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論文マラソン13 北川久「恒富作《朝露》と竹橋作《南島春夏秋冬》の同時初公開の周辺ー大正3年の茂松園の展観をめぐってー」

おはようございます☀今朝の論文は、北川久さんの「恒富作《朝露》と竹橋作《南島春夏秋冬》の同時初公開の周辺ー大正3年の茂松園の展観をめぐってー」(『竹喬研究』第6号、2023年3月)です。

目次構成:
1 はじめに
2 《朝露》制作の背景とその構図の推移
3 第7回文展での《朝露》落選の波紋
4 《南島春夏秋冬》制作に至る竹橋の歩み
5 第18回新古美術品展の審査をめぐって
6 大正3年3月22日の茂松園での展観の意義

恒富の《朝露》って知らない・・・と思ってしまうかもしれませんが、これは戦後、北野恒富の《道行》として発見され、福富太郎コレクションに収まったというので、あの有名な北野恒富の代表作です。

京都の代表的実業家であったという吉田忠三郎がパトロンとして支援しており、文展に落選したこれらの作品をコレクションに加え、大正3年に吉田忠三郎邸の新築記念に1日だけの展観をした。その展観を通して、新古美術品展や文展などでの鑑査、審査のあり方に一石を投じたというようなお話でした(ちょっと要約しすぎかもしれませんが)

北野恒富、小野竹喬の作品の鑑査、審査をめぐる議論を、当時の資料(珍しい雑誌や『京都日出新聞』などを丹念に調査されています)を駆使して明らかにされていて、とても説得力があり、面白いです。

『京都日出新聞』は検索できないので、マイクロで1ページずつ見なくちゃいけないので、大変なのですよね。他の珍しい雑誌も丁寧に調査された成果だとわかります。見習わなければ。

34分

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