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あいちゃん

僕の記憶の中に 
あいちゃん と言う女の子がいた
もう 多分 結婚をして 
幸せに暮らしているはず

細くて背が高くて 丸いレンズの眼鏡が
オールバックの 広い額と 妙に似合っていて
そこに 何気に キスしたくなる
かわいいひとだった

最後に会ったのは 10年前 秋の終わりくらい
これから寒くなるからねって
手編みのオフホワイトのマフラーをくれた
そしてもう一つ この本読んでって

彼女が一番辛い時 支えた本って言って

孤独を愛するなんて ないのだけれど
でも 人はいつしか 一人の自分に
気づいてしまう
トンネルの 出口が見えず 何もかも
信じなくなって 不幸という名前さえ付ける


不安そうに 僕をみる あいちゃんに

ありがとう って言った
そして微笑んだ 
あいちゃんも 笑った

僕は思った
あいちゃんには 幸せになって欲しい

きっと 必ず ずっと

あなたと一緒

記憶の中は 沢山の愛で いっぱいだ 
そんなに 愛されていたように 僕の人生は
もっと もっと 素敵に 愛でいっぱいにして
最後 花束にして あなたに 送りたい


今日の 花いろ


2024/01/26 tuo teo

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