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主婦(主夫)とフリーランスに必要な会計スキルセットは?

一般向けに講演させていただくこともチラホラ出てきました。

学生ではなく、一般の人向けに必要な会計スキルセットを定義しないとな、と感じている今日この頃です。

置かれている立場によって必要な会計スキルは異なるでしょう。

ここでは主婦(主夫、以下では主婦で統一します)とフリーランスの方に必要な会計スキルを考えてみようと思います。というのも、なんとなく誰かに管理してもらえている(されている)層と異なり、主婦とフリーランスは主体的に自分の管理を行わなければならない層だからです。

もちろん、主婦とフリーランス以外の方、雇われている方々にも会計スキルは必要です。

ですが、ガンガン稼いで管理とかも何も考えていない、という層もいて、そういう成功者もいるため、絶対必要か、と言われればそうではないかもしれません(私は必要だと感じていますが)。

そもそも、全員が会計に関する深いスキル、つまりプロ並みのスキルが必要かといえばそうではないでしょう(ある方が絶対良いとは思いますが)。特に必要な人とそうでない人には分かれてくるとは思います。

必要な人の層には会社で経理を担当している、もしくは会計と関連するような部署(製造管理もそうですね)にいる場合は必須です。これはどちらかといえば、もうプロフェッショナルとしての会計スキルですね。

ともあれ長くなりますので、この辺りのことはまた別途触れるとして今回は、主婦とフリーランス向けの話を考えてみようと思います。

1.主婦とフリーランスに必要な会計スキル

主婦の方に必要な会計スキルは、家計管理のスキルかもしれません。

このスキルはもちろん、主婦でなくても必要です。ただし、主婦の皆さんの多くは、どちらか一方が働いていて、主な収入を頼っている形になります(財産があるケースもあります)。

パートをされている場合も103万円、つまり扶養家族の範囲内で働いている、というのがほとんどではないでしょうか。

扶養家族扱いになっていると社会保障を含めて税金上での優遇措置はあるものの入ってくる収入が限定されている、という点については気をつけなけばなりません。

となると、家計管理については、共働き世帯以上に厳格に見ていく必要があります。

主婦で貯蓄が多い方、貯金を持っている方であれば、投資のスキルもあるとよいですね。ただし・・・・FXなどの投機性の強いものや、都合のよい投資話には注意してください。

繰り返しになりますが、会計のスキルはもちろん、一般、多くの人が知っておくべきものです。

ただし、ここで求められているのは生きるための会計スキルです。職業としての会計スキルではありません。

そして、この生きるための会計スキルを必要となる良い層が主婦以外には、フリーランスの方、でしょう。

フリーランス、ひょっとすると発展して会社の経営者になられるかもしれませんが、会社に所属せずに働いている方々です。

会社の経営者が会計スキルが必要であることは言うまでもありません。なぜならば、会社を運営するためには、お金を増やさなければならないからです。お金を増やせない事業は社会に対する付加価値を発生させていない事業です。*非営利の事業は除いた話です。あくまでも営利ベースの話です。

2.主婦とフリーランスで異なる会計の使い方

主婦、フリーランスでは会計の使い方がやや異なるかもしれません。

主婦の方であれば、どちらかといえば、ディフェンシブな立場で使うことになるでしょう。

お金を稼いでくるのはパートナーですが、一方でそれを管理するのが主婦の方です。となると、収入を持ってくるのはパートナー、支出を管理するのは主婦となります。

となるとどうしても渋くなる、つまり厳しい見立てで支出を管理することになるでしょう。

例えば、お小遣いは○○円、今月の食費は○○円、習い事は○○円というようにベースは支出管理になります。

支出管理能力が問われるのが特徴です。

シンプルですが、限られた収入の中でやりくりを考える家計の世界は、また会計とは少し異なったもの、といえるかもしれません。

ただし、家計の世界では収入と支出が基本になりますが、会計では、資産と負債、純資産の考え方も入っています。

将来、発生する負債(例えば、子どもの教育費、老後に必要な資金)がいくらか、現在保有している資産(保有している土地や建物の値段、現金)がいくらかを把握して、純資産を計算しておくがよいでしょう。

精密なものでなくても「おおよそ」でも計算しておくと見方が変わってきます。

フリーランスの方々はどうでしょうか?

