「ビーカーくんのゆかいな化学実験」を読んで

読書日記第9弾。
今回読んだのはこちら。

ピンセットくん、バネばかり長老、メスフラスコちゃん、ブフナーろうとじいさん、分液ろうとマダムと分液ろうとのフタくん、三角架トリオ、豆電球ベイビー…
実験器具を擬人化して、イラストでさまざまな実験を紹介しています。

まず第1章で実験の注意事項が書かれていて、ビーカーの取り扱いや試験管の取り扱い、ガスバーナーの取り扱い、ピペットの取り扱いなどがイラストで紹介されているのでそのまま生徒用に使えると思います。
やっぱこの辺はプリントで文章で説明するのには限界がある…。
動画説明やイラスト説明が一番ですがイラストのセンスもないし良い素材もネットで見つからないのでホントぴったりでした。

実験については大きなイラストで実験装置を示し、注意点がイラストに書き込まれているので一目でどういうセッティングをすればいいのかがわかります。
面白いのが実験の特徴を示したレーダーチャート。
「危険度」「マニアック度」「かかる時間」を5段階で評価している上に、実験ごとに「冷水に入れたときのぽよんぽよん度」「燃焼が終わったと思っても実はまだ終わっていない度」「pH試験紙をどのくらいの長さで切り取るか迷う度」などオリジナルな面白い項目が入っているのでそれを見るのが楽しみです。

「つくる実験」「はかる実験」「観察する実験」「分ける実験」と大きく章立てされて紹介されていて、それぞれの章の前には実験のポイントが書かれています。
特に「観察する実験」は派手でわかりやすいけど、観察結果を客観的に記録するのは難しいなと思います。
そこでこの本では「下手くそでもマンガでもいいので、とにかく絵で描いてしまう」「描こうとするときには無意識にしっかり観察しています」と紹介されています。
化学の実験はとにかく色が多い。
色の表現って十人十色なので、色の名前を覚えるのって意味ないと思っていて。
時間をかけて色鉛筆や色ペンを使ってスケッチして、視覚として記憶に留めるのが大事だなと思います。

紹介されている実験は「ミョウバンの結晶生成」「中和滴定」「アンモニア噴水」などの定番モノから、「硬貨の密度をはかる実験」「ごま油抽出実験」など目新しく面白いものまで幅広く紹介されているので取り入れやすいです。
授業における実験の頻度は毎年少しずつ増やせているのですが、どうしても学習内容の追体験に終始した真面目系の実験ばかりになってしまって、お遊び感覚の実験ってあまりできてないんですよね。
何年経っても覚えているような思い出に残るような実験ができたらなと思います。
この本は紹介されている実験の数が多すぎる訳ではないので、あまり深く考えたり吟味したりすることなく気軽に導入しやすいと思います。

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