。相変わらず僕は毎日を過ごしています。少し大人になって、高校生に教えながら、彼らを見ていると自分のことを思い出します。大人になろうとして大人になれない。歯がゆい思いもする。でも毎日必死なんです。

 僕も毎日必死だ。ゆずは今でも輝いてる。さあ頑張ろう。

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