フリーランスの方で必要になって来るのは一事業者、つまり会社を運営している、という感覚で、会計のスキルを身につけることでしょう。

収入と支出の管理のスキルが必要なことは言うまでもありませんが、自分の現金化できるスキル、もしくはフリーランスとしての事業モデルを考えて、その現金生成機能を考えておくことが必要でしょう。

注意が必要なのは、会計においては測定可能なものしか、計上出来ないということです。

つまり、自分のスキルは無形の資産、見えない資産なので、評価できません。

いくら私のスキルは1億円の価値がある、といってもそれを誰も証明することが出来ません。

会計の帳簿に計上できるのはあくまでも現金で正確に測定できるもの、推測できるもの、だけである点に注意が必要です。

あなたのスキルに本当に価値があるならば、そのスキルから得られたものが必然的に現金化されていくはずです。

フリーランスの方に必要なのは、原価計算の知識でしょう。

売上、つまり一サービスあたりの単価を厳格に決めておくことが必要です。

安請け合い、という話がありますが、一サービスあたりの単価を安くでやってしまえば、入って来る収入は少なくなります。

時間×単価はフリーランスにとっては死活問題です。

なので、どの程度単価なら赤字にならず引き受け可能か、ということを見積もっておいた方がよいでしょう。

固定費(事業を維持するのに固定的に掛かる費用)+変動費(そのサービスを提供するにあたりかかるコスト)と大まかに分けてコスト管理をして適正なコストで引き受けましょう。

そして忘れてはならないのは広告宣伝費にかけるお金です。

フリーランスにとって広告宣伝費にかけるお金は重要です。もちろん、本当に広告を出すケースもあるとは思いますが、もっと重要なのは、広告宣伝も意識した事業も行っておくことです。

例えば、無料でのイベントやボランティア的なものは、あなたにとっての広告宣伝だと思って積極的に行うことも時に必要です。

もちろん、お金が絡んでいる、という気持ちを前面に出してはいけません。あくまでもそうした要素もあると頭の片隅においておく、ということです。

というのもお金の話ばかりしていると、嫌われます。

いや嫌われはしないとは思いますが、高付加価値でサービス提供するためにはそれを周りに認めてもらうことが必要です。

つまり、ブランドづくりの一環としての広告宣伝活動、ということです。

広告宣伝をしたからとって必ずしも将来単価が上がるかは分かりません。それが読めたら、みんな成功者です笑

ですが、短期的な利益を追い求めるのではなく、特に地域の活動に参加してみる、そこで無償で働いてみるということがまわりまわって貴方の価値を高めることになる、ということですね。

広告宣伝の一環としてやる、ということですから、あなたの提供している製品・サービスと直接関連することをやるのが大事です。

関連しないことは本当に趣味にやりましょう笑

3.保険とリスクマネジメントも必要

最後に必要なのは、保険、リスクマネジメントの考え方です。

主婦、フリーランスに共通して言える話ですね。

これは会計と直接関係はしないのですが、あなた自身、家族に何かあったとき・・・を想定しておくことが必要です。

支出を絞ろうとすると保険に掛けるお金を減らそうという発想にどうしてもなります。

もちろん、過大に保険に入るのはよくありません。よく言われるのが支払保険料は家計全体の10%を超えないように、という話ですね。

主婦の方がですと、働いているパートナーの福利厚生もチェックして必要な保険、足りないところを洗い出しておく必要があります。

フリーランスの方は、何の保障もないわけなので、必要な保険には少額でも積極的に入っておくとよいでしょう。

家族がいらっしゃる場合は、あなたが働けなくなっても家族が困らないような保険に入っておくことが必要です。

もちろん、保険ですべてをカバーすることは出来ません。

計画的に優先すべきリスクを洗い出して、必要性の高いものを保険でカバーするとよいでしょう。

続きでもう少し書きたいこともあるのですが、今回はこの辺りで筆をおきたいと思います。

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