ちょっとした贅沢は、人を幸せにする

 仕事が休みの日だった。昨日の夜は、オンライン飲み会で楽しく過ごしたけど、今日は何の予定もない日曜日。

 とりあえず朝はいつも通り起きて、東中野から大久保、高田馬場まで走って、筋トレしてまだ10時30分。「今日やること」の予定は何もない。折角だからちょっと最寄り駅の本屋にでも行こうかなって思って、自粛期間に買った新しい服を着てサンダル履いて歩いてみた。天気予報が微妙な感じで、でも家から近いからいいやって。幸いにも雨は降ってなかった。昼前の山手通りは、アスファルトの照り返しで暑い。

 Daft Punk聴いてたらすぐ駅に着いて、ビルの3階の本屋に行った。んでバスケットの雑誌を読んで、好きな小説をぱらぱらと眺めた。いつもは安い方がいいからBOOK OFFかAMAZONで買うんだけど、今日は無くしてしまった大切な本と、とりあえず面白そうな本を買うことにした。山田詠美さんの「ぼくは勉強ができない」と、中野翠さんの「あのころ、早稲田で」。カバーをかけてもらった新しい本を受け取って、楽しみが増えた。少し心が満たされた。

 ちょっと嬉しくなって、下の階にある成城石井に寄った。僕の中で成城石井はヴィレッジバンガードみたいなもの。値段は少し高いけど他の店にはなくて、面白そうなものがたくさん置いてある。外国のお菓子やお酒。PVの美味しそうなご飯。見るだけで楽しくなってくる。甘いものを控えてるけど、好きなホットビスケットを買った。日曜日だからこれくらいはいいんだ。また少し心が満たされた。

 その下の駅前のパン屋で、美味しそうなサンドイッチと塩パンを買った。時々寄るこのパン屋さんのサンドは全部美味しい。パンも焼きたてです。これでお昼ご飯は完璧だ。店員さんがマスクをしていても分かる笑顔で、優しかった。

 最後にまいばすけっとでバーリアルを買って帰った。製造する工場が変わって美味しくなったんだって。しかもその工場はうちから徒歩10分。

 帰宅してタバコ吸った。所要時間は約1時間。

 家に帰って、買ったものを並べて眺めてみた。戦利品は、2冊の小説、ホットビスケット、美味しそうなサンドと塩パン、新しくなったバーリアル。なんの脈絡もなくて、少しおかしくなって一人で笑った。

 「家から出なかったら、お金は使わなかったんじゃないの?」

 確かにそうなんだ。僕は今日お金を使わなくても一日を過ごせた。本も食べ物を飲み物を十分家にあったから。でも、たった1時間外を歩いて、買い物をして、それだけで幸せになった。

 いつもは自炊します。お金をたくさん稼げる職業でもなく、貯金があるわけでもありません。節約しないといけないし。自分で作ると安く済むし、沢山食べられる。本も同じで新品は買いません。いずれ中古で出回るものだから。でも、時々少し高いお金出して、新しくてきれいな本を買ったり、食べたい美味しいものを食べると嬉しい。ほんのちょっとした贅沢は、僕を幸せにしてくれます。

 自分が楽しく生きるためにはどうすればいいか。色々な要素があるかもしれないけど、なにかどこかで自分の感情に触れるから。その瞬間を臨んだ人が良い人生を送れそう。節約とか、制限は大事。だけど、自分が楽しいこととか幸せに思うことが少しでも日常にあると、楽しくて幸せになる。なんでもいいんです。その為に使うお金はプライスレス。かけがえのない価値を持つ。

 サンド食べて、ビスケット一つ食べて、買った本読んでだらだらした。でも、1時間外に出なかったよりも楽しい時間だったと思います。

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