2023年プロ野球戦力総括⑤ヤクルト・西武

もう開幕しちゃってますが、昨シーズンの振り返りを続けます。
今回は両リーグの5位チーム、ヤクルトと西武の総括です。

東京ヤクルトスワローズ

投手成績
野手成績

3連覇を目指して始まったシーズンは、連覇を支えた主力野手が揃いも揃って低調。
歴史的貧打で低迷した一方で、新クローザーの田口やリリーフに定着した星らがガッチリとハマり、リリーフ王国を築きました。
石山や今野ら実績組は勝ちパターンから外れてしまいましたが、昨季ブレイクの木澤や、トレード加入の山本らが好成績を残し、年々リリーフの層は厚くなってきているように思います。
一方で先発は大きな課題。
小川がずっとエースとしてイニングを稼いで引っ張り続けていっているのは流石ですが、続く存在がいません。
髙橋には飛躍を期待されましたが、制球難で昔で逆戻りしてしまったように思います。
奥川も全く稼働できないし、金久保や山下ら毎年期待され続けている若手もつかみきれません。
もう何年もローテーションに定着した選手が現れておらず、外国人や大ベテランの石川に頼らざるを得ないという状況がずっと続いているのは早急に解決すべき大きな問題だと思います。

打線は開幕当初の絶不調からある程度戻してきました。
最大出力は大きい打線なだけに、全員がポテンシャル通りの力が発揮できるか、そして離脱者が出たときのサブメンバーのクオリティを上げることができるかが今後のカギだと思います。
特にセンター専任の選手が少なく、塩見が離脱した時にはその穴の大きさを痛感させられました。

埼玉西武ライオンズ

投手成績
野手成績

松井新監督1年目は、当初作戦面での不明瞭さもあり、不安な船出となりました。
特に抑えはルーキーの青山を抜擢したかと思えば、打ち込まれる場面が続く増田に拘り続けるなど、迷走が続き、意図が見えてきませんでした。
増田は昨季も後半失速していて近年は満足のいくパフォーマンスができないシーズンが多くなっており、後継者問題は喫緊の課題です。
そんな中、途中獲得したクリスキーが代役守護神として定着し、リリーフ転向の佐藤隼やブレイクの田村などリリーフに多くの選択肢が出来て少しずつ強みになっていきました。
リリーフの連投や登板頻度の管理、先発の休養の入れ方など非常にうまく、投手運用に強みを見出し徐々に松井監督の采配も評価されるようになったと思います。
先発は転向1年目の平良が十分すぎる活躍。今井も四球で崩れることが少なくなり初の2桁。
さらに2年目の隅田も勝ち星だけでなく内容も飛躍を遂げ、絶対的エースの光成と強力な4本柱を形成することが出来ました。
與座も徐々に内容が良くなり、松本もウカウカしていられません。
今季はルーキーの武内も高いパフォーマンスを示しており、先発転向のボーや青山、若手の渡邉や菅井、羽田など突き上げてくる存在は多くいます。
レベルの高い争いに期待です。

一方で野手はここ数年ずっと大きな課題。
森の退団で捕手は経験があまりない選手ばかりになり心配されましたが、古賀が高い盗塁阻止率を見せ、打撃も徐々に上向き、100試合の大台に乗せてレギュラーを掴んで見せました。
また、なかなか固定できなかったサードも後半戦佐藤龍が中距離打者として良いバッティングを見せてくれました。
ただ外野は結局一枠も固定できず。
OPSが6割を超えたのが内野メインの長谷川だけで、多く出場していて「まだマシ」な成績を残していた川越・ペイトン・愛斗が退団。
強制的な入れ替えを図り、立て直していかなければなりません。

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