軸を作る:内と外の社会を意識する:メンタライゼーション
前回のnoteでは、日記(記録)を取ることの重要性についてお話しました。
ポイントは、
・簡単な自己分析(他責思考、自責思考傾向のどちらにある?)を行う。
・記録を行う際には、人の悪口、愚痴を極力書かない(他責思考のある人)、自分を極力攻めない(自責思考のある人)
・自分を愛する気持ちを忘れないように(あなたが自分を愛せなければ、だれがあなたを愛してくれるのでしょうか?)
ということを気を付けながら、日々の心の記録を取ることをお勧めしました。
ここではもう少し話を進めてメンタライジングという考え方を紹介します。
1.自分のことを客観視するのは簡単ではない
前回の鏡の話の続きですが、自分のことは案外分かっていません。だからこそ、自分のことを客観的に分析するために心の動きを観察する必要がある訳です。
こちらの日記の中でも自分を俯瞰してみることの大切さが書かれていますね。まぁ、簡単にできないと思います。
そういえば、私も振られてからしばらく忘れられなかったなーと思いました。若さ!もあると思いすけど。やっぱり新しい恋、が大事かな(笑)
直観力に近いかもしれませんけど、こちらも面白い。
自分の感性というか、あ、これおかしいな・・・と気づく力があるかどうか。これは非常に大事だと思います。
俯瞰力、メタ認知が高いからこそ、違和感に気づけるのでしょうね。
だからこそ、経営者、リーダーになれるのだと思います。私の知っている優れた経営者、リーダーはこの能力をお持ちですね。
話が前後しましたが、この自分を遠く(一歩ひいて)からみる能力はいわゆる俯瞰力とか、メタ認知と言われるものですね。
サイトを調べてみると膨大に色々とありますね。
ただ、個人的経験から言わせていただきますと、何らかの体験が無い限りこうした俯瞰力(心理学でいうところとメタ認知)を後天的にみにつけることは難しいと感じています。
体験とは、自分を思いっきり否定されたり、挫折したりという経験です。
心がへし折られたとき、はじめてその必要性を感じます。
だから、鬱になる・・・のは大変ですが、迷いはあってもいいと思うんですよね。
世の中には、才能がある人います。
トレーニングを経ないでも、自分を俯瞰的にみる力を持っている人です。これは後々触れていきたいトピックスとして自己肯定感があります。
つまり、幼少期の自己肯定感があることがその人の人格にかなり大きな影響を与えているのではないか、ということです。
残念ながら、私は先天的には持っていない人ですので、今身に着ける努力をしている訳です。
メタ認知に関する話は山のようにありますので、ここではメンタライゼーションという考え方を紹介します。
2. 内と外の社会を意識する:メンタライゼーション
メタ認知は知ってるけど、メンタライゼーションは知らない。そういう人が多いと思います。
メンタライゼーションとは,本書の編者の一人でもあるピーター・フォナギーらが1990年代に提出した概念である。フォナギーの表現を借りて一言でいえば,それは「こころの中にこころを保持すること」となる。つまり,自分や他者を感情や信念,ニーズ,欲望といったこころを備えた存在として捉えることであり,われわれの行為をそうしたこころの状態と関連付けて理解しようとする能力のことである。
??
分かりますかね。たぶん難しいと思います。
そこで、こちらの本から読み解いていきたいと思います。
太い本ですが、著者は、臨床家でありながら研究もされているデイビッド・J・ウォーリン博士。どちらかと言えば軸足は、臨床にあります。
カリフォルニアのミル・ヴァレィとアルバニーで個人開業している臨床心理士。ハーバード大学を卒業し、カリフォルニア州バークレー市にあるライト・インスティテュートから博士号を授与。そしてほぼ三十年間、そこで臨床を実践し、教育に携わり、精神療法に関する著作を生み出してきた
メンタライゼーションよりもメンタライジングの視点からみた方が分かりやすいと思いますので、こちらから入って行きます。
メンタライジングとは、「世界に関する体験を仲介する心というものがあるということを悟るプロセス」であり、それは自己認識ではなく、心全般に関する知識である(65頁)。
これでも??と思うので、
もう少しああ、なるほどと思うところを紹介します。
メンタライジング様式(mentalizing of reflective mode)においては、内的世界と外的現実と分離しながら同時に関係してもいるということを、私たちは認識することができます。①思考、感情および空想と、②実際に私たちの身に起きていることとが、いずれも影響を与えたり受けたりすることについて反省することができます(70頁)。
物凄く分かりやすく言えば、メタ認知と共感力を併せ持った状態だと捉えてもいいでしょう。
3. 自己の内面と外の社会との繋がりを意識する
メンタライジング、メンタライゼーションは元々は愛着理論と精神分析理論から生まれてきた考え方です。
安定した愛着形成がされていることがメンタライジング力を高める事にも繋がっている、と主張されています。自己肯定感が高いかどうか、ということとも関係しているでしょう。
ここからは私の仮説(考え)です。自己認識、俯瞰力、メタ認知色々な言い方はありますが、自分を知るということがとても大切です。
それと同時に外の社会との繋がりを認識することなしに本当の自己を知るは出来ないのではにないか?
ということを最近は強く感じています。
つまり、私たちは生まれた時に、誰かにケアしてもらわなければ、あっという間に死んでいたはず、ですよね。
誰かの助けなしには生きていけない存在、ですよね。
人間の生そのものが、非常に脆弱で協力し合わなければ生きていけない。
そう考えた時に内的世界と外の現実社会との繋がりを意識するということがとても大切だと感じています。
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