『The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ』拝見、2/23~公開
映画鑑賞メモ
beguiled.jp/ ★★★★☆4.5 原題:The Beguiled
3人の人気女優を打ち出した本ポスターよりも、上記の女子寄宿学園の面々7人が揃ったポスタービジュアルのほうが好きです。心がざわざわします。
これはソフィア・コッポラ監督が自らデザインしたものだそう。しかも、映画はニコール・キッドマン、エル・ファニング、キルスティン・ダンスト、コリン・ファレルらキャリア史上最も豪華なキャスティングが実現、第70回カンヌ国際映画祭の監督賞を、女性監督としては史上2人目、56年ぶりに受賞したことも話題となりました。
閉鎖的な空間、ワンシチュエーションともいえる女子学園を舞台に、1人の男性兵士を巡って巻き起こる女性たちの不穏な駆け引きを、まるで覗き見しているかのような気分になります。
あらすじ
1864年、南北戦争下、バージニア州。世間から隔絶された女子寄宿学園では、戦火の中、行き場所のない2人の教師と5人の生徒たちがいた。ある日、負傷した敵兵である北軍の兵士に遭遇した彼女たちは、屋敷で手当をする。社交的で、紳士的、かつ美しい男性と触れ合う中で、誰もが彼に心を奪われていくが、次第に彼女たちは情欲と嫉妬に支配されてしまうーー。
静謐で、粛々とした毎日を送る彼女たちの中に、突然入り込んだ異質な存在。
しかも、手当をして身辺をきれいにしてヒゲをそったら、とてもハンサム。『ワンダーウーマン』じゃないけれど「これが、男?」とでもいうように、年ごろのアリシア(エル・ファニング)ら女の子たちは興味津々。若き教師エドウィナ(キルスティン・ダンスト)や校長のミス・マーサ(ニコール・キッドマン)までドキドキ。
やがて欲望がめざめていきます。
早熟で、兵士に対してこれ見よがしな態度をとるエルをはじめとした、お3人様はもちろんのこと、生徒たちの配役がまた素晴らしい。
『サウスポー』でジェイク・ギレンホールとレイチェル・マクアダムスの娘役を演じて泣かせてくれたウーナ・ローレンスが演じるのはは、兵士を見つけた発見者。聡明で、自然や動植物が好き。ディズニーの『ピートと秘密の友達』にも出ています。
また、音楽を愛し、ピアノやバイオリンをみなのために奏でるジェーンには、『ナイスガイズ!』『スパイダーマン:ホームカミング』のアンガーリー・ライス。第2のエルになりそうな存在。
ときめきながらおしゃれする姉様たちに同調する最年少のマリーには、NHK Eテレで放送されている「超能力ファミリーサンダーマン」でノーラ役を務め、これが長編映画デビューとなるアディソン・リーケ。
そして、大人しいエミリーにはAmazon「トランスペアレント」のベッキー役で知られるエマ・ハワードという、次世代たち。
「オレのこと、気になって仕方ないんだろ?」というフェロモンをまき散らし、女性たちを翻弄していくコリン・ファレルもハマリ役で
これがドーナル・グリーソンでは優しすぎ、ジェイミー・ドーナンや、マイケル・ファスベンダーでさえもまだ甘すぎてしまう。
遠くに戦火の大砲の音が響く深い森の中、女性たちの独占欲や嫉妬、抜け駆けが展開することを楽しんでいるかのようであり、そして、その後に迎える衝撃的展開から覗く狂気の一面を有する兵士は、コリン・ファレルでぴったりかも。
もし、自身があの場に置かれたら、あなたならどうしますか??
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