悲しくてやりきれないからこそ、あの素晴らしい愛をもう一度

 フォークをたまに聴く。普段はロックとポップなんだけど、ふとした時に聴きたくなるのが、「かなしくてやりきれない」とか「あの素晴らしい愛をもう一度」とか。パッチギが好きで何度も見ているからかもしれないけど、静かにリズミカルに心に染みていく音楽ってあんまりない。

 そもそもロックが好きなので、どこか荒々しく、激しいものを好んで聴くんだけど、フォークはそれとは違うアプローチだから面白い。ギターの歪みやベースのバッキング、ドラムの当てのないソロにテンションが上がる。でも、フォーク(ロック)のそれはもっともっとシンプルに曲を作り、昇華させる。

 すると不思議なことに意識はメロディと歌詞に向いてくる。そこに載せられる日本語の意味と響きが心地よい。それは日本語の美しさを伝えるものであるように思う。根拠がどうとかは分からないし、人によって感じ方は違うと思う。ただ僕はそう感じたというだけなんだけど、それでもそういいたくなる言葉。

 基本的にはストレートではない日本語の表現を、愚直に。ある意味でそのままに言葉にする。僕たちがやりたくでも無意識に避けていることを代わりに表現してくれている。日本に元々あった歌謡曲のように、歌って聴かせることをロックに載せて。

 日本人なら誰でも、というと大げさかもしれないけど、このメロディにこの歌詞なら絶対に心に残るじゃん。と言えるのが日本のフォーク(ロック)。

 悲しくてやりきれない フォーク・クルセイダーズ


 あの素晴らしい愛をもう一度 加藤和彦&北山修

 

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