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決算発表は、最初に出てくる数値に着目しよう。

決算発表を色々見ていると気が付くことがあります。

任意の開示情報だけに企業がこの情報を見て欲しい!というところが最初に強調されていることですね。

例えば、自動車メーカーはどの企業も販売台数の情報から入ってますね。売上、利益などの情報は次の載っています。


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KPI(Key perfomance Indicator:KPI)、つまり、その企業がどの指標に基づいて活動をしているかを示す指標、のことです。

この指標は企業によって異なります。またこの業績を目標にしている!と公言していないケースもあるかもしれません。

ですが、決算発表を見ていくと、自然と企業がどの数値を気にして経営を行っているのか?ということが見えてきます。

決算発表で最初に提示される情報(数値)に着目すると、その各企業がどういった目線で経営を行っていこうとしているのかが見えてきます。

自動車メーカーにとっては、生命線は自動車(バイク)の販売台数という事ですね。ちなみに・・・スズキは

これが表紙でした。

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コロナ危機などがある中でも、まず強調されている会社が設立して100年という記念すべき年であったことがまず前面に出されています。

このマイペースさがスズキの強みかもしれません。

では、他の業種の事例をみてみましよう。

たとえば、ソフトバンクをみてみると・・・


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と出てきます。

決算が好調だったソフトバンク(モバイルの方です)。

最初に出てくるのは売上高の増加!に関する話です。

30%増という数値が出てます。これは色々な企業を合併したために増えたことはありますが、ソフトバンク(スマホの方です)が、規模を拡大する志向、成長志向であることがはっきりと読み取れます。

ちなみに2020年3月期の決算期におけるソフトバンクグループの決算発表は未曾有の危機!とやや煽り気味に入ってからいきなり連結業績が示されています。

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これだけ見るとソフトバンク・グループが何を言いたかったのか?

が今一つよく分からない、です。

営業損失、当期純損失を計上するなど、業績が良くなかったことは明確に読み取れます。

なお、直近の第三四半期はこんな感じでした。


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米携帯電話事業者TモバイルUSのスプリント買収計画を米連邦地裁が容認し、遅れに遅れていた両社の統合手続きが、ようやく前進することになった。
  スプリントの過半数株式を保有するソフトバンクグループなどの投資家にとっては、苦い現実も存在する。Tモバイルとスプリントが事業統合で合意した2018年4月時点で、買収は265億ドル(現在の為替レートで約2兆9000億円)規模とされたが、長引く幾つかの問題などを考慮すれば、恐らくもはや適正評価といえず、買収価格が引き下げられる可能性が高い。
  スプリントのユーザー解約率を示す月間のチャーンレートは2%近くに上昇。これは年間で契約者ベース全体の約4分の1が利用をやめることを意味するが、料金引き上げで顧客の減少を埋め合わせる状況ではなく、ユーザー1人当たりの平均収入は、Tモバイルとの合併発表以降5%減少した。


懸念となっていたTモバイルによるスプリント社の買収が成立しました。

これにも伴い、スプリントは連結外(ソフトバンクのグループ外)になったわけです。


当社は、本日(2013年7月11日(日本時間)/2013年7月10日(米国東部時間))、米国のスプリント・ネクステル・コーポレーション(以下「スプリント」)の事業への約216億米ドル(約1.8兆円※)の投資(以下「本取引」)を完了しましたので、お知らせいたします。

というように多くの投資をしてアメリカの通信業界への参入の足掛かりにしてきたスプリント。

当初予定していた買収などが上手く行かなかったこともあり、買収後のスプリント社の伸び悩みはありました。


こんな会談もありましたね。

こうした形で合併後に保有しているTモバイルの株も売却することが報じられています。

ともあれ!

第三四半期における業績もあまりよいものではなかったわけですが、

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2019年第3四半期はそれを感じさせないプレゼンでした笑

それだけ同グループにとって、スプリント株(アメリカの通信事業)が足を引っ張っていた、ということを示していますね。

ソフトバンクにおいては今後の売上拡大を志向し、

ソフトバンクグループにおいては、ソフトバンクグループビジョンファンド(SVF)を核にした運用益を指標に経営がなされている

と整理してよいと思います。

なお、決算が好調であったと伝えられた丸井の決算発表は、数値目標(KPI)を前面に意識したものになってます。

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企業のカラーが決算発表には出ますね。

皆さんも色々とみてみてください。

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